工作太朗のジョブナイ

柚子胡椒にコショウが入っていない理由

柚子胡椒といえば柚子のさわやかな香りが特徴。鍋料理や天ぷらなど、いろんな料理に合う万能な調味料のイメージがありますね。
そんな柚子胡椒を販売されている方が本日のゲスト。

会社員からどのようなきっかけで商売に転身したのでしょうか?
そのヒントは笑顔を願う気持ちと味の魅力にありました。11月30日放送の『ジョブナイ』から。

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柚子胡椒に胡椒は入っていない?

ゲストは、愛知県で柚子胡椒屋「西家」を展開する西真澄さん。
福岡出身の工作によれば、九州では一家にひとつというほど柚子胡椒は普及しているそうです。
愛知で言うところの”つけて味噌、かけて味噌”のようなメジャーな存在だとか。

「そもそも柚子胡椒って何ですか?」と基本的な質問から。
「青唐辛子、塩、柚子の皮が成分。種類によっては赤(唐辛子)も使いますが、うちは緑」
「胡椒は入っていない?」と工作は確認。

日本に黒胡椒や白胡椒が入ってくる以前から、九州では唐辛子のことを”胡椒”と呼んでいたのが名前の由来だそうで、いわゆる外来の胡椒は入っていないそうです。

実は二代目の作り手にあたる西さん。
22-23年前に西さんの父親が自宅の料理に合う柚子胡椒を作り始めたのが事の起こりだとか。
会社員をしていた現在41歳の西さん、6年前の35歳の時に転身されたそうです。

工作「どういうきっかけで後を継ぐことに?」
西さん「病気を患った父親を笑顔にしたい、喜ばせたいと」

そんな親孝行の思いに加え、初めて柚子胡椒を食べた時に「美味しい!何にでも合う!」と衝撃的な感動を受けたことも事業を継ぐ決意を固めたのだそうです。

無農薬は”大切な人”のため

続いて、「どうやって柚子胡椒を作っているのでしょうか?」と工作。

畑は岩倉市で借り、柚子は四国から仕入れているようです。
5月くらいから苗を育て、実を取っていくと、苗自体が種を残そうと花をつけるそうです。
こうして実を取り続けていくと、ひとつの苗から100以上の実が取れるようになるそうです。

工作「混ぜればできるんですか?」
西さん「混ぜ合わせればできますが、うちでは熟成します」
工作「どのくらいの期間、熟成を?」
西さん「短くても1ヶ月、長ければ半年から~1年くらい」

熟成によって唐辛子の辛さがマイルドになったりするなど、味わいが変化するそうです。

大変なのは畑の管理。
年中ではないものの、5~6月は苗の環境を整えるためにほぼずっと草むしりをしているそう。

工作「農薬は使わないんですか?」
西さん「父の教えに従い、自分の大切な人が食べると思って大事に育てている」

無農薬にこだわるためには、会社員だと無理なくらいの長時間作業が求められるとか。
それでも美味しいと言ってもらえた時や、海外から評価を受けた時にやりがいを感じるそうです。

儲かるの?現代的な販売スタイル

販売についてはお店やホームページはもたず、SNS(主にフェイスブック)上の注文受付のみという現代的なやり方で行っているとか。
具体的な口コミやいいね!で認知が広まっているそうです。
気になるお値段は120gで未熟のものが2,400円、完熟のものは5,000円だとか。

工作「熟成によって変わるんですね」
西さん「ビックリする価格ですよね」

まるでお酒のような感覚だと工作。

「ズバリ、儲かりますか?」との問いには「ようやく儲かる土壌はできた」と答えが。
わずか6年で会社員時代の収入に追いついてきたそうです。

さらに西さんは柚子胡椒に参入してほしい、美味しい物は多い方がいい、とライバルの出現も歓迎します。競合によってむしろ市場が盛り上がり、柚子胡椒自体の認知が高まる方がよいという思惑でしょうか。

「情熱的で仁義も大切にする」と西さんの経営哲学に良い刺激を受けた工作でした。(nachtm)
工作太朗のジョブナイ
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2019年11月30日22時12分~抜粋

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