『石塚元章 ニュースマン!!』、「石塚トレンドザ・ナンバー 今日の数字」のコーナーでは、今週起こったニュースにちなんだ数字をCBC論説室の特別解説委員・石塚元章が選んでいます。
12月21日の放送で石塚が選んだ数字は、「5万6,000丁」。
「丁」といっても、もちろん豆腐のことではありません。
この「丁」は、「銃」を表す単位です。
ガッカリの121位
「今日の数字」の発表前に、リスナーから寄せられた数字予想を石塚が読み上げます。
「121じゃないですか?男女格差の話。200いくつかの国のうちではなく、153の国のうちなんだって!」(Aさん)
「121位だと思います。世界経済フォーラムが発表した男女格差の評価で、日本は121位だったこと、ちょっとがっかりです」(Bさん)
世界経済フォーラムが17日に発表した、男女格差の大きさを国別に比較した「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」で、日本は153カ国中121位。
過去最低順位であった2017年の114位(144カ国中)よりも、さらに順位を下げました。
ちなみにこれは、主要7カ国(G7)の中でも最低の数字です。
これも注目のニュースではありますが、石塚がこの日取り上げたのは別の数字でした。
国による銃の買い取り
この日の数字は「5万6,000丁」。
今年3月、ニュージーランドのイスラム教の礼拝場・モスクで銃の乱射事件があり、50人以上が犠牲になりました。
この事件を受けて、アーダーン首相が銃規制強化のための様々な策を打ちあげましたが、その目玉の一つが、「銃の買い取り」。
法律を改正し、予算を組んで、国が銃を買い取るという政策です。
銃を規制しようとすると、必ず反対をする団体が現れるものですが、今回ニュージーランドでは、銃規制反対派の団体が銃規制に協力する方向で法律改正に賛成しました。
国の予算を使い、最も高いもので元々の値段の95%の金額で。
最も安いものでも、元々の金額の25%での買い取りを行いました。
さらになんと、銃を無許可で所持していた人に対しても、買い取りはしないものの罪には問わないという特例措置が取られたのです。
今月20日の期限までに、政府がかき集めて買い取った銃が、5万6,000丁。
その予算は、日本円にして約72億円にものぼります。
トランプ大統領の場合
「お金になるから」という思惑の人がいたことは事実だとは思いますが、それでもニュージーランドから5万6,000丁もの銃が消えたことに代わりはありません。
このニュースを受けて、石塚が比較対象に挙げたのはアメリカのトランプ大統領。
銃乱射のニュースが起きた時に、トランプ大統領は「けしからん!」と怒るものの、決して銃を規制しようとはしません。
それどころか、「こういう乱射事件があるからこそ、自分の身を守るために銃を持たなければならない」と、むしろ逆のことをいう始末。
そんな中で、「ニュージーランドのやり方は光るものがある」と石塚。
もちろんこれでニュージーランドから全ての銃が消えたわけではなく、まだ事件は起きる可能性はあります。
しかし、国民が「銃を手放すという手立てもあるんだな」と気づいたことに、大きな意味があると解説した石塚でした。
(minto)
石塚元章 ニュースマン!!
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2019年12月21日08時37分~抜粋