北野誠のズバリ

「300万円あげます」はNG?遺言書にルールはある?

自分には縁がない、あるいはまだまだ先と思ってしまう遺言ですが、もしもという時に備えておくのは大事です。

『北野誠のズバリ』の「ズバリマネー相談室」では、保険・税金・貯蓄・節約など、リスナーから届いたお金にまつわる悩みや疑問についてアドバイスしています。

3月15日の放送では、あらためて遺言を書く際に注意すべき点について、小宇佐・針田(こうさ・はりた)FP事務所のファイナンシャルプランナー・徳山誠也さんが解説しました。

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遺言書の言葉づかいにルールはある?

「遺言書を法務局で保管してもらえるようになりましたので、現在67歳の私も書いてみようと思っています。

不動産は自宅以外、駐車場として貸している土地くらい。
それ以外も退職金と今までの預貯金程度なので複雑ではないのですが、こどもが3人いるので、どう分けるか迷っています。

気になっているのは、遺言書の中での言葉づかいや表現の仕方です。

例えば『あげる』などの話し言葉のような表現は使わない方が良いと聞いたことがあるのですが、本当でしょうか。

使わない方が良い言葉や表現方法など注意すべき点があれば、ぜひ教えてください」(Aさん)

遺言なので何となくかしこまった表現にしないといけないというイメージがありますが、実際に言葉づかいなどのルールは決まっているものなのでしょうか。
 

言葉づかいよりも注意すべき点

徳山さんは遺言書で重要な点としてまず、「言葉づかいよりも意味が正確に伝わるかどうか」を挙げました。

徳山さん「自分が亡くなった後にあげるという意味で、やっぱり『相続させる』と書いた方が明確ですよね。

ダメなのが、よく『託す』とか『管理させる』とか、これは使わない方が良いですね。

仮に相続人の方が理解できたとしても、問題なのは相続登記、所有権を移転させる登記で根拠となるのが遺言書だったり、遺産分割協議書があるんですけど、いずれの場合でも誰が何を相続するのかが明確になってないと、取り扱ってくれないんですね。

『"託す"だけだともらったことになってないですよね』ってなるんです」

遺言書や遺産分割協議書がなくても、兄弟間で話し合って決めればもちろん問題はないのですが、そもそも揉めないために遺言書を作るものなので、作っておくことに越したことはないというわけですね。
 

不動産相続の落とし穴

では、不動産の相続について、他に注意すべき点はあるのでしょうか?

徳山さん「結構よくあるんですけど、建物のことを書き忘れることがあるんですね。

例えば、私が所有してる○○町の土地は長男、△△町の土地は次男に渡しますと書いてたとしますね。

この遺言の内容だけでは、土地の登記はできても建物の登記をすることはできないので、結局遺産分割協議をしないといけない、遺言だけでは収まらないというわけですね」

普通だったら建物込みと思いがちですが、その点を突いてきて「建物のことは書いてないから、この分は自分のものだ」と主張して揉めるといったことが起こるかもしれません。

また、あらためて自分の土地を調べてみると、実は番地を2つ持っていたり、正式な住所は異なっていたりする場合もあり、きちんと番地なども記載しないと、揉める火種となってしまいます。

そのため、徳山さんは不動産を持たれている方に対しては、固定資産税の名寄せや登記簿謄本を取ることをおすすめしました。
 

わすれがちな口座

また預貯金について、「××銀行の預金を長男に相続する」と書いても、普通預金や当座預金など複数ある場合は、こちらも揉める元となります。

遺言書を書くのにあたっては、結局、自分のすべての財産について正確に洗い出すことが重要となりますが、徳山さんはこれが1番ハードルが高いと語りました。

さらに北野は、ネット証券などのログインパスワードについて忘れてしまいがちなので、セキュリティの問題との兼ね合いがありつつも、どこかに書いておいた方が良いとアドバイスしました。
(岡本)
 
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2021年03月15日14時11分~抜粋

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