毎日満員電車を使用している男性は、いつ痴漢の疑いをかけられるかわかりません。
『北野誠のズバリ』の「ズバリ法律相談室」では、法律に関する身近な疑問や質問を北野と水曜アシスタント・大橋麻美子が紹介しています。
4月24日の放送では、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が回答しました。
満員電車で起こる冤罪
今回、番組で紹介した相談は次のとおりです。
「先日、『それでもボクはやってない』という映画をレンタルしました。電車で痴漢に間違えられた青年が、裁判で自分の無実を訴える姿を描いた映画ですが、痴漢の冤罪被害って怖いなと思いました。
自分はやってないのに被害者の供述だけが信用されて、無実の人間が罪に問われてしまうのは悲しいことです。
私自身、毎日満員電車に揺られて通勤しておりますので、いつ痴漢と間違えられるか、気が気でありません。痴漢の冤罪被害から身を守る方法は何かあるのでしょうか」
この映画は2007年に公開され、それから12年経ちました。
一部の電車では女性専用車両が設定され、カメラが設置してはいるものの、あまり状況は変わっていないように思われます。
北野「痴漢行為の有罪無罪の決め手ですけど、やっぱり被害者の供述が信用されちゃうんですか」
原先生「昔に比べたら慎重に見てるとは思うんですけど、被害者がわざわざ嘘を付く必要がないということで、被害者と加害者の供述を見てどちらの信用がおけるかということで、有罪になる可能性が高いですね」
「先日、『それでもボクはやってない』という映画をレンタルしました。電車で痴漢に間違えられた青年が、裁判で自分の無実を訴える姿を描いた映画ですが、痴漢の冤罪被害って怖いなと思いました。
自分はやってないのに被害者の供述だけが信用されて、無実の人間が罪に問われてしまうのは悲しいことです。
私自身、毎日満員電車に揺られて通勤しておりますので、いつ痴漢と間違えられるか、気が気でありません。痴漢の冤罪被害から身を守る方法は何かあるのでしょうか」
この映画は2007年に公開され、それから12年経ちました。
一部の電車では女性専用車両が設定され、カメラが設置してはいるものの、あまり状況は変わっていないように思われます。
北野「痴漢行為の有罪無罪の決め手ですけど、やっぱり被害者の供述が信用されちゃうんですか」
原先生「昔に比べたら慎重に見てるとは思うんですけど、被害者がわざわざ嘘を付く必要がないということで、被害者と加害者の供述を見てどちらの信用がおけるかということで、有罪になる可能性が高いですね」
捜査手法は進化しているが
ただ、昔よりは科学的な捜査が進化しているように見えるのですが……。
原先生「例えば、男性が触ったら服に汗が付いてDNA検査をしたり、繊維片が付いてるんじゃないかということで鑑定はするんですけど、そうは言っても都合よく全部がわかるわけじゃないので、まだ供述を信用する（手法）は残ってますね」
北野「（『科捜研の女』（テレビ朝日系）の）沢口靖子をもってしてもダメなんですね」
冤罪というと痴漢のケースがよく取り上げられますが、冤罪被害の中では特に痴漢が多いのでしょうか。
原先生「他の犯罪に比べて物証が乏しいし、混雑してるので目撃証言も得にくいと。あと、被害者も嘘をつく気がなくても誤解してしまうこともあるので、割合が高いですね」
北野「今なんか特に、満員でも結構みんなスマホを見てるじゃないですか。だから余計に他人のことを見てないと思うんですよね」
原先生「例えば、男性が触ったら服に汗が付いてDNA検査をしたり、繊維片が付いてるんじゃないかということで鑑定はするんですけど、そうは言っても都合よく全部がわかるわけじゃないので、まだ供述を信用する（手法）は残ってますね」
北野「（『科捜研の女』（テレビ朝日系）の）沢口靖子をもってしてもダメなんですね」
冤罪というと痴漢のケースがよく取り上げられますが、冤罪被害の中では特に痴漢が多いのでしょうか。
原先生「他の犯罪に比べて物証が乏しいし、混雑してるので目撃証言も得にくいと。あと、被害者も嘘をつく気がなくても誤解してしまうこともあるので、割合が高いですね」
北野「今なんか特に、満員でも結構みんなスマホを見てるじゃないですか。だから余計に他人のことを見てないと思うんですよね」
もし逮捕されたら
今も無罪を証明するのは難しいとなると、冤罪を防止する策はあるのでしょうか。
