若狭敬一のスポ音

荒木雅博、コーチの大変さを実感した出来事とは?

中日ドラゴンズ一軍内野守備走塁コーチ荒木雅博さんが、1月29日『若狭敬一のスポ音』に出演しました。

ピッチャーの癖に関する話、コーチになって、選手を育成する苦労など、リスナーからの質問にも丁寧に応えます。

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生き残るために見抜く

「ドラゴンズの鈴木義弘スコアラーが、荒木さんは相手チームの癖を見抜くのが得意だと言っていました。どんな点に注目して観察しているのでしょうか?」(Aさん)

荒木「一番最初に『これ出るな』っていう人は、動きの大きいピッチャー。何となく匂います」

ピッチャーの身体を上から下まで3分割ぐらいして見たり、さらに上から見たり下から見たりしていると、だいたい癖が出るそうです。

荒木「だいたい“出た”んだったら、俺ももうちょっと打っとけよと思いますが、そこは技術の足りなさです。
技術のない自分が、この世界で生き残るためにピッチャーの癖を見てましたね」
 

俺の言った変化球は狙うな

荒木「自分で見つけた癖に関しては変化球狙っていいけど、俺の言った癖に関しては変化球は絶対狙わないでくれと言っています」

荒木さんが見つけたピッチャーの癖。だけど、それを狙うなと言う理由は?

荒木「僕があのピッチャーはこうだから、これを狙えって打ちにいった時に、もしも頭に当たりましたってなったら、僕は責任を持てない」
 

避ける技術がついてから

癖を見て変化球を狙いにいっても、すっぽ抜けてデッドボールという不慮の事故もあります。

現役時代、ナゴヤドームでの勝率がよかった時に「お前ら、セカンドからサイン出してるだろう」と言われたそうですが…。

荒木「そういう人たちには、『僕はこのバッターの生活に責任持てません。僕がもしも変化球だと思ってサイン出しても、真っすぐが頭に当たったら、僕は立ち直れません。だから、僕達は絶対やってません』って言うんです」

例えば、頭に当たっても怪我一つしない、何のリスクもないのであれば、セカンドからバッターへのサイン伝達禁止というルールがあったとしても、12球団やり放題。
しかし、禁止のルールがある意味は、危険ということがあるのでは?と推測する荒木さんです。

荒木「自分で変化球だと見れるようになっても、真っすぐが頭に来た時にどう避けるかを考えておかないといけない。避ける技術がないと変化球狙っちゃダメなんですよね」
 

同い年の野球小僧

鈴木スコアラーが「ピッチャーの癖盗みの名人」として挙げていたもう一人が、福留孝介選手。

荒木「上手いですね。走塁に対する意欲は一番高いかもしれないです。ただの野球小僧ですから。ただ足がついてこない時もあります」

荒木さんと福留選手は同い年の44歳。

荒木「よく頑張ってるなあと思います」

ピッチャーの癖を見ることに関しては、福留選手は荒木さんより上だそうです。
 

先の先まで見れる選手

荒木「僕はピッチャーが足上げるとこぐらいまでですね。そこから先の投げる動作になるともう無理です。
孝介や今年バッティングコーチになったノリさんはその先まで見ますよね」

ここで中村紀洋さんの名前が出ました。
2007年、ドラゴンズが優勝した時、セカンド荒木雅博、サード中村紀洋でした。

荒木「今の選手たちは、見てても癖の話なんか一切しないです。言っても『わからない』、で終わっちゃうんです。
でも自分がこの世界で残っていこうと思ったら、そういうところも人と差をつける部分なんですけどね」
 

コーチの大変さを実感

昨シーズン、15盗塁と活躍した高松渡選手について「成長したとこがあるんですよ」と嬉しそうに話す荒木さん。

荒木さんは高松選手に「二軍にいる1~2年目はベンチにノートを持ってきて、ピッチャーの気づいた癖を書いておくといい」と指導したそうです。

しっかりノートを持ってきた高松選手。2か月ほど経つと…

荒木「盗み見してはイカンけど、ちょっと見たんです。1ページ開けたら一行だけしか書いてなかった。
しかも、その一行がなんて書いてあるかわからない字だったんですよ。あの時からコーチって大変だなって思った(笑)」

そんな高松選手ですが、荒木さんが「明日のピッチャーどう?」と聞くと、今ではノートを見ながら答えるんだそうです。しかも試合前夜、ビデオで相手ピッチャーの予習までするんだとか。

「2カ月で一行だった男が、1日1ページぐらい書けるようになったぐらいのところまで来てますよ」と喜ぶ荒木雅博さんでした。 
(尾関)
 
若狭敬一のスポ音
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2022年01月29日15時31分~抜粋

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