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トランプ氏、逆風を跳ね返して圧勝!ハリス氏が直面した支持層離れと敗北の背景

アメリカの大統領選挙は共和党のトランプ氏が民主党のハリス副大統領に圧勝し、4年ぶりの政権奪還となりました。

アメリカ大統領経験者として初めて起訴され、4つの刑事裁判を抱えながらの戦いとなったトランプ氏。今年7月の選挙集会中には、ペンシルベニア州で耳に銃撃を受ける場面もあるなど、異例づくしの選挙戦でした。

11月7日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が、今回の選挙戦の勝利を分けたポイントについて解説しました。

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バイデン政権への不満が招いた苦境

アメリカで大統領が再度当選を果たすのは132年ぶり。グロバー・クリーブランド氏以来2人目です。

さらに驚くべきは、結果判明までのスピード。2000年に行なわれたジョージ・W・ブッシュ氏とアル・ゴア氏の決戦では、結果が出るまで約1か月を要しました。

今回の選挙も接戦になると思われていましたが、予想に反してあっさりと決着がつきました。

「記録的な物価高」や「不法移民の急増」など、国民がバイデン政権へ持つ大きな不満。
これが、この政権の副大統領だったハリス氏へ向けられたことが、敗因の大きな理由として考えられます。

石塚「政権の中枢にいた人でしょ。2番手の人ですよ。『私が大統領になればこう変わります!』と言っても、トランプ陣営がうまいのは『あなたは今まで政権にいたじゃないか!』と」

ハリス氏が巧みな話術で反論を展開できなかったことで、支持層の中でも不安感が強まったと見られます。

不法移民問題での支持転換

今回の選挙では、民主党の盤石な支持層とされていたヒスパニック層や黒人層が共和党に流れる動きが見られました。

世論調査の結果、ハリス氏は若年層やヒスパニック層、黒人層からの支持が、4年前のバイデン氏ほど得られなかったことがわかりました。

この層が民主党を支持しなくなった顕著な理由は、アメリカでの生活の安定を守りたい移民にとって、不法移民の増加が不安要素となること。

石塚「味方じゃないんだ。むしろ『お前ら、もう来るな!』と。『あんたたちが来るから私たちまで白い目で見られるだろ!』と思う人たちも出てくるわけですよ」

一部の移民が不法移民の流入に厳しい姿勢を見せるトランプ氏の方針を支持し始めたこと。
この読み違えが、ハリス陣営の大きな敗因となりました。

「隠れトランプ」の減少

トランプ氏のキャラクターや人格に問題を感じつつも、「それならハリス氏で良いのか?」と疑問を持つ人が多かったとも考えられます。

石塚「『トランプさんはちょっと変わったおじさんだけど、2人のうちどっちかを選べって言われたらトランプさんにしておこうかな、という人が結構多かったということ」

アメリカの世論調査は日本に比べて精度が低いといわれます。

しかし、前回の選挙で多かった「隠れトランプ」層が、今回は支持を隠さず堂々と「トランプ支持」を表明することが多く見られました。

バイデン政権への不満や移民層の支持転換といった要因が重なり、トランプ氏が再選を果たしました。

経済政策や安全保障での姿勢が今後の日米関係にどのような影響を及ぼすのか、注目が集まります。
(minto)
 
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2024年11月07日07時03分~抜粋

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