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『春の終活文化祭』小堀勝啓インタビュー

『春の終活文化祭~シニアにYELL!~』キャンペーンについて、出演者インタビューをシリーズでご紹介しています。

今回は、3/15(日)第3ステージで作家の下重暁子さんと対談する『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』パーソナリティの小堀勝啓に、「終活」について尋ねました。

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小堀流終活の考え方

僕たち夫婦は子供がいないものだから、60歳を過ぎた頃に財産をどうしようかと話し合ってるんです。
そういう意味では、クールに老後を考えてきたと思いますよ。

家内か僕か、どっちかが先に逝った場合、旅行の事故などで同時に逝った場合、そういうことも含めてきちっとした公正証書を作って保管してもらってるんです。
公証人も立てたんですけど、面白いですよ。「こういう場合、乙は…」とか読み合わせして(笑)。その都度内容を変えることもありますけどね。

どちらもいなくなった場合は、「あしなが育英会」にお願いするんです。寄付を募っているところでは、土地の権利を移して売却してということまで受け付けてくれないんですけど、あそこは不動産も引き受けてくれるんです。
 
 

「相続がお得ですよ」

特に還暦になったことが契機というわけではないけど、ある程度の年齢になると、銀行からやたらと「こうやったら相続がお得ですよ」みたいなのが来るじゃないですか(笑)。そんなこと言われても、子供いないしなぁと話してたのがきっかけかな。

何も書面で残していないと兄弟とか、近い親族から順番に分配ってなるんですけど、みんな自立してるし、そこへ残しても仕方ないですしね。

これだけ楽しく暮らしてきたから、交通遺児とか望まざる形で親御さんが亡くなって将来に不安がある子供たちに遺すのがいいのかなと、家内と同じ意見になって。
 

やっぱり夫婦は、普段からよく話しておくことが大事だと思います。
世の男性は家庭を持ったら、奥さんと将来のビジョンを話し合った方がいいと思うんですよ。40、50代くらいの年齢だと、そこから定年を迎えたり、子供たちが家を出たりするまで本当にあっという間ですから。
 
 

スローライフは大変

男で勤め人だと、生物学的に元気な時間を仕事に捧げてるじゃないですか。仕事がなくなった途端に社会から切り離されますよね。
それで独りで勝手に定年後のビジョン描いて「田舎暮らしと蕎麦打ちだ!」とかね(笑)。奥さんからしたら「やめてよ、冗談じゃない。アンタ一人で行ってよ」って。

僕ら夫婦は夏の間、犬を連れて半分田舎暮らしをしてるんですけど、一年中できるのは若いうちです(苦笑)。
田舎の広い家で悠々自適…とか思うでしょ?大変なんですから!

歳とったら、街の小さな家の方がいいですよ。病院と買い物、公共交通機関が近くにあるところが一番ですから。
寒いところで早起きして、薪を集めてストーブがいいんだとか言いますけど、気をつけないと脳溢血になっちゃいますよ。タイマーで部屋があったかくなって、スイッチ一つでお湯が出る方がいいに決まってるんだもの。

それと田舎に住んだら住んだで、その地域社会に溶け込まなきゃいけない。街の生活では気にしなくてよかった上下関係とか、今までにない人間関係が生まれるから、そういうのが苦手な人は大変だと思います。

そう考えるとスローライフというのは、ある意味妄想ですよ(笑)。
「第二の人生」という言葉も難しいですね。ずっと会社勤めしながら休みの日に家庭菜園やってたとか、音楽を趣味にしていたという人なら別ですが、いきなり人間変われませんから。
 
 

夫が知らなかった妻の姿

熟年離婚とか家庭内別居って言葉をよく目にするようになりましたけど、前に知人から相談を受けたことがあって。
奥さんがいて、子供たちももうじき社会人という人なんだけど、仕事一筋でやってきて、ふと「最近、うちに絆がないな」と気づいたというんです。

それで話してたら「そうだ、小堀さんのところみたいに犬を飼えばいいんだ!」(笑)。テレビでも「犬で絆が深まった」みたいに言うじゃないですか。

ある時、彼が家族で食事しながら「犬でも飼おうか」って言ったら、奥さんは「誰が世話するの?」、子供たちも「俺やだからね、部活あるし」ってもう大ブーイング(笑)。

ただその後、残念なことに奥さんが亡くなられたんです。
お知らせがあって家族葬だというので、こじんまりしているかと思いきや、たくさんの方が弔問に訪れていたんですよ。歳の若い人たちもいて。

で、ご主人は「女房がこんなにコミュニティを作っていたとは…」と驚いてました。
旦那は知らないんですよ、奥さんのこういうところ。
女の人はコミュニティ作るのがうまいし、男性に比べたらいろんな意味で強いんです。
 
 

女の人は強い

今度のイベント(3/15日曜 第3ステージ)で対談する下重暁子さんは、強い女性の筆頭ですよね。毅然と独りで堂々と生きていくという方ですから。

ただ決して女性を武器にされていたわけでもないですよね。タレントとなったNHKアナウンサーの草分けですし、文筆家で論客でもありますから。
僕は日本ペンクラブの会員ですが、下重さんは副会長をされているので、僕から見ても大先輩になります。

下重さんは徹底してリアリストですね。
僕自身ロマンティストでもありますが、さっき話した公正文書の件のように、自分の将来についてはリアリストの部分もあります。
そういう意味で冷静に周囲を分析する下重さんには見習うところも多いですし、お話を伺うのも楽しみなんです。
(聞き手:編集部)

 
 
 
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