小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

時代劇オペラ作家・あおい英斗の、驚くべきもうひとつの顔とは?

戦国オペラ『本能寺が燃える』、幕末オペラ新撰組外伝『歳三を愛した女』、この2本の上演が決定している、脚本家・作詞家あおい英斗さんが、5月1日放送の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』(CBCラジオ)に出演しました。

実はあおい英斗さん、『暴れん坊将軍』の徳川吉宗のように、もうひとつの顔を持つすごい作家でした。

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もうひとつの顔

まず話題はペンネームの由来から。

あおい「名古屋は徳川家のお膝下ですから、葵って地名たくさんありますよね。漢字で書いちゃうと一文字になっちゃうので、ひらがなにして」

英斗の「英」は本名の中の一字。また、勢いをつけるときに言う、「えいっと」いう意味も込めているんだそうです。

さらに英語でエイトは8。名古屋の丸八も意味があり、末広がりで縁起もいい、というわけであおい英斗というペンネームにしたんだそうです。

名古屋にまつわるあおいさんですが、本名は田中英成さん。
実は名古屋に本社があるコンタクトレンズメーカー、株式会社メニコンの代表執行役社長です。
この日は脚本家・作詞家のあおい英斗として登場しました。

始まりはミュージカル出演

なぜ、あおいさんが戦国オペラ『本能寺が燃える』を書くことになったのでしょうか?

そのきっかけは、2008年に名古屋で開催されたエンジン01(ゼロワン)文化戦略会議に参加したことだそうです。

参加者は全員ボランティア。当時の幹事長は作曲家の三枝成彰さん。作詞家の秋元康さん、作家の林真理子さんなど、錚々たるメンバーが参加していたそうです。

名古屋開催の翌年は高知での開催でした。
あおいさんはその最終日に、ミュージカル『海とおりょうとピストヲル』に参加依頼を受けました。

カーテンコールに感動

その内容は、幕末が舞台の坂本龍馬のミュージカル。
龍馬役は元宝塚の姿月あさとさん。あおいさんは中岡慎太郎役としてステージに立ちました。
中岡慎太郎は龍馬とともに京都、近江屋で暗殺された陸援隊隊長です。

あおい「トップスターの姿月あさとさんと一緒に切られるんだと、僕の頭の中は、そのシーンが台本を完全に読み切る前にくるくると回りましてね。役者でもないくせに役者冥利に尽きるなと思いました」

瀕死の姿月さんを抱きかかえながら、「龍馬、死ぬな!」と客席に向かって叫ぶセリフがあるはずだと思って、台本を読み進めていったそうです。

あおい「あれ?(そのセリフが)出てこない。すごいがっかりしました。
しかしカーテンコールで、お客さんが三階まで総立ちで涙流していらっしゃるんですよ。それには感動しました」

『麒麟がくる』より10年早い

名古屋に帰って飲み会の席で、「こんな舞台出ちゃったよ」と自慢話をする一方で「自分でも脚本を書きたい」という気持ちが湧いてきたというあおいさん。

そして書き上げたのが地元の武将、明智光秀を題材にとった戦国オペラ『本能寺が燃える』です。

あおいさん独自の解釈による歴史フィクション。三英傑ではなく光秀にスポットを当てたのは、それまでの作品と差別化するため。
NHKの大河ドラマ『麒麟がくる』で光秀が脚光を浴びる10年前です。

ちなみにあおいさんは書くのが早く、4日ほどで書き上げたそうで、メニコンの社長業には影響がなかったそうです。

ラジオから舞台へ

ひとまず書き上げたはいいが、舞台経験がなく、莫大なお金がかかる上演をどうしたらいいの迷ったあおいさん。

あおい「これを実現するにはどういう戦略があるかな?一応、経営者ですからね。それを考えました」

衣装がいらず、舞台がいらず、役者のスケジュールも最小限できる手法。
まずはラジオミュージカルを製作しました。放送後、業界内の大きな賞をいきなり2つ取ったことで、あおいさんの舞台化への熱は高まりました。

翌年は名古屋能楽堂での上演が決定しました。

あおい「戦国オペラ『本能寺が燃える』の題材と、能楽堂の醸し出す雰囲気がすごく合いまして、上演を繰り返していくようになりました」

今後の上演に期待

上演を繰り返していくうちに、より和のテイストを強くしようと、日本舞踊の西川右近さんに指導してもらったこともあるそうです。

そこから「西川右近×戦国オペラ『本能寺が燃える』」というコラボも実現。

あおい「これからもずっとやっていこうって思っていた矢先、右近先生が一年半ほど前に急逝されました。
右近先生を偲んでもう一度やりたいと、能楽堂をお借りしたら、なんと6月4日が右近先生のお誕生日だったんです」

西川右近さんの誕生日は1939年(昭和14年)6月4日。今回の上演は6月3日と4日。

あおい「やれというお告げのようなものがあるのかなと思います。『本能寺が燃える』をもう一度、西川右近追悼公演という形でやることになったんですね」

夏には幕末オペラ『歳三を愛した女』が控えています。こちらの上演は名古屋だけではなく、新撰組ゆかりの地である京都をはじめ、東京、仙台、最後は函館まで行くそうです。

あおい「函館で成功できれば、地元名古屋が生んだ愛される舞台になるかなと思ってチャレンジしたいと思ってます」
(尾関)
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
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2022年05月01日10時26分~抜粋

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