CBCラジオ #プラス!

全国初「幸福の黄色い郵便ポスト」が20周年。名古屋在住の大使が伝える思い

宮城県大崎市で“幸せを運ぶポスト”として愛されている「幸福の黄色い郵便ポスト」が、今年で設置20周年を迎えました。

12月15日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、光山雄一朗アナウンサーと三浦優奈が、おおさき宝大使を務める名古屋市在住の写真家・庄司巧さんに、黄色いポストの魅力と歴史について尋ねました。

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「黄色いハンカチ」がヒント

黄色い郵便ポストがあるのは、大崎市古川十日町にある「吉野作造ポケットパーク」。大正デモクラシーを唱えた吉野作造の生家跡地に整備された公園です。

このポストは、引退した丸型ポストを黄色に塗り替えたもの。2005年当時、商店街振興組合の理事長だった木村信一朗さんが、町おこしのアイデアとして企画しました。

「もし待ってくれるなら、家の前に黄色いハンカチを下げておいてくれ」という手紙でおなじみの映画『幸福の黄色いハンカチ』(1977年 山田洋次監督)にヒントを得たそうです。
古川郵便局の協力を得て、宮城県内で使用していた丸型ポストを譲り受け、正式な許可を取って赤から黄色に塗り替えました。これが全国初の黄色い丸型ポストでした。

大崎市に黄色いポストが設置されて以降、北海道から沖縄まで全国各地で20カ所近く、黄色いポストが誕生しています。黄色には幸せのイメージが強いことから、その魅力が全国に広がっていきました。

設置20周年イベントを開催

今年5月17日には、設置20周年イベントが開催されました。

あいにくの雨の中でしたが、地元の方や有志など約20名が集まり、参加者全員で黄色いポストの前で手紙を投函し、記念撮影を行ないました。投函後には、皆さん幸せいっぱいの笑顔だったといいます。

イベントでは、名古屋在住のシンガーソングライター・福井大輔さんのライブも。丸型ポストや手紙をテーマにした曲を披露し、和やかで温かい雰囲気に包まれたそうです。

名古屋の写真家が大使に

庄司さんは名古屋在住の写真家で、丸型ポストやドクターイエロー、名古屋城のある風景を長年撮影しています。

2005年5月17日に大崎市に黄色いポストが設置されたニュースをテレビで見て、レモンイエローの鮮やかなポストに惹かれ、大崎市へ足を運んで撮影。以降、毎年大崎市を訪ね、地元の商店街組合の皆さんと交流を続けてきたそうです。

2011年3月11日の東日本大震災では、大崎市も震度6強の揺れに見舞われます。幸い人的被害は少なく、黄色いポストがある商店街の皆さんも無事でしたが、庄司さんは「直接現地へ行き、笑顔を届けたい、少しでも支援できないか」と考えます。

愛知の仲間たちから励ましの手紙や支援物資を集め、震災から2か月後の5月初め頃に車で大崎市の商店街へ届けました。おおさき宝大使に就任したのはその年の7月。黄色いポストのPRを発信し続けてきたことがきっかけでした。

大使としては、黄色いポストはもちろん、鳴子温泉などの温泉地の魅力や、宮城の美味しいお米なども含めて大崎市をPRしているそうです。

ポストを中心に人と人との交流を

丸型ポストの魅力について庄司さんは「人間味があり、温かさを感じるところ」と語ります。「よく見ていただくと、人の顔に見えませんか。郵便配達員さんをモデルにしているそうです。角があるよりも丸みがあった方が親しみやすい」と、その魅力を教えてくれました。

パーソナリティの光山雄一朗も「言われると、納得しちゃいます」と共感。三浦優奈も「そう言われると、確かに帽子をかぶっているようにも見えますね。違った発見があって面白い」と新たな視点を楽しんでいました。

今後について庄司さんは「おおさき宝大使として、名古屋から大崎市の黄色いポストを発信し続け、ポストを中心に人と人とが交流できる場所になれば」と語ります。「幸せのある町として発信し続けていきたい」という思いを込めて活動を続けています。

また、来年1月5日から30日まで、名古屋市北区の名古屋福徳郵便局で丸型ポストの写真展が開催されます。福徳郵便局には七福神が乗った丸型ポストもあるそうです。
(minto)
 
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2025年12月15日07時44分~抜粋

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