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「トランプ空港」爆誕!?アメリカの共和党議員がまさかの改名を提案

アメリカの首都ワシントン近郊にある「ダレス国際空港」を、「ドナルド・J・トランプ国際空港」に改名しようとする法案を、共和党の下院議員が提出したことが明らかになりました。

4月8日放送の『CBCラジオ #プラス!』「ニュースにプラス」のコーナーでは、この法案提出の狙いについて、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が解説しました。

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「トランプ空港」は実現する?

今年はアメリカの大統領選挙の年。

トランプ氏は共和党の指名を受けることがほぼ確定していて、現職である民主党のバイデン氏とのガチンコ勝負が始まろうとしています。

共和党議員の中にいるトランプ氏の岩盤支持層が「トランプの偉業を称えて、空港の名前をトランプ空港に変えたい」とアピールしている、ということのようです。

この法案は共和党の下院議員7名が連名で提出したもの。

その理由として「アメリカはトランプの指導力で自由と繁栄を手に入れたから」と話しているそうです。

実際、この空港名の実現は「ハードルが高い」と石塚。

下院は共和党が多数派ですが、上院は民主党がギリギリ多数派。共和党の中にも否定派は一定数存在しているはずなので、この法案が通ることはまずないということのようです。

政治家の名が付く空港

空港に政治家の名前が付くことは、アメリカではままあること。

例えば、今回話題となっている「ダレス国際空港」はそもそも政治家の名前が付いた空港。1950年代にドワイト・D・アイゼンハワー元大統領の元で国務長官を務めていたジョン・フォスター・ダレスから取っています。

ニューヨークの「JFK国際空港」は、ジョン・F・ケネディ元大統領が暗殺されたわずか1か月後にスピード改名されたもの。

ハワイ・ホノルルの「ダニエル・K・イノウエ国際空港」は、上院議員を長年勤めた日系議員から名付けられました。

バージニア州の「ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港」は、元々の「ワシントン・ナショナル空港」にレーガン元大統領の名前をくっつけた空港です。

架空の人名が多い日本の空港

日本ではなじみがありませんが、政治家の名前が付く空港は海外ではわりと一般的。

フランス・パリの「シャルル・ド・ゴール空港」や、イタリア・ローマの「レオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港」、フィリピンの「ニノイ・アキノ国際空港」、モンゴルの「チンギスハーン国際空港」など。

この背景にはやはり「文化の違い」があるようです。

石塚「日本は組織や団体を大事にして『みんなで頑張ろうね』というイメージで、誰か突出した人がいるという感じでもない。欧米はどちらかというと個人を称える文化があるので」

日本で実在する人名が付く空港は、高知空港の愛称である「高知龍馬空港」が唯一。

架空の人名では「鳥取砂丘コナン空港」「米子鬼太郎空港」「岡山桃太郎空港」などがあります。

空港だけじゃない!

ジャパニーズカルチャーを反映してはいますが、実在した人の人名を使うのははばかられる文化があるともいえます。

エッフェル塔は、塔の設計者であり建設者のギュスターヴ・エッフェルの名前から。

ソルボンヌ大学は、パリ大学に貧しい神学部学生のための学寮を設立したロベール・ド・ソルボンも名前から。

エベレスト山も、インド測量局で長官を務めたジョージ・エベレストにちなんでその名がついたものです。

日本と海外との文化の違いがよくわかるニュースでした。
(minto)
 
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2024年04月08日07時15分~抜粋

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