北野誠のズバリ

こどものコミュニケーション能力は、親の言葉の「言い換え」で変わる?

2024年03月12日(火)

カルチャー

3月9日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリサタデー』では、『10歳からの言いかえ図鑑』(幻冬舎)の著者で、一般社団法人日本メンタルアップ支援機構代表理事、産業カウンセラーの大野萌子さんが出演しました。

小学生向けの実用書となる『10歳からの言いかえ図鑑』を書くきっかけや、大人の言葉の使い方について語りました。

自己主張ができない人が増えている

大野さんが小学生向けの本を書こうと思ったきっかけは、研修やカウンセリングを行っていて、ここ10年「自己主張ができない人が増えている」と感じたこと。

「何を言ったら良いのかわからない」「タイミングがつかめない」「相手からどう思われるのかが心配」という理由があるそうです。

日本は「察する文化」のため、理解されない悩みを持つ人も多いようです。そこでわかり合える関係性の土台作りに役立てばと思ったのが執筆のきっかけとのこと。

コミュニケーションについては「スキルが重要ではあるものの、やはり言葉を使うことが大事」と大野さん。語学力や語彙を獲得する幼少期は、こどもにとって大切な時期だそうです。

相手を追い詰めるNGフレーズ

例えば、こどもが親を説得する時などに使う「みんな言ってる」というフレーズ。
実際にその「みんな」は周りのたった数人ということがよくあります。

大野さんは「主語を『みんな』ではなく『私』にした方が良い」と提案します。

大野「自分がそれを欲してるんだとか、自分が担ってるんだというのをストレートに伝えることの方が大事だと思っています」

一方、親がこどもに言ってしまうNGフレーズは「何でできないの?」というもの。
相手を追い詰める「なんで?」や「なぜ?」は危険なフレーズと指摘します。

大野「ロジカルなことで突き詰めていく、原因を追求する時はなぜっていう疑問は必要だと思うんですけど、気持ちって自分でもわからなかったり、どうにもならなかったりする。
『なんで?』とか言われても、できないこととかあったりすると、追い詰められた感じになる」

この場合のベストな聞き方は「どうしたらいいと思う?」と方法論を考えさせることのようです。

「14時10分前」の解釈

こどもが言葉のパターンを覚えていく過程で最も影響を受けるのは、やはり身近にいる親の言葉です。
そうすると「言い換え」が必要なのは、こどもよりも先に大人なのかもしれません。

大人でも使うフレーズ「私、そんなこと言ってないですけど」は、まず下手に出て「ちゃんと伝わっていなくて、ごめんなさい」と言うのが良いそうです。
「言った・言わない」「そんなつもりでは言っていなかった」は水掛け論となり、結局お互いが不愉快になって終わるだけです。

「自分の言っていることが伝わらない」と憤る前に、実は曖昧な表現をしていなかったかを振り返るのも大切です。

伝えたつもりでも伝わらない例として「14時10分前に待ち合わせ」という約束があります。
誤解して14時8分頃に来る人がいることもあるため、きちんと「13時50分に」と言うなど、伝える側と受け取り側のギャップが生じないかを考える必要もあります。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2024年03月09日10時29分~抜粋
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