若狭敬一のスポ音

鈴木忠平著『嫌われた監督』から読み解く、今の中日に必要なもの

最近、元中日監督の落合博満さんが語られる機会が増えました。そのきっかけのひとつが、鈴木忠平さん著『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』(文藝春秋刊)。

10月2日放送のCBCラジオ『若狭敬一のスポ音』では、ダイノジの大谷ノブ彦が本書を読んで、現在のドラゴンズに必要だと思ったことを語ります。聞き手は若狭敬一アナウンサーです。

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若狭アナが有名になった出来事

大谷「嫌われた監督に愛された若狭さん」

若狭「落合博満さんがあれだけ嫌われ、そして私が落合さんにあれだけ愛されて良かったと思います」

12球団の野球ファンが集まるトークライブに、中日担当で参加したという大谷。話したのは、中日のドラフトに貢献している若狭の滝行だったそうです。

大谷「若狭アナって、ビールかけの時、落合さんに抱きしめてもらって頭撫でられたあの人ですよって言ったら、みんな知ってたんです」

2011年、中日は7月後半から8月前半にかけて失速。一時は5位でした。
CBCテレビのドラゴンズ番組で、誰もがその年の優勝はないと言う中、若狭アナだけが優勝と言い続けていました。

その甲斐あってか、若狭アナは祝勝会のビールかけで落合さんに褒められ、全国の野球ファンに名前が知られたようです。
 

著者の鈴木忠平さん

今まで大谷が読んだスポーツノンフィクションの中で『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたか』がダントツ1位で面白かったそうです。
その面白さは読後、興奮状態でブログを書いてしまうほど。
早速、作者の鈴木さん自身ががツイートしてくれたそうです。

若狭「鈴木君が呟いてるなあと思ったら、大谷さんのブログについて。それ見て、私、ニヤッとしましたよ」

大谷「鈴木君ってことは若狭さん、お知り合いなんですね?」

実は若狭、ドラゴンズの番記者仲間として鈴木さんは元日刊スポーツの記者だった鈴木さんと知り合いでした。
鈴木さん、名前はタダヒラ(忠平)ですが、ドラ番の中では「チュウヘイ君」と呼ばれているそうです。

記者時代から鈴木さんの視点は鋭かったんだとか。取材対象とはうまく距離を保ち、バランス感覚のある記者だということです。

大谷「読んでいて、落合監督からもかなり信頼度が高いなと思いました。何度も一人で来たのか?と言われる場面があって、忠平さんも群れたり、利権とかからちょっと遠い人なのかなと思いました」
 

プロフェッショナルとは?

大谷「今回、僕が本の中で、ものすごく感銘を受けたのが、プロとは何か?ということ。若狭さんは、この本の中のポイントはどこだと思いますか?」

若狭「大谷さんのおっしゃるように、プロとはなんぞや?っていうのを問いたかったのかなって思います」

『嫌われた監督』、最後の章に登場するのが荒木雅博さんだそうです。
選手には「頭から滑り込むなよ」と徹底して言っていた落合さん。
しかし荒木さんは2011年9月23日の優勝を争っていたヤクルトとの直接対決で、ホームに向かってヘッドスライディングで飛び込みました。

大谷「読んでない人は、ここを読んで欲しい。落合さんが、ベンチに戻ってきた荒木さんに、ある一言をかけるんですけど、これが僕にとっては問いかけだったと思いました」

大谷曰く、落合さんはあることを禁じていたのではなく、自分で考えろと言っていたとのこと。選手が自分で判断してやったことに関しては罰則を与えなかったんだとか。

大谷「プロって自分で考えて、自分で考えて行動することなんだと思いました」
 

今、ドラゴンズに必要なものは?

大谷「僕はこの本を読んだ時に、いま中日ドラゴンズに欲しいのは、落合博満という監督ではなくて、プロフェッショナルとは何か?を皆が問うことだと思うんです。金を貰ってプレーをするとは何なのか?を自分で考えて選手はやって欲しいと思うんですよね」

大谷は、ビールかけの時に落合さんが若狭アナの頭を撫でた理由にここで思い至りました。
若狭アナが単に優勝すると言っていたからではないそうです。

大谷「周りの空気を忖度すると、どうみても優勝しないと言った方が良い場なのに、若狭さんは優勝と言い切りました。そこを落合さんはプロとして認めたってことだと思う」

若狭「正直、私、当時そこまで考えてませんでした」

大谷「僕はこの本を読んで、若狭さん、うまいことやりよったな。否定的なこと言うたらイカンなって思いました」

若狭「あれは全部上手くいったパターンです」
(尾関)
 
若狭敬一のスポ音
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2021年10月02日12時45分~抜粋

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