若狭敬一のスポ音

いま一番熱い映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

3月3日から公開される映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(監督: ダニエル・クワン、 ダニエル・シャイナート)。

2月25日放送のCBCラジオ『若狭敬一のスポ音』では、ダイノジの大谷ノブ彦が、この作品を大絶賛。
いったいどんな作品なのでしょう?

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アカデミー賞大本命

3月12日に開催されるアカデミー賞で、大本命と言われる作品が『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』。
日本では3月3日から劇場公開されます。

すでにアカデミー賞の前哨戦と言われるゴールデングローブ賞を獲得しており、今回のアカデミー賞では最多ノミネートを果たしています。

主演女優はミシェル・ヨー。
サモ・ハン・キンポーに見いだされて1984年にデビューし、『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』(1997)にも出演。世界的にも名前が知られています。
 

ヘンな映画を撮った監督

監督はダニエル・クワンとダニエル・シャイナート。2人のダニエルでダニエルズ。ダニエル・クワンの方はアジア系の監督です。

ダニエルズの前作は『スイス・アーミー・マン』という多機能型死体に乗って、無人島の周りを泳ぐという不思議な作品。
「多機能型の死体があったら」という着想から出来た映画だそうです。

大谷「ゾンビみたいに死体が泳ぐんです。その2人に友情が芽生えるっていうよく分かんない映画なんですけど、とにかくオリジナリティがあって、最後ちょっと泣けるんですよ。ヘンな映画撮る奴いるなあと思いました」

マルチバースって何?

今回の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は「マルチバース」を取り入れた設定。
マルチバースとは、自分のいる宇宙とは別に複数の宇宙が存在するという考え方で日本語では「多元宇宙」と言います。

大谷「違う宇宙が同時展開されてたって解釈なんですよ。マルチバースはアメリカのハリウッドではトレンドになってるぐらいです。昔で言うとパラレルワールドって感じです」

マーベル作品『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021年 監督:ジョン・ワッツ)でもマルチバースの世界が描かれており、様々な世界観のスパイダーマンが登場していました。

大谷「水戸黄門で言ったら初代の東野英治郎さん、二代目の西村晃さんから最後の武田鉄矢さんまで。その人たちがオールスターで協力し合って戦う。それが、去年のスパイダーマンだったんですよね」

こんなストーリー

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』について触れる大谷。

ミシェル・ヨー演じる主人公エブリンは頼りない中年の夫を持つ主婦で、老いた親とレズビアンの娘がいます。
中国系のコミュニティでコインランドリーを経営していますが、決して裕福な暮らしではありません。

ある日、別のマルチバースで邪悪な者たちが地球を支配しようとしていて「救えるのは君しかいない」と告げられます。

大谷「といって主婦である彼女は何もできない。でも、違う人の能力をすぐコピーできる。この設定が超上手いんですよ。別の宇宙のカンフーの達人や、キレ者の自分の能力を全部コピーしながら邪悪なものに立ち向かっていくんです」

胸アツな映画を映画館で

大谷「しかも、今回胸アツなのが、旦那さん役をキー・ホイ・クァンという中国系の役者さんがやっています」

この俳優1980年代の『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』や『グーニーズ』にも出演し、日本の映画ファンにもおなじみでした。
しかし成長するにつれ、アジア系の役がなく俳優業を引退。裏方の仕事をしていました。

近年はアジア系の作品出演が増え、2018年には、主要キャストにアジア系の俳優だけを使った『クレイジー・リッチ!』という映画がヒットしました。
この作品を見て、キー・ホイ・クァンさんは、もう一度役者の夢にかけてみようと奮起したそうです。

大谷「今回オーディションで勝ち抜いたんです。ゴールデングローブ賞助演男優賞を獲得した時は泣いてましたよ。キー・ホイ・クァン・イズ・バックですよ」

力を込める大谷、最後にリスナーにこう呼びかけました。

大谷「この映画は、面白い発想なだけじゃなくて、人生の再生みたいなのをテーマにしているとともに、役者たちの再生もある。ぜひ、映画館で『エブエブ』を観てください」

アカデミー賞の行方と共に、楽しみな映画です。 
(尾関)
 
若狭敬一のスポ音
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2023年02月25日12時46分~抜粋

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