若狭敬一のスポ音

山田久志が、今シーズンの与田采配を総括

野球解説者の山田久志さんが、10月5日『若狭敬一のスポ音』に出演し、中日ドラゴンズ・与田剛監督の1年を総括しました。

山田さんは元監督として与田采配の良い面と欠点、さらに来季のドラゴンズに必要な選手を語りました。
聞き手は若狭敬一アナウンサーです。

[この番組の画像一覧を見る]

監督の仕事

山田「まあ監督は結果(順位)が全てだからね。若手を育てたとか良い選手が育ってきたとかっていうのは、後から評価される問題だからね。今年まず、どんな結果を出したかで点数が付けられる」

今季の与田監督への評価が低くなったとしても、結果がすべてだから「それはしょうがない」と語る山田さん。

若狭「去年の10月の就任会見、与田監督は興奮しながらも冷静な方だという印象があったんです。
というのは、『シーズンは長いので、うまく負けることも大事である』と発言していたんです。でもいざ戦うと、やっぱり毎日勝ちたいと、肌でも感じました」

与田監督の本心は?

この「うまく負けることも大事」という言葉について、山田さんは快く思わなかったようです。

「負けなんて考えて、監督は野球なんてできないよ本当に。それは、チャンピオンを獲ったチームの監督が言うこと」

ただし与田監督のこの発言は、選手に対するメッセージと、自分はそういう風にやっていきたいという願望みたいなものだそうです。

例えば三連覇の実績がある広島の緒方監督が、「ウチは優勝しますよ。負け試合だって当然作って行かなくちゃいけないし、無理はできないですよ」と言ったなら、常勝チームの余裕として誰もが納得しますが、これを5~6位で低迷しているチームの監督が言うと…。

「これはもう、自分に言い聞かせてる。監督はプレイボールがかったら全部のカード勝ちたいもん」

与田采配の良い面

与田監督の采配をこう評価する山田さん。

「選手の起用方法は意外と思い切って、若手もベテランも関係なく使ってたなという印象があるね」

今年はプロ初出場、初ヒット、初打点、初登板、初先発、初勝利などなど、去年までは二軍でしか活躍していなかった選手が一軍で活躍したシーズンではありました。

「今年始まる時、ドラゴンズはピッチャーも野手も選手層が薄いんじゃないかというのが大方の見方でしたが、面白い選手が出てきたなっていう感じのシーズンであったことは間違いない」

与田采配の悪い面

ただし、この起用法は、諸刃の剣となることもあるそうです。

良い面は、競争意識が出てきて選手のモチベーションが上がること。その結果、チーム力の底上げが出来て、1人ぐらい変わったところで、戦力に影響が出ることがなくなったそうです。

では一方の悪い面は?

山田「本物のレギュラーがなかなか育たない。日本球界とは言わないまでも、じゃあセ・リーグでポジション別に、代表選手を一人ずつ並べていこうかってなった時に中日からは?」

若狭「センターといえばやっぱり丸(巨人)になっちゃう。ショートといえば坂本(巨人)になっちゃう。セカンドといえば山田(ヤクルト)か菊池(広島)になっちゃう。ライトとといえば鈴木誠也(広島)になっちゃう」

山田「ドラゴンズにはそこそこの選手はいるけども、『セ・リーグの代表です』って選手は出てこないよね?そういう選手が一人二人出てこないと。候補でもいいから」

確かに突き抜けた選手となると、名前が挙がりません。

突き抜けた選手が必要

突き抜けた選手が育つには、「この人と心中する」という覚悟で選手を使い続けることも、必要になってくるようです。例えば、それは…。

山田「今年に関しては(高橋)周平ですよ。やっぱり。周平はレギュラーとして自分でも自信持ったんだろう」

昨シーズンまでの高橋周平選手は欠場も多く、批判を受けることもありました。

山田「今年あのくらいの成績を残して、ドラゴンズの三塁手は高橋周平だと言われるようになってきた。セ・リーグ代表でサードで打たせても不思議じゃない」

若狭「そうなんですよ。そんな感じになってきました」

山田「なってきたでしょ?他のチームと比べてみてくださいよ」

若狭「広島でサード?誰だ?ピンとこないな」

山田「阪神は大山?いや、周平の方が上だろう」

若狭「DeNA宮崎?怪我しちゃったし」

山田「宮崎とは良い勝負だなと思うよ。とにかく、そういう感じの選手が出てこなきゃダメ。そういうことですよ」

今年はくすぶっていた選手たちをどんどん起用したシーズンでした。これからドラフトもあります。どういう形でまた来年の2月1日を迎えるのか興味深いところです 。 
(尾関)
 
若狭敬一のスポ音
この記事をで聴く

2019年10月05日13時16分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報