北野誠のズバリ

そのまま受け取ってはいけない!京ことばの奥深さ

京都といえば「はんなり」という言葉に代表されるように、柔らかなイメージがありますが、その反面「京都人は性格がきつい」というイメージもあるようです。

その理由に京都人が使う京ことばがあるようですが、どのような言い回しがあるのでしょうか。

『北野誠のズバリサタデー』4月30日の放送では、『本当は怖い京ことば』(リベラル社)の著者、大淵幸治さんが京都流のコミュニケーションについて解説しました。

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京都弁は存在しない!?

県民性の違いについてテレビ番組などで取り上げる際、同じ関西の中でも大阪・神戸・京都で違いがあると言われます。

北野「その中で京都の人の言い方がどうも上から目線やと。
京都弁っていうのは…って、京都弁という言い方がちょっとおかしいのかな。本人らは京都弁ってあんまり思ってませんよね」

大淵さん「思ってませんし、そんな失礼なという感じですよね。
うちらは発信者であって受け取ってマネする立場ではないという意味なんですよね。
だから方言じゃなくて、京ことばですよというスタンスなんですよね」

方言は標準語に対する地方の言葉、京都は一地方ではなく都という意識があるのかもしれません。

謙虚に見えて実は…

京ことばの特徴は、謙虚なように聞こえて実はそうではないというところ。

大淵さん「謙虚じゃないっていうよりも、それだけの誇りや矜持があって、自分らの方がまっとうやという感覚が裏にあって、そういう態度になるんですね。
ただ、表向きはへりくだった、おとなしい感じでしゃべってますけどね」

『本当は怖い京ことば』で、初級の京ことばとして紹介している「私、アホやさかい」というのは、自分がアホやとストレートに言っているのではなく、逆に相手に対して「説明の仕方が悪いあなたの方がアホや」と言っているのだそうです。

大淵さん「京都は昔から階層社会というか、天皇から下までヒエラルキーがあって、言葉づかいでも全部違ってますよね。

例えば『死ぬ』にしても、天皇だと『薨ずる(こうずる)』とか『身罷る(みまかる)』か。

普通の庶民が言うと『死んだ』でいいんですけど、相手の位によって言葉を変えると。言語的にはすごい特異なんですね」

京都は住みにくい?

この他にも、こどもの親に対して「元気なお子さんやね」と言うのは、「健やかに成長して良かった」という意味ではなく、「うるさい」と注意されていることになりますので、気をつけなければなりません。

こうなると、他の都道府県の人がコミュニケーションを取るのは難しそうに見えます。

北野は大学時代に京都で2年間住んでいましたが、「いきなり住むところではないですよね」という意見に対し、大淵さんは「まあ、2、3日住むところですね」とキッパリ。

大淵さん「いろいろ見て回って毎年2、3日来て、10年か20年かけて知るような土地柄ですね」

北野「3日ぐらい住んで帰る人だと、わからんままで帰ってよろしって」

大淵さん「はんなりしたええ言葉で、『気持ち良かったわ』って言って帰る。
『はよお帰りやす』って言われたって、『気を遣って言われた』って感じですもんね」

京都に長期間住まない限りは、空気を読まずに言葉の1つ1つに裏読みをする必要はないかもしれません。
(岡本)
 
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2022年04月30日10時24分~抜粋

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