若狭敬一のスポ音

ダイノジ大谷ノブ彦、日大アメフト問題からSNS社会の闇を斬る

5月26日『若狭敬一のスポ音』「キスころ濃縮版」では、ダイノジの大谷ノブ彦が大問題になっているアメフト悪質タックル問題をきっかけに、今のSNS社会について、独自の見解を熱く語りました。

このトークを収録したのは日大の選手が記者会見した5月22日でした。

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アメリカの法律を変えたポップスター

「日大のアメフトのタックル問題は、スポーツ界だけではなくて日本の社会全体の暗い闇の、一つ象徴的な出来事なんじゃないかなと思います。今日話したいのは、どっちが正しいかという話じゃなくて、こういうことが明るみに出やすくなった今の社会についてなんです」

こういうことが、SNSの普及によって、漏れるようになってきたと言う大谷。2010年代から明らかに変わってきたと言います。

音楽好きな大谷は、音楽シーンを絡めて話を進めます。

「1982年にデビュー、1984年に『ライク・ア・ヴァージン』が大ヒットしたマドンナは、今、よく耳にするLGBT(同性愛者や性同一性障害など性的少数者)やセクシュアルなものの多様性を認めてほしい、女性が女性らしく生きることを認めてほしいと音楽の中に入れてきたんです」

ただ、それを訴えても、世の中はさほど変わりませんでした。また、ジョン・レノンはヴェトナム戦争の中止を、いろんな歌で表現してきましたが、法律が変わることはなくアメリカは戦争を止めませんでした。

「ところが2010年以降、大統領に会って、法律を変えたポップスターがいるんですね。これ、レディ・ガガなんですよ」

スポーツ界からもカミングアウト

レディ・ガガはオバマ大統領と会って直訴して、いわゆる同性愛者の結婚を(アメリカの州によってですけど)合法化させたんですね」

それまで同性愛、例えばゲイであるってことをカミングアウトするのはイギリスのポップスターばかりでした。エルトン・ジョン、ジョージ・マイケル、クィーンのフレディ・マーキュリーなどです。イギリスは比較的そういうことには、緩やかだという社会的な背景があるようです。

アメリカにはキリスト教、しかも原理主義の人たちが多いので、カミングアウトすると、一斉に叩かれる傾向にありました。スポーツ選手がカミングアウトすると、ロッカールームで無視されることがよくあったそうです。

「ところが最近はNBAの選手も何人かカミングアウトをし始めてる。オバマ大統領になって法律が変わってから、明らかにアメリカはそっち行っています。トランプ大統領が生まれたのは、その反動でもあるんですよ」

僕らは武器を持っている

なぜ、レディ・ガガは、ジョン・レノンやマドンナができなかった、大統領に直訴するという行為がなぜできたのでしょうか?

「なぜ彼女は選ばれたのか? Twitterのフォロワーが世界一だからですよ。つまりSNSというのは、2010年代以降の我々、世界の人間にとっての市民革命道具なんです」

以前は、アメリカのスーパーマーケットには有機野菜はあんまり置いてなかったそうです。レストランでも野菜の種類が少なかったそうです。ところが大勢がTwitterで、もっと、ちゃんと健康を意識しようと企業にメッセージを送ったことで、ファストフード店などでも野菜の種類が増えたということです。

「だから、僕らは一つの武器を持っているんです。この放送の中でも、よく、こうなった方がいいんじゃない?と言いますが、それを外に向けて声に出すと、ちゃんと社会が変わる時代であるということです。だからこそ、隠ぺいしていたものが露呈していくんです」

SNSへの共通認識

日大の選手が反則行為をした後に、ベンチの奥で泣いてたという写真が出て来ました。

「これが本当に監督コーチの指示で、やりたくないのにやってしまった。それで自分を責めてしまって出てきた涙であったら、なんと残酷な世界であることか。学生に良い未来を見させてあげるのが、我々、大人の役目です」

彼はアメフトをする権利もないし、今後はやるつもりはないと言っていました。

「彼がアメフトを続けることが本当の幸せかわからないですけど、続けることができる寛容な社会、もう一度やり直せるような社会も同時に用意しなきゃいけない。
彼が謝罪したことが素晴らしいと、ただ拍手を送るだけじゃなくて、反則行為をさせてしまったそのシステムとメカニズムを変えていかないと駄目だということですよね」

SNSにはもちろん悪い面もあります。今回の日大の選手もプライバシーを暴かれ、生活がどうにもならなくなったともいいます。

「それは、やり過ぎなんじゃないかという意見もあります。だけど今、世界がそういう風になっているということは、僕たちみんな共通で認識しといた方がいいのかもしれないですね」

熱く語る大谷ノブ彦でした。
(尾関)
若狭敬一のスポ音
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2018年05月26日12時50分~抜粋

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