若狭敬一のスポ音

トップアスリートにしか通じない想い。山田久志から池江璃花子選手へのエール

元中日ドラゴンズ監督で野球解説者の山田久志さんが、3月9日放送のCBCラジオ『若狭敬一のスポ音』に出演し、白血病を公表した水泳の池江璃花子選手について語りました。

「完全復活を」との若狭敬一アナの言葉を遮る山田さん。
そこにはトップアスリート同士にしかわからない、優しさが込められていました。

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神様は残酷

「神様は残酷なことをするね。国の期待を背負って、ある意味いろんなものを犠牲にしながら、みんなの期待に応えるため、苦しい努力をして、さあ、あと1年、オリンピック代表を掴んで行けるというとこまで来てて…」

池江選手について、雰囲気も良く、インタビューの受け答えもしっかりしていて、中日の根尾選手みたいだと言う山田さん。

山田「無駄なことは言わないし、そうかと言って、はしゃいでるわけじゃないし」
若狭「私みたいに無駄なことを言い、はしゃぎまくる…」
山田「それも人生!人間味があってよろしい」
 

家族の辛さ

「可哀想って言ったら表現が悪いけども、なんで?ってね。
私はすぐ家族のこと考えたね。家族は全面的にバックアップしてきてるはずですよ。小さい頃から水泳の道に行かせて、そして伸びてきて。もう、我が子でありながら我が子じゃないんだから」

水泳選手として、ここまで来るのには普通の親以上に苦労しているはずで、「それを思うと辛い」と言う山田さんです。

池江さんはツイッターで「神様は乗り越えられない壁は与えない、乗り越えてみせます。そして他の水泳選手、スポーツ選手の支援もお願いします。私は応援する側に一旦まわります」とその意思を表現しました。
 

国民、みんな勉強した

山田「今まで鍛えてきてるから、体力的なものは素晴らしくあると思うんです。だから病気に勝てるんじゃないかと思う。白血病を克服した人のいろんな記事を読んだら希望はあるよね。我々もさあ、頑張れって励ましたくなるもんね。

みんなが病気に対しての知識を得るってことは大きいよ。我々もわからなかったでしょ?日本の国民はみんな白血病の勉強したんじゃないかな。
なんとかしようと、みんなでまとまるのは日本人のいいところだから」

実際、池江選手の告白によって、骨髄バンクへのドナー登録者が増えているようです。
 

トップアスリートは病気だと思わない

若狭「ちょっとどっかおかしいなと思った時は、検査をしたり、一度、病院に診てもらうってことは改めて大事なんだなと感じましたね」

山田「それはよくわかるけど、アスリートってのはそういうわけにはいかないのよ。考えがそっちの方に行かない」

山田さん曰く、トップアスリートになればなるほど「今は疲れてるんだ」ぐらいにしか思わないそうです。自分にはまだ足りないと認識してさらにトレーニングに臨むそうです。また、そういうことは口に出せないそうです。
 

ゆっくり治して

山田「だからよっぽど辛かったと思うよ。よっぽどしんどくて、これはもうコーチに言わざるを得ないってとこまで追い込まれたっていうことですよ」

続けて「本当に一日も早い復帰、復活を…」と言いかける若狭アナですが、山田さんはその言葉をさえぎりました。

「まずは焦らずに、ゆっくり治してもらおう!今はもう東京オリンピックを目標にするんじゃなくて、とにかく水泳ができる、そういう池江さんに戻ってほしいね。まずはそこが第一歩だね」

スポーツ選手として第一線にいた者だけが共有できるつらさ。
山田さんは「復活」という言葉を使わず、エールを送ったのでした。
(尾関)
 
若狭敬一のスポ音
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2019年03月09日13時17分~抜粋

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