若狭敬一のスポ音

アクションにスッキリ。インド映画『RRR』が熱い!

ダイノジの大谷ノブ彦が音楽・映画・ドラゴンズ、世の中のありとあらゆるものを毎週取り上げていく、CBCラジオ『若狭敬一のスポ音』のコーナー「大谷ノブ彦のキスころ濃縮版」。

11月19日の放送では、大谷が「今年最も重要」と評する映画を紹介しました。

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制作費が凄い

大谷「今年を代表する映画『RRR』。今年映画館で観なかったら嘘です。これだけは、とにかく映画館で観てください。口コミでどんどん広がってます」

大谷が推すインド映画『RRR』は、2017年に日本で公開されて話題になった『バーフバリ 伝説誕生』のS.S.ラージャマウリ監督の最新作。
インド映画史上最高の製作費をかけられているそうです。

大谷「日本の映画だと製作費1億円でも高い方ですが、これは97億円!」

若狭「カレーにすると何杯分ですか?」

大谷「溺れちゃう量です(笑)」

見たこともないアクション

舞台は1920年、まだイギリスの植民地時代のインド。
いろんな時代の寵児たちが、独立に向けてインドの中で激しい戦いを繰り広げてきました。『RRR』は、実在した2人をモデルにした友情物語。
この2人の名前はビームとラーマです。

大谷「インドの村に、金持ちのイギリス人がやって来て、可愛い女の子を誘拐しちゃうんです。村の男、ビームが取り返しにいこうと立ち上がる。一方、英国側についてるインドの警察官のラーマ。この2人が偶然、インドの街中で友情を育むんです」

友情の始まりは救出劇から。橋の下、炎の中のこどもを2人が力を合わせて助けます。

大谷「空中ブランコみたいな見たこともないアクション。キター!って思わずガッツポーズしちゃうから」

友情が生まれるも、インド側とイギリス側で立場は反対。どっちが正しいんだ?と、2人の心が揺れながら、物語は独立へと向かいます。

歴史フィクション

実は主人公の2人、実在した歴史上の人物がモデルですが、生きていた時代は別々なんだとか。

大谷「例えるなら織田信長と坂本龍馬が友情を育んで…」

若狭「いま私も全く同じ人物を言おうとしました!」

この映画の推薦文を頼まれて書いたという大谷。その文にもしっかり「織田信長と坂本龍馬が…」と書いたとか。

大谷「すごく早い段階で『RRR』のことを書いたんで、いま一目置かれちゃったりして」

大ブレイクしそうだけど

最近の映画は内容が難解だったり、テーマが重すぎて、観るにはちょっと疲れそうな作品が多い中、『RRR』はまったく違うタイプの映画とのこと。

大谷「こどもの時のヒーロー映画、ヒーローアニメ、あるいは時代劇。悪い奴にやられてやられて、最後にドーンってやり返すカタルシスってあるじゃないですか。全編これです。ただ気持ちいいです」

しかし問題は、3時間半という上映時間の長さ。
大ブレイクしそうでしないのは、この長さのために、一日に多くかけることができないからだそうです。

膀胱には厳しい

実は本国インドでは、途中に10分の休憩があるのでお手洗いに行けますが、日本では休憩なしでの上映です。

大谷「日本のTwitter上では、『膀胱爆発、何とかして』とか」

若狭「『涙腺爆発』はすごくいい映画だなと思うんですけど…」

大谷「この映画は『膀胱爆発』。休憩入れてくれと切実です」

しかし、一方では「3時間半が一瞬だった」という声もあるそうです。
インド映画でお馴染みの歌とダンスのシーンもあり、エンターテインメントの王道中の王道になっているそうです。

いま必要な映画

さらにお薦め映画を紹介する大谷。

大谷「閉塞的なコロナの3年間。80年代の音楽にバックしてるのは、やっぱり陽気で明るくて人にパワーを与える物がほしいから」

韓国映画でも、今年一番ヒットした映画は痛快なアクションエンターテインメント映画。マ・ドンソク主演『犯罪都市 THE ROUNDUP』という作品。

大谷「これもめちゃくちゃ面白いですよ。悪い奴はとにかく悪い。そんな悪党を、とにかく殴りまくる映画」

閉塞的な雰囲気の中、映画館の大スクリーンで、気持ちのいいアクション映画を観ることも必要なのかもしれません。

日本のお家芸だった

大谷「こういうのは、昔、日本人が一番得意だったんですよ。時代劇とか歌舞伎もそうじゃないですか。最後にドーンってやり返すのって、本当は日本のお家芸なんですよ。その日本が、あんまりそういう映画を作ってなくて…」

こう大谷が嘆くように、日本には師走の風物詩でもある『忠臣蔵』、テレビでは『水戸黄門』『必殺シリーズ』などがありましたが、予算などの関係で時代劇もめっきり少なくなりました。

映画では黒澤明監督の『用心棒』や勝新太郎さんの『座頭市シリーズ』が、最後にカタルシスを感じる最たるものでした。
残念ながら、最近ではそういう作品になかなか出会えません。

ぜひ映画館で

大谷「一応言っときますね。『あぶない刑事』が復活します。タカとユージ最後の仕事」

若狭「わかりやすいストーリー。浅野温子さんも欲しいな」

大谷「木の実ナナさんも欲しい。これって僕らが求めてると思うんです。ですから映画館に行って体感して欲しいですね」

いま映画に求められているのは、わかりやすく痛快なストーリー。その王道が『RRR』。
とは言え、テーマの根底には「文字が読めることは素晴らしい」というメッセージがあるんだそうです。

植民地化された国が独立するために必要なことは教育。識字率を上げなければいけないというテーマはインドだけでなく、全世界のテーマでもあります。

大谷「映画の中ではそういう部分も見てください。あとこの映画は、世界で一番カッコいい肩車のシーンが見れます」

若狭「肩車にカッコいい、カッコ悪いってありました?」

大谷「あります。カッコいい肩車とはこういうことです」

ズバリ言い切る大谷。まだ上映中の映画館もあります。とにかく劇場で観てください。 
(尾関)
 
若狭敬一のスポ音
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2022年11月19日12時41分~抜粋

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