新型コロナウィルスの感染拡大が止まりません。
新たに陽性と判定された方の人数が増えてきている現状を踏まえ、政府は4月5日から1か月間、大阪府・兵庫県・宮城県に「まん延防止等重点措置」を適用することを決定しました。
そんな中、4月3日放送の『石塚元章 ニュースマン!!』では、まだまだ新型コロナと付き合っていかなければならない上で、重要なキーワードを2つ紹介。
CBC論説室の石塚元章特別解説委員と、渡辺美香アナウンサーが解説しました。
V字ではなくK字?
日本銀行が4月1日に発表した今年3月の企業短期経済観測調査の結果、いわゆる日銀短観について、「K字回復」が鮮明になってきたと報じられました。
日銀短観とは、簡単にいいますと「今の景気はどうですか?」と質問して、景気が良くなったと答えた企業の数が、悪くなったと答えた数よりも多い場合は、プラスの点数として計算されるというもの。
最近の景気が良いのか悪いのかが簡単にわかるという指標です。
ここで「V字回復というのは聞いたことはあるが、K字回復って何?」と思った方も多いかもしれません。
V字回復はアルファベット「V」の形のとおり、いったん底まで沈んだ後に劇的に上向いて回復するパターンのこと。
K字とは「K」の右側にある斜め線が、右上へ向かっていくのと右下へ向かっていく2種類があるように、上向きの業種と下向きの業種、2つのパターンが同時に存在するという意味です。
中には好調な業種も
つまり、新型コロナウイルスの影響により、業績が上がったところと下がったところに二極化されているというわけです。
製造業やメーカーなどは、アメリカや中国の景気が上回ってきたことや円安の影響を受けて、輸出主導型の企業は業績が上昇。
一方で、飲食業や宿泊業などは苦しい状態が続いています。
ひと口に「新型コロナの影響により、日本経済に大きな打撃」といっても、すべての業界で不景気の影響を受けているわけではないことがわかります。
今後もしばらく、この二極化は続くのかもしれません。
ワクチン未接種なら移動範囲は制限?
石塚が解説するもう1つのキーワードは、「ワクチンパスポート」。
私たちの生活が新型コロナ前の状態になり、経済が回復するためには、ワクチンが不可欠の状態となっています。
世界でワクチンが広がる中で今いわれているのが、ワクチンを接種した人と接種していない人で、世界各国に移動できる範囲を決めましょうというもの。
そこでワクチンを接種したことを示す証明書を持っている人だけは、外国の出入りを許す、あるいは特定の場所への移動を許すというルールが広がりつつあります。
その証明書のことを俗に「ワクチンパスポート」といい、すでにイスラエルなどでは運用を開始。
人の行動範囲を制限することで、感染拡大の防止にはつながるかもしれませんが、ワクチンは基本的に希望者だけが接種するものであり、接種したくてもできない人もいます。
その状況で差別につながるのではないかという危惧も。
今のところ、日本はワクチンパスポートの導入には慎重ですが、外国がどんどんワクチンパスポートを導入すると、日本から外国へ移動できなくなるという可能性が高まります。
果たして、後には導入せざるを得なくなるのか、今後の動向に注目です。
(岡本)
石塚元章 ニュースマン!!
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202104D03072~抜粋