工作太朗のジョブナイ

飲食業界から転身したお坊さんに聞いてみた。本当に坊主丸儲け?

日本人にとって関わりが深く欠かせないお寺。
そこで働く住職さんとは、冠婚葬祭でお会いする程度で日頃なじみが薄く、その実態はあまり知られていません。

畑違いの飲食業界からお坊さんへと転身された住職さんに、厳しい山中修行や仕事のやりがいなど、興味深いお話を伺いました。
11月16日放送の『工作太朗のジョブナイ』から。

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専業で生計を立てられるのは3割

愛知県愛西市にある『大法寺』の住職を務める長谷雄蓮華さん。
まずは工作、「"住職"と"お坊さん"と"和尚さん"って違うんですか?」と基本的な質問から。

長谷雄さんは「修行を終えて本山からお免状を貰った人が『お坊さん』や『僧侶』。その中で、それぞれのお寺のトップを務めるのが『住職』」と、違いをわかりやすく説明します。
会社で例えるなら、社長が住職、一般社員は僧侶ということになります。
ちなみに『和尚さん』というのは、住職になる資格のようなものだそうです。

長谷雄さんいわく「お寺だけで生計を立てている人は全体で3割」だとか。
お寺の他に学校や役所、企業との兼業が大半を占めているそうです。
「それだけ今はお寺の経営が難しいってことなんでしょうね…」と工作。

続いて、「お坊さんになるには?」と質問。
長谷雄さん曰く「運転免許と同じように教習所があるんです」とのこと。
宗派によって道場があり、長谷雄さんの場合は修行に4年かかったそうです。
最後の1年は山にこもりきりで、掃除と御経漬けの毎日だったとか。

電話もラジオもない生活に「よく耐えられるな…」と感心しきりの工作です。

飲食店経営からの転身

「どうしてお坊さんになったんですか?」との工作の質問に、長谷雄さんは「元々飲食店をやっていた」と意外な回答。

現在11代目の住職を務める長谷雄さんは、元々大法寺の生まれ。
実家を継ぐと思われたお兄さんが別の大きなお寺にヘッドハンディングされたことを機に、飲食業を辞めてお坊さんになる決意をされたとのこと。
実家の事情とはいえ、資格取得まで耐え抜いた長谷雄さんに「本当にご立派です」と感服する工作。

そして、工作は自分も住職になれるのかを質問。
すると、長谷雄さんから「逆玉の輿を狙える」という驚きの提案が!

長谷雄さん「このラジオを聞いているお寺の一人娘さんがおられましたら、CBCラジオまで!」
工作「僕も住職になれる可能性があるってことですか!?」

「大きなお寺の一人娘のお嬢さんが工作さんと付き合いたいとなれば…」と聞き、「だいぶ昇格じゃないですか!」と工作は期待感を露わに。

しかし資格を取るための厳しい修行を考えると、「山にこもりきりはちょっときついな…」と再び怯んでしまいます。

給料よりも大切なもの

お坊さんに付きまとう「坊主丸儲け」のイメージ。
工作は「何がそうさせているんですか?」と際どい質問。

長谷雄さんは「葬式や法事の費用が思ったよりも高い」「宗教法人だと税金がかからないイメージがある」などの事情を説明。
また、経営母体の宗教法人から給与が支払われるので、所得税を支払い、源泉も引かれるとのこと。

「宗教法人に入るお金の中でも宗教行為(お経やお説教など)に関しては非課税」であるため、儲かるイメージが強いのでは?と長谷雄さんは丹念に解説します。

「47歳の同級生と比べて半分以下の給料」と衝撃の告白も。
「儲かると思いますか?」との質問には「思いません!」ときっぱりしたご回答でした。

今回、工作の印象に強く残ったのは「儲からないけどやりがいがある」という長谷雄さんのお言葉。

住職としていろいろな方の相談に乗り、励まされた方からの返事を聞くと「やっていてよかった」と強く感じるのだそうです。
仕事を続ける上で支えになるのは、何よりもやりがいなのかもしれませんね。
(nachtm)
工作太朗のジョブナイ
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2019年11月16日22時10分~抜粋

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