原先生「古典的ですけど、女性が多い所に乗らなかったり、手を挙げて自分が触れない状況をアピールするしかないですね。物理的なところで頑張っていただくしかないですね」
そして、痴漢の疑いをかけられた場合の対応は、かなり困難です。
原先生「結局、駅員さんに連行されて否定すれば基本は逮捕になると思うので、逮捕になれば勾留、長い時は23日間ということになってしまう」
北野「本当にやってなかったら、やっぱり否認して欲しいですよね」
原先生「弁護士としてはそう言いたいんですけど、そういう状況になるとみなさん悩まれてしまいますね」
すぐに認めると、略式という書類だけの裁判になり、1週間ほどで出られる場合もありますので、病院や忌引の扱いにすれば、話が広がらなくて済むということになります。
原先生「ただ2週間となると、さすがに言い訳が聞かないのでバレてしまいます」
本当はやってないのに、罰金で済むならと泣く泣く認めてしまう人もいるようです。
原先生「古典的ですけど、女性が多い所に乗らなかったり、手を挙げて自分が触れない状況をアピールするしかないですね。物理的なところで頑張っていただくしかないですね」
そして、痴漢の疑いをかけられた場合の対応は、かなり困難です。
原先生「結局、駅員さんに連行されて否定すれば基本は逮捕になると思うので、逮捕になれば勾留、長い時は23日間ということになってしまう」
北野「本当にやってなかったら、やっぱり否認して欲しいですよね」
原先生「弁護士としてはそう言いたいんですけど、そういう状況になるとみなさん悩まれてしまいますね」
すぐに認めると、略式という書類だけの裁判になり、1週間ほどで出られる場合もありますので、病院や忌引の扱いにすれば、話が広がらなくて済むということになります。
原先生「ただ2週間となると、さすがに言い訳が聞かないのでバレてしまいます」
本当はやってないのに、罰金で済むならと泣く泣く認めてしまう人もいるようです。
否認し続けた場合はどうなる？
ここで、「やはり無実なので認めたくない」と思い、否認し続けた場合はどうなるのでしょうか。
北野「裁判で否認した場合、会社は判決が出るまではクビとかにしないんですか」
原先生「会社にもよりますけど、基本的には休職扱いになります。生活に困るのは間違いないし、さすがに会社にも迷惑がかかるので、だんだん居づらくなるという方が多いですね。
ただ、家族や会社の方を信頼して、やってないならやってないって、本当はハッキリ言って欲しいですけどね」
そして北野は、痴漢の冤罪で長い間勾留される現状に疑問を投げかけました。
北野「（勾留の理由で）逃亡の恐れありっていうでしょ。だいたい家族も子供もおって、どこに逃亡するんですか」
原先生「抽象的な逃亡の恐れって言うと、それはゼロじゃないですけど、具体的に逃げられるかって言うことですよね。痴漢の場合だと被害者に近寄らなければ、隠滅ってそうできないんですよね」
北野「むしろ何も（隠滅するものが）ないから出したれよって思うけど、日本は罪を認めない限り出さないっていうね。あれは悪しき司法（の慣習）やなって思いますけど」
そもそも本当に痴漢をする男性が悪いのは大前提として、満員電車の解消や捜査手法や裁判の進め方など、さまざまなことを改善する必要がありそうです。
（岡本）
北野「裁判で否認した場合、会社は判決が出るまではクビとかにしないんですか」
原先生「会社にもよりますけど、基本的には休職扱いになります。生活に困るのは間違いないし、さすがに会社にも迷惑がかかるので、だんだん居づらくなるという方が多いですね。
ただ、家族や会社の方を信頼して、やってないならやってないって、本当はハッキリ言って欲しいですけどね」
そして北野は、痴漢の冤罪で長い間勾留される現状に疑問を投げかけました。
北野「（勾留の理由で）逃亡の恐れありっていうでしょ。だいたい家族も子供もおって、どこに逃亡するんですか」
原先生「抽象的な逃亡の恐れって言うと、それはゼロじゃないですけど、具体的に逃げられるかって言うことですよね。痴漢の場合だと被害者に近寄らなければ、隠滅ってそうできないんですよね」
北野「むしろ何も（隠滅するものが）ないから出したれよって思うけど、日本は罪を認めない限り出さないっていうね。あれは悪しき司法（の慣習）やなって思いますけど」
そもそも本当に痴漢をする男性が悪いのは大前提として、満員電車の解消や捜査手法や裁判の進め方など、さまざまなことを改善する必要がありそうです。
（岡本）
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