『CBCラジオ #プラス!』の1コーナー「日本全国にプラス!」では、全国各地の方と電話でつないで、その土地ならではの話題を紹介しています。
1月21日の放送で取り上げた町は青森県大鰐町。
ここでは「ヤマニ仙遊館」という創業150年を超える老舗旅館があり、かつては太宰治を始めとして、森鴎外の師としても知られる漢学者の依田学海、南満州鉄道総裁の後藤新平など、多くの歴史上の人物が宿泊。
その旅館で昨年12月、新たに「太宰治コンセプトルーム」なる部屋ができたとのことで、5代目当主の菊池啓介さんにお話を伺いました。聞き手は永岡歩アナウンサーと三浦優奈です。
太宰治が2週間滞在
太宰治は言わずと知れた文豪で、『走れメロス』や『人間失格』など、本自体を読んだことがない人でも、教科書で一度は通ったのではないでしょうか?
太宰は青森県五所川原市金木町の出身ですが、ヤマニ仙遊館とはどのようなつながりがあったのでしょうか?
菊池さん「1929年(昭和4年)の12月末、お母さんと一緒に年明けまで過ごしてます。
ちょうど20歳で、弘前高校3年生の時に自殺未遂を下宿先でしまして、一命を取り留めてお母さんと一緒に療養したということになってますね。だいたい2週間ぐらいと聞いてますね」
コンセプトルームを作ったきっかけ
長い間泊まっていたということですが、今回、コンセプトルームを作ることになった経緯はどのようなものなのでしょうか。
菊池さん「たまたま弘前市を中心に観光を推進しているDMO(登録観光地域づくり法人)の団体があるんですね。そちらの方から『今回は太宰としてやってみませんか?』とお声掛けいただいて。
各市町村でコンセプトルームという事業をやってると。
最初はあんまり乗り気じゃなかったんですけど、津軽地域全体の観光につながるような取り組みなので、太宰が当時泊まったぐらいの内装にリニューアルしたという感じですね」
100年以上前にタイムスリップ
およそ100年前は、今と比べてどのような点で内装が異なるのでしょう?
菊池さん「昭和初期はカーテンがあんまり普及してなかったので、カーテンを全部取って障子に変えたり。
暖房器具は火鉢しかなかったので、もともとウチに残ってた火鉢に電子ケトルを乗っけてリメイクしたり、インテリアにしたり」
もちろんエアコンはありますが、見た目として近づけているそうです。
一番の目玉は、四枚ふすまに水墨画が描かれていて、小説にも出てくる太宰が好きな津軽の風景が広がっているとのことです。
当初は太宰治の顔などがたくさん描かれている内装を提案されたそうですが、菊池さんはイメージに合わずお客様が喜ばないだろうということで却下。
菊池さん「小説を読んで太宰のファンになったという方は、いろんなイメージを膨らませて津軽を旅しますから、さりげなく演出をしてます」
太宰本人というよりも当時の雰囲気を再現することが、この部屋のコンセプトのようです。
また、コンセプトルームだけではなく、本館や土蔵は国の登録有形文化財に指定されていますので、昭和初期だけではなく明治時代の雰囲気も味わえそうです。
(岡本)
CBCラジオ #プラス!
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2026年01月21日07時44分~抜粋