工作太朗のジョブナイ

絵が好きなだけでは絶対なれない!狭き門の学芸員の収入は?

ピン芸人の工作太朗が様々な職業を取材するお仕事エンタテイメント『工作太朗のジョブナイ』。
11月9日の放送では、美術館や博物館などで働く「学芸員」について取り上げました。

狭き門と言われるお仕事ですが、今回はその難関をパスして美術館の学芸員になった方に、職に就く方法や気になる収入についてなど貴重なお話を伺いました。

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驚きの競争率

今回のゲストは、名古屋市美術館で学芸員をされている森本陽香さん。
これまであまり美術館に縁がなかった工作、学芸員の仕事について尋ねます。

森本さん曰く「展覧会を作ったり、作品や資料を集めてきて研究する仕事」だそうです。
絵を描く作家や画家とは違い、絵を研究したり絵の見せ方を考えることが業務だとか。
元美術部で絵を描くことも好きだった森本さん。
「絵の見せ方を考えることの面白さ」に惹かれたのがきっかけだそうです。

工作「どうやって学芸員さんになるの?普通に就職活動をするんですか?」
森本さん「大学で学芸員になるための授業をとり、実習を受けたら資格が得られます」

資格を得た後は、時々募集される求人に応募し試験を受ける、というのが学芸員になる一般的な流れ。
森本さんは「1度に採用される人数は1~2名。毎年コンスタントに募集があるわけでもない」と、学芸員になる難しさを語ります。

狭き門であることがわかり、「タイミングも運も実力も全部必要だな」と考える工作。
学芸員の求人は毎年募集があるわけではないため、タイミングも大事なのかもしれませんね。

展覧会デートで会話も深まる!?

仕事の大変さを聞かれた森本さんは、「とっても楽しいです!」と即答。
魅力は「常に本物の作品がそこにある」こと。

午前中は小学校の団体対応、午後は新たに収蔵する作品の調査に出かける1日を送っているそうです。

現在は『カラヴァッジョ展』(ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ)の真っ最中で、こうした展覧会がある期間は、とても忙しいとのこと。

400年以上前に活躍したイタリアの画家カラヴァッジョの絵画を、一度に見られるこの展覧会。
森本さんは「人物画であれば、目の前にその人物がいるかのような気持ちになる」と絵の魅力について語ります。

実際に観覧した工作は「リアルな写実で陰影がしっかりしている」と絵の迫力に驚いた様子。
「デートにもおすすめ」という森本さんに「(展示絵画の中に)生首とかありますけど?」と工作は苦笑い。
「ただ『綺麗だね』だけで終わらない作品なので会話が深まる」と森本さんは強調します。

『カラヴァッジョ展』(12月15日まで開催)は、小さい子供からお年寄りまで幅広い年代の方が楽しめるそうです。

教育への使命感も大切

話題は気になる稼ぎについて。

工作の「儲かりますか?」という直球の質問に、森本さんは「儲からないですね」と苦笑いの様子。

というのも、「展覧会自体が儲けを目的とした事業じゃない」のだそう。
「名古屋市職員としての給料」と具体的な答えに、でも「安定、社会的地位がある…」と工作は羨ましげ。

さらに工作は「僕も絵を描いたら、飾らせてください!」と図々しいお願いも。
「美術館で収集の委員会にかけます」と冷静な森本さんの回答にスタジオは大爆笑。

今回、工作の印象に残ったのは「美術館は教育の一環である」という森本さんの言葉。
「特に小さい子に見せてほしい」という森本さん。
「騒いだり高価な絵を壊すんじゃないか」という親御さんの心配も理解しつつ、「小さい頃から芸術的な心、目をもってほしい」という思いをお持ちだそう。

「使命感をもって展覧会の企画を考えているんでしょうね」と工作。
絵が大好きな気持ちと教育への使命感が、学芸員として働く支えになっているようです。(nachtm)
工作太朗のジョブナイ
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2019年11月09日22時11分~抜粋

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