北野誠のズバリ

遺伝子でわかる!?日本人の健康に良い食生活

健康を保つために食事や運動に気を遣わなければならないと思い、さまざまな健康法を調べて実践しようとする時、大事なのはその人に合った健康法を実践すること。

日本人は世界的にみて特徴的な体質を持ち、それに合った健康法を実践した方が良いそうです。

9月17日放送『北野誠のズバリ』では、『日本人の「遺伝子」からみた病気になりにくい体質のつくりかた』(講談社)の著者、京都大学医学博士で内科医の奥田昌子先生に、日本人の特徴に合った健康法を解説しました。

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日本人の胃は長い

先祖から長年食べているものに合わせて遺伝子は変わっていくそうで、日本人の遺伝子に特に大きく関わっているのがお米。

奥田先生によりますと、世界的に見て日本人は腸がきれいで、最近流行りの「腸活」はあるものの、心配し過ぎる必要はないそうです。

12か国の人で腸内細菌を比較したところ、日本人の半数が日本人特有のものを持っていて、ビフィズス菌を始めとする善玉菌が非常に多く、穀物からエネルギーを無駄なく取り出すのに役立つ細菌が多かったとのこと。

この点はアメリカだけではなく、同じアジア圏の中国人とも異なっていて、昔から食べてきた穀物、特に玄米や雑穀は質の良い食物繊維が豊富なことが関係しているようです。

食物繊維は固いため、日本人はそれに合わせて胃の形が縦に長く、食べたものを貯めてこなすことができ、ドロドロにした状態で腸に送ることで消化しやすくしています。

そして、穀物に含まれるでんぷんや食物繊維を分解する細菌が腸で待ち構えていて、効率良くエネルギーが取り出せます。

食の欧米化による問題

一方、欧米人は肉食中心のため、動物性タンパク質や脂肪の摂取量が多く、消化・吸収の仕事は主に腸で行われることから、胃での処理を終わらせて腸にできるだけ早く送る方が良いということになります。

そのため胃酸をたくさん出ますし、胃の壁が分厚くなっていて、胃の形も日本人と比べて短くなっています。

日本人は長らく米を食べてきたものの、食の欧米化が進んでいることで、新たな問題が起きています。

日本人の胃は長い時間をかけて処理をこなすために、脂肪が長い時間滞在することになるため、これが日本人は胃もたれしやすい原因。

脂肪は胃酸の分泌を高めますが、最近、逆流性食道炎が多くなってきたことは、食の欧米化が関わっている側面もあるようです。

日本人は内臓脂肪がつきやすい

日本人は良い腸内細菌が多い一方、内臓脂肪がたまりやすいというマイナス面があるそうですが、それはなぜでしょうか。

欧米やアフリカの人は内臓脂肪がつきにくいのですが、筋肉や腹筋が強く、内臓を腹筋の力で支えています。

しかし、日本人を含めて東アジアの人々は筋肉を鍛えても強くなりにくく、内臓がそのままだと胃下垂のようにずり落ちてしまいます。

そこで脂肪をクッションのような形にして内臓を支えるため、内臓脂肪がつきやすくなっているのです。

東アジアの人々にとって内臓脂肪が必要ですが、たくさんつき過ぎると生活習慣病やガン・認知症の発症につながってしまうとのことです。

では、日本人のこれらの体質を踏まえて、どのような健康法を実践すれば良いのでしょうか。

奥田先生「日本人は胃も腸も穀物からエネルギーを摂るようにできていますから、お米を含む穀物をもっと食べていただきたいですね。
負担なくエネルギーを取り出すことができるわけです。

一番良いのは玄米ですけれども、慣れていない方はちょっとずつブレンドして食べていただきたく、それで慣れていただくと良いと思いますね」

また、日本人は比較的動脈硬化が少なく、それを防ぐためにサバやサンマ、イワシなどの青魚も良いとのことです。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2022年09月17日10時30分~抜粋

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