10月5日放送の『北野誠のズバリ』では、事故物件住みます芸人の松原タニシが青森県・恐山のイタコについて語りました。
先月末、恐山を訪れた松原は、イタコさんに30年前に亡くなった祖母を降ろしてもらいました。
ゴツゴツした岩ばかりの荒涼とした場所。積み石と、小さな風車。独特な風景の中、松原はおばあちゃんからある感動的な言葉と、意外すぎるアドバイスをもらったのです。
恐山にイタコはいない?
高野山、比叡山(ひえいざん)と並ぶ「日本三大霊場」として知られる恐山。
恐"山"といいつつも実は山ではなく、宇曽利湖(うそりこ)のほとりにある恐山菩提寺が、いわゆる「恐山」といわれる霊場です。
「恐山=イタコさん」のイメージがありますが、恐山に行けばいつでもイタコさんに会えるというわけではありません。
イタコさんが恐山にいるのは、「大祭典」(毎年7月20~24日)と「秋祭典」(10月第2週の三連休)の期間中のみ。
松原は事前にHPでイタコさんが恐山にいる日をチェックし、訪問しました。
30年前に亡くなった祖母
死者の霊を憑依させ、その言葉を伝える「口寄せ」は、1回4,000円。
今回松原が恐山を訪れた目的は、現在住んでいる事故物件で亡くなった方と会話をするため。しかし、ここに盲点がありました。
命日がわからないと、口寄せをすることができないというのです。
そこで松原は急遽方向転換をして、30年前に亡くなった祖母を降ろしてもらうことに。
イタコさんは数珠をカシャカシャしながら念仏を唱えます。そうしているうちに、松原のおばあちゃんがイタコさんの身体に降りてきたのです。
「こっち側に来ちゃダメ」
「私もポックリいっちゃったからねー」など、始めはひとりで話していたおばあちゃん。
急に話がピタッと止まり、「最近どうだい?」と松原に尋ねます。
松原が物心ついたころ、おばあちゃんはすでに認知症に。実はまともに会話をしたことはありませんでした。
「おばあちゃん、僕のこと覚えてる?」と聞くと、おばあちゃんは「なんとなくは覚えてる。孫がみんなちゃんと元気にしてくれててうれしいよ」と返してくれました。
「今、事故物件に住んでこんな仕事をしている」と話したとき、松原はおばあちゃんの言葉に感動を覚えたといいます。
おばあちゃんは「こっちに来るなよ」と、松原を突き放してくれました。
「死者に興味を持っても、こっち側に来ちゃダメ。あなたは今を精一杯生きなさい」と、叱咤してくれたのです。
「『鬼滅の刃』を観なさい」
そしておばあちゃんは「どうしても死にたければ、映画を観なさい」と、松原に提案します。
おばあちゃんが薦めてくれたのは、『ボス・ベイビー』、そして『リメンバー・ミー』。さらに、「アニメもいいぞ。『鬼滅の刃』を観なさい」とも。
まさかの言葉でしたが、「そうか!今のこの時代にも見に来たりしてるんやね」と松原は納得。
「イタコさんと話してたら、『それウソやん!』という感じではなく、自分がちゃんとおばあちゃんとしゃべっている気になるんですよね。そこが大事な気がして」と松原。
この日、松原は知人の父親の遺骨をスタジオに持参していました。
今週末には、恐山の秋祭典があります。
「イタコさんがもしいらっしゃるなら、遺骨付きで見てもらおうかなと思って」と松原。
松原はその知人とともに再び恐山を訪れ、その父親を口寄せしてもらおうと考えているそうです。
(minto)
北野誠のズバリ
この記事をで聴く
2021年10月05日15時23分~抜粋