「緑」についての雑学 ミドリビアあれこれ

多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N / カルチャー

5/11放送の『多田しげおの気分爽快!!朝からP・O・N』では、「金曜コラム」と題し、当番組のご意見番並びにCBC特別解説委員の石塚元章が、「緑」というテーマで話をしました。

すがすがしい新緑の季節ということで、緑についての様々なトリビア(雑学)を披露していきます。さしずめ“ミドリビア”とでも申しましょうか。

緑は元々、色ではなかった

「緑」というのは、元々日本語で「みずみずしい」という様子を表していた言葉だそうです。
色を表現する言葉ではなかったのです。

古代の日本では「赤・黒・青・白」しか、色を表現する言葉はなかったと言われています。
なので現在我々が見て「緑」に見える色は、やむを得ず「青」という言葉を使っていたといいます。

そんな歴史があるため、緑色なのに青と呼ぶ名残が今でもあります。典型的な例は「青信号」。明らかに緑色ですよね。
他にも「青虫」「青菜」「青葉」などがあります。これらも実際には「緑虫」「緑菜」「緑葉」です。ただ、「緑虫」だと別の生物になってしまいますが。

更には、緑でも青でもどちらでもないのに、なぜか緑を付ける場合もあります。例えば「緑の黒髪」。黒く艶のある女性の美しい髪のことを言いますが、なぜに緑?
これは、「春の新芽のように、若くみずみずしい」という元々の「緑」の意味合いから生まれた表現だからです。
最近ではあまり使われなくなったものの、生まれたばかりの赤ちゃんを「緑児(みどりご)」と言うのも同様の理由です。

日本語の表現というものは豊かでして、平安時代以降、色を表す言葉がいろいろ増えてくると、この「緑」も様々な言い方になっていきます。「萌木色」「若草色」「うぐいす色」「薄柳」などなど、語彙の多い日本語ならではの、深みがあるおしゃれな言葉が生まれていくのでした。

安全性に優れた緑色

緑は中性の色と言われています。赤や黄なら暖かみのある“暖色”、青や水色なら冷たさを感じさせる“寒色”、どちらにも属さない緑や紫などは“中性色”です。

日本工業規格(JIS)では、緑を「安全・避難・衛生」などを表す色として決められています。特徴的な色ではない丁度良い色だからということです。なので、非常口の色は緑色なんですね。
「非常口なら赤の方が目立つから良いのでは?」と思われるかもしれませんが、JISでは赤を「防火・禁止・高度の危険」などを表す色と決めています。黄は「注意」です。標識の色はみんなそういう意味があるわけです。

爽やか・安全というイメージが定着すると、シンボルカラーとしても緑は使われ易くなります。政治の世界で言えば、日本はもちろん欧米には“グリーン”と名の付く政党が多く見受けられます。

他には、最近はめっきり少なくなりましたが「緑のおばさん」が良い例ですね。小学生の通学の安全確保に当たる、学童擁護員の女性を表す愛称です。
1959年に東京で始まった制度で、その後全国に広まっていきますが、実はこの通称、全国共通ではありません。黄色い旗を振るから「黄色いおばさん」と呼ぶ地域もあれば、大阪では「黄色いママさん」と呼ばれることもあったそうです。

面白いのは、「緑区」という区名。名古屋市にもありますし、横浜市・さいたま市・千葉市・相模原市と、全国で5つの政令指定都市に存在しています。

区に名前を付ける際、「中区・中央区」「西区・東区」「北区・南区」などの位置や方角で決めるパターンと、古来からそこにあった有名な地名から取るパターンがあります。
それ以外で、方角も中途半端だし、ある地名からヘタに取って他の地域と揉めるのはイヤだという場合には、無難でイメージの良い「緑区」が使われ易いんだとか。

海外では悪いイメージも

一方、海外では緑のイメージが違ってくることがあります。

欧米では、「グリーンアイド・モンスター」(緑色の目をした怪物)という慣用句があります。意味は「嫉妬」。シェイクスピアの戯曲『オセロ』の一節にこの表現があることから広まったと言われています。

「そう言えば、アメリカのホラー映画の怪物なんかは、ほとんど目が緑色ですね」と、パーソナリティの多田しげおはつぶやきます。身体や血が緑色というパターンも多いですね。

「『ウィキッド』というミュージカルに出てくる、悪い魔女は顔が緑色です」と、アシスタントの山内彩加アナウンサーも呼応します。

なぜ欧米では悪いイメージが多いのかというと、元々緑の染料を作るのは難しく、いろんな物を混ぜないと作れないそうで、「すぐに変色する」「不安定」というイメージがベースにあるのでは?という説がまずあります。

そして次に、紋章や色彩を研究しているフランスの有名な学者、ミシェル・パストゥロー氏は、いろんな色ごとにすごい研究をしていまして。
緑に関しては「幸運と不幸」「気まぐれ」などを表す色だと論じているそうです。だから、ルーレットなどの賭け事のテーブルや、テニスコート、ビリヤード台が緑色なのも、“勝負がどちらに転ぶかわからない”という不安定さから選ばれると主張しているんだとか。
アメリカのドル紙幣の印刷が緑なのも、「お金を象徴する色だから」という説があります。

それからもう1つは、イスラム教がシンボルカラーを緑にしていることも理由に挙げられます。アラブ諸国の多くのイスラム国家の国旗には、緑が必ず使われていますね。
宗教的な対立のイメージもあって、キリスト教国家からは敬遠される色になった、という説も。

これらの要因が重なって、欧米では緑に良くないイメージがあるのでした。

名は体を表さない

そうは言いつつも、緑についてはこんなユニークな逸話があります。

北極圏にある世界最大の島、グリーンランド。この名付け親は、“赤毛のエイリーク”と呼ばれていたヴァイキングでした。10世紀末のことです。
彼はその前に、グリーンランドの南東にあるアイスランドの命名もしていました。しかし、そのいかにも寒そうな名前に人々は引き、移住者が集まりませんでした。
その失敗を生かし、次こそは人が集まるようにと、緑がいっぱいあると言えば移住者が来るだろうと、「グリーンランド」と名付けたということです。

実際には皮肉にも、アイスランドには緑があふれていて、グリーンランドは氷に覆われているのですが。

この両地の命名については諸説あるようですが、こんな逸話が残っているということは、ヨーロッパの人でもそれだけ自然の緑には魅力を感じるのでしょうね。
(岡戸孝宏)
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2018年05月11日07時26分~抜粋

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