若狭敬一のスポ音

激論!徒競走に順位は必要か?

CBCラジオ『若狭敬一のスポ音』「光山雄一朗の気になったので○○してみました」のコーナーでは、光山雄一朗アナウンサーが、気になるテーマをお題に、若狭敬一アナウンサーと語ります。

2月5日放送のテーマは「学校の運動会で行われる徒競走。順位を付けないことについてどう思いますか?」について考察しました。

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順位をつけない徒競走とは?

最近は順位をつけなくなったという徒競走。実際どんな形式で行われているのでしょうか?

光山がこどものいる家庭に、今の学校の徒競走について聞いてみると、学校によって様々なことがわかりました。

順位を示す旗がない。ゴールテープを設けていない。6人で走って、上位3位までしか順位をつけない。
また、徒競走自体がなく、クラス全員でバトンを繋いで走るという学校もありました。

順位をつけるつけないについて、リスナーからは多数の投稿が寄せられました。
その9割近くが「順位は付けるべきだ」という意見でした。
 

リスナーの意見

寄せられた投稿を紹介します。

「いま中学3年です。私は決して足が速くなく、小学生時代はいつも後ろの順位でした」(Aさん)

Aさんはそれが悔しくて、少しでも上位に行きたいという気持ちから、中学になって練習するようになったそうです。

「中学3年間の結果は、練習の成果で少しだけ上位に入れました。順位をつけないと自分の立ち位置がわからず、中途半端な練習になると思いました」(Aさん)

「私は教育現場で働いています。徒競走は順位つけてますよ。こども達が喧嘩になるからです。
遅い子には順位をつけてかわいそうな面もありますが、頑張ったことを褒めて次に期待できるよう話します」(Bさん)

一方で、順位をつけるべきではないという意見もありました。

「優劣付けず、平等であり続けるのが大事。競争よりも共存が必要だから。争うよりも、共に一緒にいることが必要だから」(Cさん)
 

日本教育新聞のコラム

昨年4月の日本教育新聞に、「競争と順位付け」と題したコラムがあったそうです。
内容は、順位をつける良さ、順位をつけない良さについて。

順位をつけることの良さは、「秀でた個性は称賛されるべき。順位が悪いという挫折体験も、児童生徒の成長には必要。競争社会に出る前に予め経験しておける」という部分だそうです。

一方で順位をつけないことの良さは、「失敗体験ばかりしなくなる。児童生徒の間の差別意識や劣等感がなくなっていく傾向がある」という部分だそうです。
 

しっくりくる?こない?

さらにこのコラムには「順位をつけない方が今の時代に合っているのでは?」という指摘もあったそうです。

「今の社会は、個人の自由、意思を尊重して、障害と共に生きる社会である。それに順位をつけるというのは逆行しているのではないか?」。
だから順位は付けない方がいいという内容。

若狭「なんかそこ、しっくりこなかったけど、先行こう」

光山「とにかく、個人の自由と意思の尊重。共に生きる社会。イコール順位をつけないことだそうです」

若狭「そこ、イコールか?まあまあ、先行きましょう」

若狭には少し不満があるようです。
 

各学校の方針にお任せ

現場の先生はどう感じているのか、光山は名古屋市教育委員会に聞いたそうです。

結果は、市教育委員会から各学校に対して、こういう方針でお願いしますという通知はしていないとのこと。
つまり徒競走の順位については、各学校の教育方針に任せているということです。

順位をつけてこどもたちを頑張らせようという学校もあれば、順位をつけないで、最下位の子のモチベーションを下げないようにしようといった教育方針など、各校に委ねられています。
 

順位はつけるべき

「私は順位はつけるべきだと思う。理由は小学生の頃、勉強が不得意でカッコよくもありませんでしたが、足が速かったので、唯一のモテモテチャンスでした。
あの淡い思い出を忘れられないので、いまだに趣味で走ってるんでしょうかねえ」(Dさん)

若狭「いいよ。素敵だよ」

「順位はつけるべき。私は運動だけが得意で、運動会や部活が輝ける唯一の場所でした。運動会で順位をつけないなら、学校のテストも答えを教えて全員100点にしないとおかしいと思います」(Eさん)

若狭「全部100点はやり過ぎだけど、徒競走の順位をつけないなら。勉強の順位も付けるべきではないってことだよね」
 

社会では順位ありき

若狭は柳沢彩美アナウンサーと議論になった出来事を話し始めました。それは化粧についてです。

小中高と化粧禁止の学校が多い。学校ではお化粧はしてはいけないもの。
しかし、社会に出ると、お化粧しない方がいけないこと。

社会でのセーフ、アウトと、学校でのセーフ、アウトが完全に逆になっています。徒競走の順位はどうする?で見ると…。

若狭「社会に出たら、無茶苦茶順位つけられません?」

光山「つけられることばかりじゃないですか」

若狭「だったら、順位付け耐性をつけておかないと、なかなかメンタル強く生きられないのではないか?と僕は思ってしまうんです」
 

社会は順位だらけ

若狭「無菌状態で過ごすと人間ってすぐ弱る。ストレス耐性、我慢耐性、順位付け耐性を、ある程度こどものうちから付けておくことが大事だと思う。だって、それが社会だから。

これ、究極だと思うんですけど、自分自身があらゆるものに対して順位付けしてるじゃない?」

例えばAランチとBランチ。お付き合いする男性。結婚する女性。
理由はどうあれ、人間は全てにおいて順位付けしていると言います。

「順位付けはしてるのに、付けられたら『急に、私、メンタルが…』って言うのは何なのかな?って思う」と疑問を呈する若狭。
 

切り離せない順位と人生

若狭「だって就職する時だって、『アナウンサーになりたい』が一番だったでしょ?」

自分のことを振り返る若狭。
その第一目標がダメだったら2番はこれ。3番はこれ。4番はこれ。人間は順位をつけ、そこに自分の思いを向けながら生きていると語ります。

若狭「一方で付けられながら生きてるわけ。『若狭は大嫌い』というリスナーもたくさんいる。人は順位付けながら、付けられながら生きてるんです。だからこどもの頃もそうすりゃあいいんじゃない?って思っちゃう」

光山「徒競走を超えて、人生観を学べた気がします」

若狭「なんか熱くなっちゃったな」

光山「ありがとうございます。今日はタイムフリーで5回は聴きます」

徒競走の順位から人生観へ。濃い内容でした。 
(尾関)
 
若狭敬一のスポ音
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2022年02月05日13時10分~抜粋

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