多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

ガン治療の最前線・免疫療法とは?

6月8日の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、「ガンの免疫療法」について特集しました。

これまでのガン治療は手術が主流でしたが、現在はいろいろな方法があります。
今回はその中でも免疫療法について、愛知県ガンセンター中央病院副院長、薬物療法部長の室 圭(むろ・けい)先生に伺いました。聞き手は多田しげおです。

免疫とは何か

よく使う言葉ですが、そもそも「免疫」とはどういうものでしょうか?

室先生「我々は細菌、ウイルス、放射線など異物にさらされています。それらによって遺伝子が傷つけられたり、細胞が異常なものになったりする。そういう身体に危険なものを察知して、排除しようとするのが免疫というシステムです。
例えばインフルエンザに罹っても元気な人は数日間で治ります。それは免疫によるものです。
人間は本来持っている免疫力という機能でいろいろな危険から守られているのです」

病気になるとは?

具体的には人間の身体のどこが、そういう役割を果たすのでしょう?

室先生「免疫担当細胞があって、白血球やその前段階のいろいろな細胞がそれに関わっていると言われています。
インフルエンザであれば、ウイルスが入ってきてそれをうまくやっつけたらインフルエンザが治ります。そのまま身体を侵されたらインフルエンザ脳炎などになり命に関わります。老人、こども、免疫力が落ちた方ではインフルエンザでも侮れません。

似たことがガンでも起きています。常にいろいろな異物にさらされてガン細胞は作られています。それが排除できれば、ガンにならずに済みます。そのバランスが崩れるとガンが発症します」

私たちの身体の中では、常にガン細胞の卵のようなものが発生しているというわけですね。

室先生「そういう傷ついた細胞は常に発生していますが、それが免疫のメカニズムによってうまく排除されているからガン化が抑えられています」

免疫のバランスが大事

その免疫のバランスが崩れると病気になるということでしょうか?

室先生「免疫は、ブレーキ役とアクセル役が見事にバランスがとれていることで成り立っています。
アクセルが踏まれた状態になりすぎると、免疫が暴走して自分の身体も非自己と認識して、正常な細胞も攻撃してしまいます」

逆に、ブレーキが利きすぎるのもよくないそうです。

室先生「ブレーキを外す治療が『免疫チェックポイント阻害薬』で、まさに免疫のメカニズムに立ち返って作られた新しい薬です」

免疫チェックポイント阻害薬

「免疫チェックポイント阻害薬」とは、どんな薬品なのでしょう?

室先生「ブレーキを外す薬です。というのは、昔はアクセルをどんどん押す、免疫をどんどん高める薬の開発がされましたが、あまりうまくいかなかった。それで、ブレーキを外す薬が出てきて、それが画期的な治療薬となって、今臨床の現場に入ってきています」

この「免疫チェックポイント阻害薬」は臨床試験により、ガンの種類によって効果の有無がわかってきたそうです。

室先生「例えば悪性黒色腫という皮膚のガン(メラノーマ)とか、肺ガン、腎細胞ガン、胃ガンでも効果があることがわかってきました。乳ガンとか大腸ガンでは効きません。それは臨床研究がなされた結果、わかってきたことです」

免疫療法-効果のないものとあるもの

この免疫療法はどの程度進化してきたのでしょう?

室先生「いわゆる免疫療法は20年も30年も前からやられていて、臨床試験もされずに科学的な評価もされないまま、正直野放しにされていた状態でやっているクリニックもあります。

そういった免疫療法と、いま世の中に出て、画期的な新薬として評価が定まってきた治療とはまったく一線を画するものです。
免疫チェックポイント阻害薬という薬の登場で、初めて効果のある免疫療法として、いまガン治療に応用されています」

3つのガン治療

ガン治療には、手術、放射線治療、抗がん剤による化学療法などの方法がありました。その中で免疫療法はどのような位置になるのでしょう?

室先生「ガン免疫療法は第4の治療とも言われていますが、ガン薬物療法という観点に立てば、抗がん剤と同じカテゴリーに入ります。
手術、放射線、これはいわゆる局所治療で100年以上前からやられていた治療です。ガン薬物療法は戦後実践されるようになってきました。
この3つをうまく組み合わせていけばいいと思います」

ガンにならないためには?

多田「医学が進んできて、いまガンは治る病気と言っていいですか?」

室先生「完全に治るとは言えないですが、治りうる病気であり、治る確率は確実に上がっている病気です」

多田「リスナーの方から『血液検査で白血球が少ないと言われました。ガンになりやすいですか』というおたよりが来ていますが」

室先生「白血球の絶対数は関係ないです。免疫はメカニズムによって成り立っていますから」

多田「免疫力を維持するには、普段の生活でどんなことに気をつけたらいいでしょうか」

室先生「やはり規則正しい生活、バランスのいい食事、適度な運動となります。睡眠不足の状態が長く続くとか、精神的な負担に長い期間さらされているとか、それは免疫的によくないと言われています」

多田は「私も番組始まって20年間、ずっと睡眠不足なので気を付けないといけないですね」と、苦笑いしつつ特集を締めました。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2018年06月08日08時14分~抜粋

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