北野誠のズバリ「カイシャのシュウカツ」

事業承継の成功のカギは、あきらめない気持ちと情熱

昨今少子高齢化により、中小企業や小規模事業者の後継者不足などが大きな経営課題のひとつとなっています。承継する人がいない場合は廃業するしかないと考える経営者もいます。

CBCラジオ『北野誠のズバリ』のコーナー「カイシャのシュウカツ」では、事業承継について、専門家をゲストに多方面から学びます。

6月5日の放送では、愛知県にある自動車の板金塗装・修理工場の承継事例を北野誠と松岡亜矢子が、三井住友トラストグループ 株式会社経営承継支援・はじめ部長の藤原秀人さんに伺いました。

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原因は時代の流れ

今回藤原さんが紹介したのは、愛知県にある自動車の板金塗装・修理工場の承継事例です。

藤原「熟練の技術を有する工場で資本金は500万円、年商は1億円くらい。従業員さんは6名いらっしゃいました」

なぜM&Aをしたのでしょうか?

藤原「いわゆる経営不振」

北野「年商1億円で従業員6人やったら普通と違いますか?」

もともとこの社長は同社の板金塗装技術に惚れて、以前、M&Aで会社を譲り受けて社長になりました。
ディーラーからの受注業務が多く売り上げは安定していた一方で、中間マージンの発生で利益率は低かったようです。

その後、資材高騰や50代の熟練工が増え人件費が上がっていきました。

北野「価格転換できないカタチに」

その結果赤字が続いて債務超過状態になり、M&Aをする決断をしたそうです。

200社へアプローチ

M&Aはどのような会社にアプローチしたのでしょうか?

藤原「修理工場ですので、周辺エリアの同業者が候補先になるので、当初は同業者200社近くにアプローチしました」

しかし財務状況がよくなく、熟練工が多いとはいえこれからを担う若手がいない。さらに工場の規模が小さいという理由で「なかなか買い手が見つからなかった」と藤原さん。
北野はM&Aをアプローチした会社の数に「200社はすごい、よく探してくれるね」と感心します。

最終的に買い手は見つかったのでしょうか?

藤原「同業者は難しいと。次の段階でシナジー(相乗効果)のある他の業種を検討しました」

そこで、周辺事業も候補先に入れて修理工場と同じエリアに拠点をもつ大手石油卸グループのガソリンスタンド会社に提案したそうです。

情熱のある担当者を探して

ガソリンスタンド会社の反応は?

藤原「擦りキズや凹みの修理依頼が頻繁に入っているとのこと。さらに、ちょうど売り手さんの修理工場があるエリアに修理工場を建設しようと計画していた」

北野「そんな偶然があるんや!」

買い手も、修理の熟練工もすでに在籍しているし工場設備もある「これは渡りに船だ」と思ったらしくM&Aで譲り受けることを決断。

売り手の社長は個人保証も外れて、50代の従業員の雇用も継続できたので、藤原さんに「肩の荷が下りた」と話したそうです。

北野「それにしてもよくここまで探しましたね」

藤原さんはM&Aのポイントの一つとして、「担当者があきらめることなく見つかるまで相手を探すことが重要」と言葉に力を入れます。

藤原「選ぶ際には、めちゃくちゃ情熱的な担当者を」

北野も、今回のように担当者が頑張ることによって成立することがあるので「あきらめないでほしい」と続けました。
(野村)
 
北野誠のズバリ「カイシャのシュウカツ」
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2024年06月05日14時48分~抜粋

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