若狭敬一のスポ音

ピッチャーの親は身体に悪い?大投手が母親にしてきたこと

中日ドラゴンズ監督で野球解説者の山田久志さんが、11月28日放送の『若狭敬一のスポ音』(CBCラジオ)に出演し、ピッチャーの「完投」について語りました。

「完投」の持つ大きな意味を若狭敬一アナウンサーにもわかりやすく説明する山田さん、マウンドを見守る親の心境にも触れます。

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放送に例えると

プロ通算654試合に登板し284勝、166敗、283完投している山田さん。
もちろん完投の中には負け試合もあります。現在の野球では、全くと言っていいほどありませんが、当時は負けながら最後まで投げることもあったそうです。

若狭「山田さんの中での"完投の美学"とは?」

山田「プレイボールかかってマウンドにいて、ゲームセットでマウンドにいたら、こんなカッコいいことないじゃない。若狭君にとって、放送開始の緊張感と、放送終了の達成感。これが完投だ」

若狭「めちゃくちゃわかりやすいです。『お相手はCBCアナウンサー若狭敬一でした』と締めるところを、別のアナウンサーが名乗って終わったら、ちょっと屈辱ですね」

山田「勝ち投手、若狭だけじゃダメなのよ。完投でなくっちゃ」
 

9回までいくとハイになる

9回まで投げ抜くというと、気力体力ともにつらそうですが、山田さんによればそうでもないそうです。「自分でやらなければならない」という使命感があれば、9回の3つのアウトを取るのは快感なんだとか。

「先が見えたんだからハイになってくるね。ちゃんと締めるから、俺に任せとけっていう感じだね。苦しいのは7回8回ぐらいかな。そう言いながら日本シリーズでサヨナラ3ラン食らったけどね」

1971年に後楽園球場で行われた日本シリーズ第3戦でのこと。阪急が1対0でリードの9回裏。ツーアウト、ランナー一塁。アウト、あと1つというところで、長嶋茂雄さんに打たれて、さらに王貞治さんにライトスタンドに運ばれました。

「まだ若かったからね。若干22歳。あれからですよ、山田の野球人生は」
 

息子が打たれる姿は見たくない

この試合は、山田さんの母親が球場で観戦した最初で最後の試合になりました。
プロ入りして初めての日本シリーズということで、山田さんにとっての晴れ舞台。
3戦目で投げることがわかっていたので、チケットを手配して親族一同を呼んだそうです。

「息子がヒーローインタビューをするだろうというところまできて、それが5万人の観衆の中の、阪急の応援はほんのわずか。そこであのシーンを見たんだから」

プロ野球選手にとって、もう一つの晴れ舞台がオールスターゲーム。
山田さんはオールスターに選ばれた時も母親を招待しますが、勝ち負け関係がないとは言え「息子の打たれる姿は見たくない」と固辞したとか。
 

ピッチャーの親は体に悪い

「やっぱりピッチャーの親は身体に悪いよ。息子が打たれたり抑えたり、打たれたり抑えたりしてたらね、自分でも責任感じるんじゃないかな。
私の長男が野球やってたけども、やっぱりマウンドで投げてるのを見てドキドキしてたもん」

山田さんの長男は高校時代はピッチャー。甲子園を目指して東京都の決勝まで行き、帝京高校に破れたそうです。

「高校野球であのくらい親がドキドキするんだから、プロ野球だったらなおさらだよ」
 

あまりにショックすぎて

「お袋にはよう言ったもん。『高校野球はそこで終わるってこともあるけど、プロは1回で終わりじゃないから。次の登板でまた勝てるんだから』ってね。でも、それがどうしてもわからなかったね」

山田さんの母親は、野球のことは全くわからなかったそうですが、王貞治さん、長嶋茂雄さんは知っていました。
その人たちに最後の最後で打たれたことが相当ショックだったようで、息子はこれからいくらでもやり返せるんだ、という発想にはならなかったんだとか。

「その人達と対戦する息子なんて信じられないんじゃないの?で、最後の最後で打たれてるわけだから、次の試合なんか見れないよね」
 

安心して見るために

野球を見るのが嫌になってしまった山田さんの母。そこで山田さんがとった手は…。

「勝った時のビデオを実家に送る。心配せんでいいよ、勝った試合だからゆっくり見なさいって。
いくら打たれても、点数取られても、この試合は勝ったっていう結果がわかってれば、ドキドキもしないだろうしね」

息子の打たれる姿は見たくない。しかし気になる母親と、晴れ姿を見せたい息子。完投の美学について始まりましたが、なんともほのぼのした話で終わりました。 
(尾関)
 
若狭敬一のスポ音
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2020年11月28日13時25分~抜粋

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