北野誠のズバリ

パン屋の食品ロスを減らせ!余ったパンを売る新ビジネスとは

昨今、食品ロスが大きな問題となっていますが、パンもロス率が高い食品のひとつです。
こうした中、パン屋のロス削減を助けるサービス「rebake(リベイク)」が注目を集めています。

リベイクは、売れ残ったまだ食べられるパンをインターネット通販で客に届けるというシステム。
現在北海道から沖縄まで、全国約100店のパン屋さんと約7,000人の消費者の会員が登録しています。

6月24日放送の『北野誠のズバリ』では、『東洋経済オンライン』の記事から、このリベイクについて取り上げました。

[この番組の画像一覧を見る]

値引きは諸刃の剣

パン屋は閉店までたくさんのパンが並んでいることが多く、どうしてもロスが出やすくなります。

実際、パン屋の閉店間際に駆け込むことが多いというITジャーナリスト・井上トシユキと松岡亜矢子。

当日中に売り切ってしまおうとパンの値引きをしてしまうと、閉店間際の時間帯を狙って客が殺到してしまうため、個人店にとっては「諸刃の剣」になってしまうと井上は指摘します。

逆に、売れ残るからと作る数を減らしてしまうと、今度は「どうせあの店は早く売り切れるから、行ってもしょうがない」と、お店に立ち寄る客が減ってしまうというのです。
 

リベイクが浸透した理由

クリームやあんこが入った菓子パンや惣菜パンは足が早いものの、シンプルなパンであれば長く持ちます。

まだまだ食べられるのに、店頭に並べられない「ロスパン」を配送する画期的なサービスが、この「リベイク」です。

リベイクのロスパンは、それぞれのパン屋から冷凍や冷蔵の状態で届きます。

パンを冷凍することが多いという松岡のように、冷凍することでさらに消費期限は延びるため、ロスパンを減らすことができるのです。

パンの原料に国産小麦を使う個人店も増えていますが、国産小麦は輸入小麦の約4~5倍の価格。

高い原料を使うことで「大事に作らないと。ちゃんと売り切らないと」と考えるため、パン屋としては無駄なことをしようと思わなくなる、と井上。

そういったモチベーションを高めるために、あえて高い原料を使うところもあると言います。

リベイクの利用の増加には、高い原料を使い手間暇かけて作ったパンを、あっけなく捨ててしまうのはあまりにももったいない、という考えが浸透してきたという背景があるのです。
 

訴えられるリスク

食べられないこどもが多くいる一方、大量の食品ロスが出ているという実態は社会問題となっています。

リベイクの会員はロスパンであることを理解しているため、トラブルは少ないのではないかと考える松岡。

北野誠も「趣旨を理解してもらったら、この手のものは成り立つっていうことですよね」と分析します。

サンドイッチもを例に「あっ!忘れた」と思って冷蔵庫に入れて、次の日に食べても大丈夫と実体験を語る北野。

とはいえ、たまたま体調が悪くお腹を壊してしまうと、お店側には訴えられる危険性があります。

そういったリスクを未然に防ぐため、お店としては「早めにお召し上がりください」の文言を入れる必要が出てくるのです。
 

食品ロスが減らない現状

「本来なら自己判断やんか。買ってきた生菓子を冷蔵庫に入れずそのまましばらくほっといて、それで訴えられても困るやろ!」と北野。

それぞれの保管環境を無視して、「お腹を壊しました、はい訴えます」というのは成り立たないと言います。

「お店の扉を出た瞬間から、お店の責任ではなくなりますもんね。自分たちのものですし、逆に自分たちで管理しなきゃいけない」と松岡も同意します。

本来自己責任であるべきところを、「あたったー!」と大騒ぎされると弱いのはどうしてもお店側。

こういった背景から、食品ロスはどうしても減らないという現実があります。

「自分らの管理もちゃんとしとかなあかんし、こういう取り組みをしているところを応援していくのも食品ロスを減らす一つの方法」と、まとめた北野でした。
(minto)
 
北野誠のズバリ
この記事をで聴く

2019年06月24日13時14分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報