若狭敬一のスポ音

名捕手・木俣達彦が提案・これが来季ドラゴンズ勝利への道だ!

岡崎市出身で元中日ドラゴンズのキャッチャー、木俣達彦さんが9/23の『若狭敬一のスポ音』に出演しました。
この日の放送は、画像を見ておわかりの通り、屋外からの生中継、名神高速道路下りの多賀サービスエリアから行われました。

現在はBCリーグ、滋賀ユナイテッド・ベースボール・クラブのヘッドコーチを務める木俣さんですが、OBとして気にかけているはずのドラゴンズ。
森野選手の話から今後のドラゴンズ構想まで、若狭敬一アナがズバリ伺いました。

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やはり、この人の話題から


まず、今シーズンでの引退を発表(24日に引退試合)し、来期は打撃コーチとなる森野将彦選手。木俣さんの目から、どんな選手に映ったのでしょう?

「入った時に、もっと早めにレギュラーになると思いましたね」

森野選手は1996年ドラフト2位で、東海大相模高校からドラゴンズに入団しました。
木俣さんは、当時ショートだった立浪選手よりも、高卒ルーキーの森野選手の方がバッティングは良かったと言います。

「立浪がセカンドへ行って、森野がショートで、2~3年後にはレギュラー獲るかな?と思ったけども、ちょっと遅れて遠回りしたかな、という感じでしたね」

森野選手がレギュラーに定着したのは、入団から10年近く経った2006年からでした。

目の前で生き返るのを見た


ポイントだったのは、落合政権だった時。
立浪和義さんを抜かなければ、君はレギュラー獲れないぞ、とあの沖縄北谷で地獄のノックを受けたことです。

「失神したっちゅうやつね。あれ、僕、見てましたけどね。バケツで3杯ぐらい水かけたら生き返りました。あの時は、息をしていなかったから、死んだかなと思いました」

淡々と言う木俣さんですが、この時は周りが騒然として、落合監督自身からも「一人殺してしまったかなと思った」という発言までありました。

「本当にぶっ倒れたんですよ。一杯目の時は、まだ息を吹き返さなかったけど、2杯目で息を吹き返して、3杯目で立ち上がりましたね。ワハハハハ」

それを乗り越えてレギュラーを獲り、ヒットを重ね、勝負強いバッティングも光りました。

「立浪選手も非常に上手かったんですけども、長打力はやっぱり森野の方が上だったと思いますね」

森野選手へ贈る言葉


森野選手へ贈るメッセージとして、木俣さんはどんな言葉をかけたいですか?

「この人は、にこやかにしとるけど、案外頑固なんですよ。コーチがね、こういうバッティングをしなさいと言っても、自分が納得しなかったらやらない。で、コーチに食って掛かるからね。コーチには評判が悪かったですね」

最後になんていうメッセージをしてるんですか。

「そういう選手の方が、教えるのはうまいと思うんですよ。自分の物を持ってるから、いろんなことを研究するわけですよ。人の意見を聞いてそのまま教えるような、そんなコーチは要らないですから」

なるほど。よく聞いてみると、素晴らしいエールとなっていました。来シーズンは、森野新コーチ指導による打線に期待しましょう。

優勝するチームは正捕手が2人


木俣さん出演ということで、リスナーから質問が多数寄せられました。

「来シーズン、レギュラーを獲れるようなキャッチャーはいますか?」(Aさん)

「これが一番難しい。今まで何十年とプロ野球に携わったかわかりませんけども、キャッチャーが2人のとこは優勝しますけども、1人のとこ。または3人以上出たとこで優勝したチームはないんです。
レギュラーキャッチャーがいて、それを補うような人が1人いる。それでないと優勝できない。キャッチャーが3人、4人いても、今までのプロ野球80年の中で、優勝したチームは一つもないです」

驚くべきデータがあるんですね。

木俣達彦が期待するキャッチャー


候補はたくさんいると思うんですが、木俣さんが正捕手になって欲しいと思うキャッチャーは?

「今年打てなかったんですけど、杉山を買ってるんですけどね。新聞見たんだけど、38試合で打率見たら凄いね、この人」

0.91。0割9分1厘。1割ありませんので、つまり10打数1安打以下です。

「この人は、出しておったらもっと打つと思うんですけどね」

昨シーズンの杉山選手は100試合以上出場して、打率が2割6分ありました。今年は急降下してしまったんです。

「僕が教えたら、2割1分2厘以上は打たせますよ」

木俣さんがこう語る理由。
それは、木俣さん自身、1年目(1964年)と2年目(1965年)の打率が2割1分2厘だったからだそうです。

エースから信頼された強肩


2割1分2厘と決して高くない打率だったルーキー時代を、振り返る木俣さん。

「使ってくれた監督も大変だったと思う。普通だったら違う人を使うんじゃない?なんで使ってもらったかというと、肩だけは抜群だったんですよ。刺殺率が4割、超えとったんですよ」

つまり、盗塁阻止率が4割以上だったのです。

「その頃、エースが柿本実さんという方だった。俺が投げる時はお前を指名するって言うの。何やるんですか?と聞いたら、刺してくれればいい、と言うんですよ。適当にサイン出しとけば、リードは自分でするからと」

それだけ木俣さんの肩を買っていたということです。

「だから恩人ですよ。打率2割1分2厘でも、エースが指名してくれたんだから」

やがてバッティングも首位打者争いをするほどに向上し、1969年と1970年には2年連続30本塁打も記録。当時「打てるキャッチャー」の代名詞が木俣さんでした。

中村、清宮、獲るならどっち?


次はドラフトを見据えた質問です。

「広陵高校の中村奨成選手は良いキャッチャーだと思います。一方で、早稲田実業の清宮幸太郎選手がプロ志望届を出しました。木俣さんなら、どちらを取りますか?」(Bさん)

「清宮です。当たり前」

でも、彼には「ファーストしか守れない」という批判もありますよ?

「それでも1年間使ったら、清原みたいに1年目からホームランを30本以上打つと思います」

なぜですか?

「あのバッティングを見ておるとね、非常に柔らかいですね。で、変化球が打てる。左打ちだから反対のレフト方向にも打てる。そういう選手はあんまりいない」

中日ドラゴンズが、強くなるには?


セ・リーグ優勝した広島は4~5年先を見越して、ファームから育成しています。
そしてパ・リーグ優勝のソフトバンクは3軍制を敷いています。
さて、勝つために中日が取るべき編成は?

「アメリカはルーキーリーグまで入れると4軍まであるのかな。ルーキーリーグ、1A、2A、メジャーという形になるんで。ドラゴンズもソフトバンクと同じように3軍制を敷いた方が良いと思いますね。
ドジャースのキャンプに行きましたけどね、180人集まってきて、最後は30人に絞るわけですね。その日いた人が次の日にはいない」

やはり日頃から競争が大事だということです。

この地方にプロ野球チームを


メジャーでいうとルーキーリーグも3軍も2軍も、全部違う地域にあります。中日の場合は本拠地が名古屋となりますが、2軍以下はどこを拠点にすればいいでしょう?

「私の家がある岡崎に作って下さい。そしたらコーチに行きます」

例えば2軍は岡崎、木俣達彦コーチ。3軍は?

「3軍は岐阜県で髙木守道さんにやらせたらいい。そういう風にしたら、見に来る方も案外多いと思うんですよ」

夢がある上に、チームの人気を拡大させるためにも現実的に思えます。
球団関係者の方、この木俣プラン、一度検討してみてはいかがですか?
(尾関)
若狭敬一のスポ音
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2017年09月23日12時35分~抜粋

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