荻上チキが語る、本当に有効ないじめ対策とは?

北野誠のズバリ / トーク

夏休み明けのこの時期は、いじめが増え、こどもの自殺が増えると言われています。

そこで、8月25日放送『北野誠のズバリサタデー』では、「いじめ対策」について注目しました。
ラジオ番組『荻上チキ Session-22』(TBSラジオ)のパーソナリティーで評論家、『いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識』(PHP新書)の著者の荻上チキさんに北野誠が話を伺いました。

荻上さんは2012年からNPO法人「ストップいじめ!ナビ」の代表理事も務めており、いじめの当事者や保護者向けに具体的な対処法や情報を広める活動を行っています。
同書ではいじめに関する数々の研究データを元に、本当に有効ないじめ対策について議論されています。

NPO法人発足のきっかけ

まずは北野が、NPO法人を立ち上げたきっかけについて尋ねました。

荻上さん自身がこどもの頃にいじめを受けており、学生時代にいじめに関する研究の本をいろいろと読んでいたところ、あまりメディアでは報じられていませんが、実はいじめに関する研究結果が多くあることがわかったのだそうです。

2012年に滋賀県大津市で起きた、いじめによる自殺事件が大きく報道されましたが、荻上さんは「メディアは有効ないじめ対策を伝えていない」と感じ、自らNPO法人を立ち上げて捜査情報などを提供していこうと考えたとのことです。

冷静に議論するために必要なこと

北野は同書を読み、「具体的な数字やデータが出ている」という印象を持った一方で、メディアでの報道については、「報道では多角的なことをしますけど、数字的なことってあまり出てこないですよね」と語りました。

荻上さんは「あまり数字というものをメディアが報じないこともあるんですけど、いじめがメディアで報じられる時というのは、かなり極端ないじめによって自殺など不幸な事例が起きた時であって、普段行われているようないじめって、なかなか取り上げられないんですね」と答えました。

続けて「メディアを通じていじめの議論をする人は、『今のいじめはこんなにひどいんだ!』と言って、特殊な事例を見て、それだけで議論するようになってしまう」として、「従って、一般的にどのようないじめが行われているのかという現状を知るには、アンケートや実態調査に基づいて議論をすることが必要だ」と語りました。

いじめを増やす方法を考える!?

同書では「いじめを減らすために、あえていじめを増やす方法を考えてみることも必要」とあるそうですが、これはいったい、どういう意味なのでしょうか。

よく「いじめはなくせない」という意見がありますが、荻上さんが逆に、いじめを増やす方法を考えるように促してみたところ、「嫌がるあだ名を率先して付けてみる」、「休み時間に先生が教室に居ないようにする」など、すぐにいろんなアイデアが出てくるそうです。

いじめを増やす方法が簡単に考えられるのであれば、そこから増やさない方法、減らす方法が考えられるのではないかということです。

いじめは特別なものではない

では、いじめに関わるのはどのようなこどもなのでしょうか。

小中高校の12年間に9割の人が一度はいじめに関わるという統計があり、誰もがいじめに関わることがあり得ると言って良い状況です。

どんな時にいじめをするのかという調査では、特にストレスによる原因が多いとされ、荻上さんは、「学校ではゲームをしたり、外に出歩いたり買い物をしたりするのは禁止されているため、限られたストレス発散の選択肢で、いじめを選ぶこどもが出てくる」と解説しました。

次に、いじめはどのようにして起こり、拡大していくのかについて、伺ってみました。

北野「いじめは突然発生するものなのか、それとも予兆があって実は先生が気づくはずなのにというものですか」

荻上さん「両面あるんですけど、いじめの初期段階は、例えばコミュニケーションの行き違いやイジリの延長で面白くなっていじめていくってこともあるんですね。

そこで先生がチェックしなかったり周りから注意されなかったりすると、だんだん『もっとやって良い』、『まだまだやって良い』と、育っていくんです。

最初はちょっとしたことが急に生まれるんですが、それが一定以上育つという段階になると、必ずどこかに予兆はあります」

北野「本来なら先生とかが気づいて、早めに芽を摘んでしまうと良いわけですね」

荻上さん「そうですね。少なくとも発生段階で止められなかったとしても、いじめをより悪くなることを止めるということで、介入することは必要です」

では、いじめを予防するには、どのように環境を整えれば良いのでしょうか。

荻上さんはアンケートの分析結果から、いじめが多い教室と少ない教室が比べられるとして、「いじめが多い教室は先生が体罰を奮っていたり、連帯責任という形でこどもたちに理不尽な指導をしていたり、服装指導や教室のルールが厳しかったりしています。
逆にそうしたルールがとっぱわれていて、授業以外の話も先生にしやすいという関係性がある教室では、いじめが起きにくいんですね」と解説しました。

北野は、「先生から抑圧されていると、そのストレスがいじめを生み出す温床になってしまうんですね」とまとめました。

親が対応できること

では、自分のこどもがいじめに遭っている場合、親としてはどのように対応すべきなのでしょうか。

荻上さん「まずは、自分のこどもがどのような状況にあるのか事実確認をする。ただ、親にこそ言えないという場合も多くあるので、いじめに遭ったり目撃した場合の記録方法などを伝えておく。

日本の場合、暴力系のいじめよりも、コミュニケーション操作系という、無視や嫌なあだ名を付けるといった、証拠が残りにくくて刑法などで裁きにくいようなものが手段で選ばれるのですが、日記やメモに付けておくと、それだけで証拠になるんですね。

あるいは、先生や親に言えなくてもこうしたNPOや場所があるよとか、居場所や方法を提案することも大事になってくるかなと思います」

もし今、いじめを受けていて、2学期に学校に行くのがゆううつだと感じている方がこの記事を見ているのでしたら、ぜひこの本や、NPO法人「ストップいじめ!ナビ」でのサイトに掲載されている内容などを参考にしていただきたいと思います。
(岡本)
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2018年08月25日10時25分~抜粋

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