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静岡・川勝知事が辞職の意向…発言のどこが問題?

静岡県の川勝平太知事は2日、自身の不適切な発言を理由に県議会6月定例会で辞職する意向を表明しました。

1日の新規採用職員への訓示で述べた内容に対し、かなりの批判が集まっていたことによるものですが、実際にどのような発言だったのでしょうか。

この4月から始まった番組『CBCラジオ #プラス!』では、平日の朝にニュースやスポーツなどさまざまな情報を伝えています。

4月3日の放送では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が、なぜ川勝知事が辞職の表明にまで至ったのかについて解説しました。

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発言の問題部分

川勝知事は2009年に初当選し、現在4期目と長期に渡っていて、選挙ではかなり強かったようです。

今回、問題となった発言を抜粋したものは、以下のとおりです。

「県庁はシンクタンクです。野菜を売ったり牛の世話をしたり物を作ったりということと違って、皆様方は頭脳、知性の高い方です」

これに対して「農業や畜産に携わる人々の知性が低いということなのか、驕った考えだ」「静岡県はものづくりを誇っていたのではないのか、生産者はイコール納税者だ」といった意見が、県庁に対して電話やメールで430件ほど寄せられ、ほぼすべて批判的だったそうです。

一方、この発言の真意を問われた川勝知事は、「職業差別は皆無だ。問題発言があったかの如き状況になっていて、本当に驚いている」と釈明。

「不愉快な思いをされたということであれば、誠に申し訳なく思う」と述べられたものの、「全文をご覧いただければ誤解は解ける」として、発言が切り取られたことを訴える場面もあったとのことです。

今回だけではない問題発言

石塚はまず「物理的には切り取られているのは事実だが、20分話しているのを全部見せるというわけにはいかない。しかし、誤解を招くような切り取り方では決してない」とコメント。

また、今回の発言がたまたま問題になったわけではなく、以前からさまざまな発言が問題視されています。

2015年7月、公開の場で静岡市長に対して「君」呼ばわりして市長が憤慨し口論に発展。

2019年12月、公的施設建設の反対派に「県議会にはヤクザ・ゴロツキもいる」と発言し、のちに撤回。

ゴロツキとは「一定の住所を持たずあちこちうろついて、他人の弱みにつけこんでゆすり、嫌がらせなどをする悪者」という意味ですので、明らかに悪い意味で使った言葉です。

2020年10月には日本学術会議への任命拒否をめぐり、当時の菅義偉首相に対して「教養のレベルが露見した」と評し、のちに撤回しています。

辞任の理由は不明なまま

最近で有名なのは2021年10月、参院補選の応援演説で前御殿場市長だった対立候補に対し、「あちら(御殿場)はコシヒカリしかない」と口を滑らせ、のちに撤回。

県議会で辞職勧告決議が可決されましたが、この決議には法的な拘束力はないため、辞職はしませんでした。

その代わりに12月分の給料とボーナスを合わせて440万円あまりを返上すると言っていましたが、のちに実は満額受け取っていたことが判明。

問題が何度も起きていた中で今回辞職を表明されたのですが、石塚は「15分ぐらいさんざん弁解した後で辞めますって言って、当然メディアが辞める理由を聞くと、答えなくてさっさと帰っちゃった」と、知事の態度に不信感を募らせました。

石塚「選挙でみんなが選んだ知事が『私辞めます』って言うんだったら、何を考えて辞めるのか、あとはどうするのか、リニアの問題はどうするのか。

それを言わずに言いたいことだけ、『君たちが切り取ったね、真意は違うよ』と言って、質問には答えずにさっと行っちゃう」

今のままだと「自分が意図しない切り取られ方で問題にされたから辞める」というように感じられるため、あらためて辞任の理由について説明責任が求められています。
(岡本)
 
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2024年04月03日07時05分~抜粋

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