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山際淳司『江夏の21球』

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スポーツノンフィクションの名ライターによる、
1980年代の野球ノンフィクションの名作12本を一冊にまとめたもの。
著者の山際淳司さんは、根性論で片付ける風潮の強かった
日本のスポーツジャーナリズムに、徹底的な取材と冷静な分析で伝えるという
新風を巻き起こした人。1995年に46歳の若さで亡くなった。

★内容紹介
・中でも代表作とされるのが「江夏の21球」。
 1979年のプロ野球日本シリーズ、11月4日の大阪球場、
 近鉄対広島の第7戦9回裏、広島の1点リードの場面で
 マウンドに上がった江夏豊投手の21球に焦点を当てたノンフィクション。
・この試合、江夏は7回途中から登板。1点リードのまま9回裏を迎えるが
 ヒット、盗塁、フォアボール、フォアボールでノーアウト満塁のピンチを迎える。
 近鉄は押せ押せムード。だが三振、スクイズ失敗、三振で広島の日本一を決めた。
・このノンフィクションは、無死満塁という絶体絶命から江夏や広島の古葉監督が
 何を考えたか。大チャンスに近鉄のバッターや西本監督は何を考えたか、
 解説の野村克也さんは何を考えたか、インタビューを交えて再構成されたもの。

★読みどころ
(1)無死満塁となったときに、江夏はあることに気づく。それは……
その時の江夏を救ったのが、先月亡くなった衣笠祥雄さん。
(2)リリーフというものの重要性を知らしめた試合。
   この頃はまだ先発完投してこそ投手という風潮で、
リリーフの立場は低かった。そのリリーフの地位向上のきっかけとなったのが江夏。
(3)他の作品も、どれも面白いが、特に「負け犬」がオススメ。
 ケン・モッカについて書かれた短いエッセイ。
また「落球伝説」は1973年の阪神の話だが、阪神の優勝を阻止して
巨人のV9に貢献してしまった中日との試合が登場する。

昭和のプロ野球が蘇る、野球ノンフィクションの金字塔。

山際淳司(やまぎわ・じゅんじ)さんの『江夏の21球』です。
角川新書から907円で販売中です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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