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『春の終活文化祭』インタビュー 多田しげお

『春の終活文化祭~シニアにYELL!~』キャンペーンについて、出演者のインタビューをシリーズでご紹介しています。

今回は、『多田しげおの気分爽快!!朝からP・O・N』パーソナリティの多田しげおインタビューをお届けします。

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会社を残して突然逝った父

──多田さんが「終活」を意識されたことはいつ頃でしょう?

多田 親父もお袋も今で言う「終活」のようなことは一切せずに亡くなっているんですね。
親父は小さいながらも建築会社を経営していて、70歳を過ぎて突然亡くなったんです。兄貴はいるんだけど、商社勤務で海外に赴任していたので、親父の会社をどうするのか、僕が進めることになったんです。

──おいくつ頃の話ですか?

多田 僕が33歳くらいですね。ラジオで『多田しげおのそれ行け!にっこりワイド』担当していました。
父の会社経営には関わっていなかったので、会社を畳むにしてもどんな手続きが要るのか、働いていた方をどうするのか何もわからない。税理士の先生などに相談しながら、毎週末は大阪に帰ってました。なんとか半年ほどで畳みきったんですけど、自分の身に何かあった時にどうするということを、こどもたちに示しておくのは大切だな、と思いました。
 
 

延命治療のむなしさ

多田 10年ほどしてお袋も亡くなるんですが、風邪をこじらせて寝込んでしまい、やがて意識もなくなり、話しかけても反応もなく、生命を維持しているという状態になってしまいました。ドライな話ですがお医者さんに「いつまで続くんですか?」と聞いたんですが「わからない」としか言われませんでした。



結局半年ほどして亡くなったんですけど、その間は先端医療で延命治療していて、保険も利かず毎月20万かかっていました。経済的にも大変だったし、反応もないので時折虚しくなったんですよ。
前もって自分の終末医療についてどうする、という指針をちょっとでも示してくれていれば、もっと何かができたのに。
植物状態で生かされているというのは、その人の尊厳に関わるということを強く思ったんですね。

──ご両親とも、亡くなった後の話をされていなかったんですね。

多田 大雑把でもいいので、そういう話を遺される人に示しておかなければいけないんですね、絶対。
それと大事なのは、家族のために整理しておくということは、生きている時の人生観も改めて整理することになるんです。それによって気持ちがむしろ落ち着いて、その後の人生をゆったりと過ごせるんです。その後10年、20年と生きていくことになっても、穏やかに生きられると思うんですね。
 
 

「終活」は親子の愛情確認

──多田さんご自身はどうされているんですか?

多田 両親のこともあったので、自分の子供たちには気持ちを伝えてあります。さらに70歳になる頃、面白おかしく明るく文章に残しておこうかなと考えてます。
「終活」というと、死んだ後の話になるので縁起でもない!と言われるかもしれませんが、遺される人に整理しておくことは、自分を見つめ直し、第2の人生を穏やかな気持ちで暮らすために大事なことだと思います。

思い返すと、親父も70歳過ぎだったので、もしもの時はどうするか、こどもの側からアプローチしておけば良かったのかもしれませんが…。でもさすがに「お父ちゃん死んだ後どないすんねん?」なんて聞けないですよね(笑)
だから「終活」というのは、親と子の愛情の確認作業と言えるかもしれませんね。今やってる『春の終活文化祭』がそういうきっかけになるといいですね。
 
 

ラジオを聴くことは脳にいい

多田 実は、普段ラジオを聴くことが脳にいいという話があるんですよ。

──どんな話なんですか?

多田 番組で和歌山の大学の先生に伺った話ですが、認知症の判断材料として、診療に来られた方に「靴を脱いでベッドに上がってください」と言う。それでその方が靴を脱いでる間に「あなた生年月日は?」と尋ねるんです。
その時に靴を脱ぎながら答えれば問題なし。靴を脱ぐ手を止めてしまう、質問に答えられない、あるいは靴を脱ぎ終わってから答える、という方は疑わしいとなるわけです。

人は本来、2つ3つの動作ができるんですが、認知症になるとそれが難しくなってひとつの動作しか出来なくなるらしいです。

ラジオというのは、朝の支度をしながら、通勤しながら勉強しながら聴くものなので、ラジオのリスナーは、いつもふたつの動作をやってることになるそうです。さらに映像がないから、スタジオや中継先の思い浮かべたりと、想像力を働かせるんですね。
ラジオを聴いていると脳が常に働いていることになるという話なんです。

──今やラジオは、スマートフォンのradikoなど、すぐ聴ける場所にありますからね。

多田 そう、すぐ実践できます。あなたの終活はラジオを聴くことから始まります!いい締めやね(笑)
(聞き手:編集部)
 
 
 
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