若狭敬一のスポ音

気象予報士アナウンサーが「防災」を語る。万一に備えて持っていたいものとは?

関東大震災が起こった9月1日は「防災の日」です。
地震に対する備えばかりではなく、台風や集中豪雨、竜巻などの異常気象もかつてに比べて増加しています。

9月2日放送のCBCラジオ『若狭敬一のスポ音』では、気象予報士でもあるCBCの古川枝里子アナウンサーが、気象に関する防災について解説しました。

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地球沸騰化の時代

古川「WMO(世界気象機関)などが、今年の夏は観測史上最も気温が高い7月だったと発表して大きなニュースになったんです」 

この時、国連のグテーレス事務総長は「地球全体にとっての大惨事で、地球温暖化の時代が終わって、『地球沸騰化の時代』が訪れた」と発言したそうです。 

気温が上昇すると、なぜ気象災害が増えるのでしょうか?

気温が高いと大気中に含まれる水蒸気量が増加します。 
この水蒸気が上空に持ち上がって凝結をして水になって地表面に落ちてくるのが雨。気温が上昇すると雨が増加して、気象災害に繋がるわけです。 

海水温が高くなることも気象災害の要因の一つ。海の温度が高いと、台風の発生が多くなり、台風の規模も大きく強くなるようです。 

最近、日本近海の海水温は以前に比べて4~5度高いエリアもある状態。日本の近くに来てもなお発達して上陸してしまうことが増えているとか。 

雨雲レーダーを見よう

ここ数年は気象情報が発達して細かな情報を知ることができるようになりました。
雨や風の災害に備えるには、どのような情報に注意すればいいのでしょうか? 

気象庁から出る情報には「注意報」「警報」「土砂災害警戒情報」「線状降水帯発生情報」「竜巻注意情報」があります。 

さらに、気象庁からの情報を受けて自治体などが出す「高齢者等避難」「避難指示」「緊急安全確保」「川の氾濫危険情報」「氾濫発生情報」といった情報もあります。 

古川「こういった情報が出た時には、気象庁のサイトの雨雲レーダーなどを見ることをお勧めします」 

自発的に情報を取ろう

天気に関するサイトは気象庁の他、日本気象協会、ウェザーニュースなどがあります。それぞれのサイトで、雨雲の動きが簡単に追えるようになっています。 

古川「雨雲レーダーを見て、それがこれからどう動くのかを予想する癖をつけてみてください」 

さらに古川がオススメするのが気象庁のサイトである「キキクル(危険度分布)」というコンテンツ。 

浸水災害、土砂災害、洪水災害について、それぞれの危険度が「キキクル」として、わかりやすく表示されています。 

古川「こういったものから自発的に情報を取ろうとしていただくのが一番いいんじゃないかと思います」 

大げさに考えよう

古川「身を守る備えを考える時は、大げさに考えていただきたいんですね」 

古川は、2018年の西日本豪雨の取材で、岡山に行ったことがありました。
その時によく耳にしたのが「『うちは大丈夫』とずっと思ってしまっていて避難が遅れた」とか「30年大丈夫だったから、今回も平気だろうと思ってしまった」という言葉。 

古川「どんどん気象災害が増えるような地球の状況になっているので、前回が大丈夫だったから今回も大丈夫だ、と思わないようにしていただきたいんです」 

予定変更を怖がらないで

仕事や旅行の予定があっても、例えばこのぐらいのレベルの台風が来るという、ある程度見通せたら早めの判断を。 

古川「予定の変更も怖がらないでください」 

判断が遅れると、長い時間どこでどう過ごさなければいけなくなるのか見通しが全く立たなくなるそうです。

記憶に新しいところでは、今年のお盆、静岡での集中豪雨の影響で東海道・山陽新幹線に運行の遅れが生じて、数時間以上車内に閉じ込められたという方も多くいました。
さらい夏は熱中症などの二次災害リスクも増えてきます。 

安全な場所へ行こう

災害時は何と言っても安全な場所で過ごすことですが、「安全な場所=避難所」とは限らないと語る古川アナ。

例えば竜巻の場合、注意情報は1時間単位ぐらいで出るので、近くに大きなショッピングセンターがあれば、そこで1時間楽しくショッピングするのも「安全な場所」で過ごすことになるとか。

また、知り合いの家に行くことや、豪雨に備えて、自宅の二階に生活の基本的なものを移しておくのも避難のひとつだそうです。 

古川「大げさに考えてください。予定の変更を怖がらないでください。そして安全な場所で過ごしてください。身を守るのはこの3つです」 

気象災害に役立つアイテム

古川「災害時には情報収集が一番大事です。スマートフォンさえあればradikoでラジオも聞けますし、停電時は懐中電灯代わりにもなります」 

スマホが使えるように、モバイルバッテリーを常に持つことを勧める古川。なるべく大容量のもので、普段から使ったら満タンにしておくことも忘れずに。 

災害時は心細くなるそうです。ラジオを聞いたり、家族や友だちとSNSでやり取りできるスマホは強い味方。 

古川「メンタル面の支えに役立つという意味でもスマートフォンの電源は切らさないようにしていただきたいので、モバイルバッテリーお勧めですね」 

さらにいざという時のために、乾電池で長時間動くポケットラジオも常備しておくとよいでしょう。
(尾関) 
 
若狭敬一のスポ音
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2023年09月02日13時19分~抜粋

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