CBCラジオ #プラス!

いじめをなくすにはどうすればいいか、「いじめ防止対策推進法」から見る。

栃木県の県立高校で生徒が別の生徒に暴行したとみられる動画がSNSに投稿された問題で、高校側は1月7日、いじめ防止対策推進法のいじめの定義に該当しうるとの認識を示しました。
学校側は今後生徒たちにいじめや人間関係に関するアンケートを実施し、保護者向けに説明会も実施するとしています。

13日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、光山雄一朗アナウンサーが「いじめをとりまく法律」について、アディーレ法律事務所弁護士の正木裕美先生に尋ねます。

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いじめ防止対策推進法とは?

栃木県の高校も含め、学校における暴行動画はかなり拡散されて問題になっています。

正木「そういうところで告発がされて、拡散すること自体は、名誉棄損になってしまったりすることで、必ずしも適正な方法ではないです。しかしながら、そういういじめというのがたくさんあるということを示していると思います」

そんな中、今回栃木の高校生徒暴行動画投稿問題で、高校側がいじめ防止対策推進法のいじめの定義に該当しうるという認識を示しました。この法律はどんなものですか?

正木「2013年にできた法律です。いじめを防止するための対策に関する基本理念や国とか地方公共団体、保護者も含めて、関係者がこんなことをしないといけないという責務を定めたり、いじめを防止するための対策を、総合的、広角的に推進しようという、ざっくりとした枠組みを定める法律になります」

罰則はない

いじめ防止対策推進法による罰則はあるのでしょうか?

正木「罰則はないです。例えばこういう調査、対処をしなさいね、ということは定められていますが、しなかったらどうだ、ということではないです。

いじめの被害を受けた場合、加害者、学校側に対して、損害賠償請求をしたりすることはあります。その中で、法律違反の不適切な対応があって違法だったから損害賠償請求しますという形など、別のところで考慮されたりはします」

いじめの定義

どういったことが具体的に定められていますか?

正木「例えばいじめの定義というものがあります。いじめが、われわれ一般的な感覚からしたら、いやな気持ちがするものすべてと受け取ったりしますが、この法律でいういじめは定義があって、学生が対象になり、被害者と一定の人的関係がある学校に在籍している生徒が行なうものであること。心理的、物理的に影響を与えるものであること、被害生徒が心身の苦痛を感じているもの、これがいじめになると定義しています。

だから、外形的にいじめに見えても、本人が苦痛を感じていないものであれば、この定義から漏れてきます」

これらの定義に当てはまっているので今回の栃木の問題はいじめに該当しうる、との認識を学校側が示したということですか?

正木「もうちょっと調査をしてこれにしっかり該当するかを検討するという段階になります。法律上もいじめを行なった生徒に対して学校側が、懲戒をしたり、被害者の生徒が安心して通えるように加害生徒を出席停止にできるということも定めていたりはしますが、罰則があるということではないです」

いじめの件数は右肩上がり

2013年にこの法律ができて、いじめをとりまく環境は変わったのでしょうか?

正木「大きく変わったとは言えず、認知件数を見ると、ほぼ右肩上がりという状況です。昨年10月に公表された文科省の調査結果の概要によると、いじめの認知件数、769,000件あまりで前年比5%増えています。

被害生徒が亡くなったり、学校を長期間休まなければいけないというような重大な事件は、基本的にはほぼ右肩上がりになっています」

見えなかったものが見えてきた

こういう法律ができて、それぞれの立場の人がこういう責任を持ちましょうと定められたということで、そういう責務を全うしているからいじめがはっきりわかってきたとみるのはどうでしょう?

正木「そうです、文科省の調査結果を見ても、まず法律ができたことでいじめというものがわかりやすくなったとか、アンケート調査などが定期的に行なわれたり、学校にスクールカウンセラーが置かれたり、様々なことが進んできて、今までなかなか表に出にくかったいじめが表に出たからこそ件数が増えているように見えています。

今まで暗数であっただけで、救い上げるものが増えたという形で調査結果としても書いてあります。一方でこれですべての件が明るみになったというものではないので、この法律があるからといってすべてのいじめが救われているわけではないです」

こどものいじめは被害者、加害者が入れ替わったりとか、対応が難しいところが多々あります。いじめを根本的に解決しようという面ではまだなかなか行き届いていないようです。
(みず)
 
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2026年01月13日07時15分~抜粋

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