工作太朗のジョブナイ

年間上映作品300本!名古屋の老舗ミニシアター支配人に儲かるのか聞いてみた。

ロードショー公開されるハリウッド映画とはひと味違う、知る人ぞ知る良質な作品を提供してくれる単館上映の映画館。

そんな独特の味わいがあるミニシアターの支配人に仕事内容や映画館の魅力などについて伺いました。
3月21日放送の『工作太朗のジョブナイ』から。

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名古屋はミニシアターが充実

今回工作太朗が取材したのは、単館上映の映画館、名古屋シネマテークの支配人を務める永吉直之さん。

名古屋の繁華街・千種区今池にある名古屋シネマテークは、昭和57年に開館した名古屋では最も古いミニシアターでファンも多いとか。

永吉さん「(名古屋のミニシアターは)結構多くてですね、映画館環境はいいんです」
工作「映画の街だったんですね、名古屋って」

週3で観るほど映画好きだった永吉さんは1993年に学生バイトとして入り、そのまま就職されたそうです。具体的にどんなことをするのでしょう?

永吉さん「モギリのお仕事や、パンフレット販売」

最大の仕事は掃除だそうで「結構大変」だとか。
また、デジタル化した今とは違い、昔は映写機回しもあったそうです。

同館は約120プログラムあり、年間上映作品はトータルで300本近く。
上映リストの選定は1人では不可能なため、複数のスタッフで相談して決めるのだそうです。
客層も主婦からサラリーマンまでまちまちで、作品や時間帯の選定は骨が折れそうですね。

作品を”番組”と呼ぶ独特の言い回しに気づいた工作は、意外に放送業界と似たような感覚ではないかと推察します。
 

2時間の視聴体験は貴重!

シネコンと比較するとミニシアターはいわゆる”癖のある”作品が主で、CMに出るような有名作はあまり上映しないそうです。
また、自主制作映画の上映も行っており、名を馳せる監督さん方も一度は通る道なのだとか。

映画館でしか作品を鑑賞できなかった昔と違い、ユーザーの視聴方法が増えた現代。

永吉さん「(最近は)映画を初めてご覧になるのはほぼデスクトップ。映画館から始まる人はごくまれ。ハードル高いと思うんですよ」

一方、映画館は時間を合わせる必要があり、2~3時間の拘束はもはや特殊な体験です。
となると、映画館に足を運ぶ魅力は何なのでしょうか?

永吉さん「”せーの”で観ることが大事」

全然知らない人に囲まれ、いびきをする人がいたり、笑い出す人がいたり、”体験を共有する場所”としての役割が大きいようです。
また、画面に集中しながら過ごせるため「今日観た2時間って何だったんだろう?」と振り返ることもでき、”記憶の中で作品が続く”ことが価値になるのだとか。
 

デートにオススメな2作品

スタジオで取材音声を聞いていた大塚南(らじお女子)は、「深いですね~」と感嘆。
工作は「映画を観に行くのはひとつのイベント。スマホでは味わえない」と語ります。

確かに家のテレビで観るのと、映画館にわざわざ足を運んで鑑賞するのとでは記憶の残り方が違うもの。何年経っても鑑賞時の雰囲気を忘れないものです。

永吉さんおすすめの話題作は『オリ・マキの人生で最も幸せな日』。2016年のフィンランド作品で、ボクシングの実際の試合を下敷きにしたモノクロ作品。
そして近代建築が見どころでアメリカ中西部を舞台にした『コロンバス』。
2本ともラブストーリーでデートにオススメだそうですよ。

工作「ボクは堂々と一人で観に行こうと思います!」

バイトを希望するものの「いま募集してないんですよね」と無下に断られてしまいます。
さて、映画館は儲かるのでしょうか?

永吉さん「儲ける方法があるんだったら教えてほしいですけど…」

正直な回答です。

とはいえ、居心地のいい空間にいられることは大きな魅力。
喫茶店で上映を待つ時間も楽しいそうで、永吉さんの少年のようなキラキラした目も印象に残ったようです。

「ふだん見れない作品が観れて楽しい」「こだわりをもって選んでいる気がする」とリスナーの方からも熱い支持を受けるミニシアター。ぜひ足を運んでみてください!
(nachtm)
 
工作太朗のジョブナイ
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2020年03月21日22時13分~抜粋

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