小堀勝啓の新栄トークジャンボリー

泉谷しげるがコロナ禍で考えたこと

シンガーソングライターの泉谷しげるさんが、4月3日放送のCBCラジオ『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』に出演しました。

コロナ禍での音楽活動など、泉谷節全開のインタビューです。

[この番組の画像一覧を見る]

歌で時代を背負いたくない

小堀「『春夏秋冬』はコロナの時代になって沁みますよね」

泉谷「歴史に残ろうなんて気はないんですよ。その時その時に必死にやれて、その時終わればいいかな、ぐらいにやってたんですね」

それがいつの間にかこうなった。無欲の勝利なんだとか。

小堀「『春夏秋冬』は時代の歌みたいになって残っちゃってますよ」

泉谷「そういうの狙っちゃうとやらしいですよね。俺が時代を背負っていくんだ、みたいな。そういうやつって気持ち悪いじゃないですか」

小堀「そういうことは政治家が言うことで」

泉谷「もちろん政治とか社会批判もやってきましたけどね。でも政治とか社会批判のところだけに埋没しちゃうと、結局ニュースみたいなもんだから創作的には楽なんですね。ある種の逃げになるんですよ。評論家と一緒なんで」
 

難しいのは普遍的な歌

曲というのはオリジナルであるべきで、ラブソング一曲にしても大変な思いをして作るべきもの、というのが泉谷さんの主張。
政治批判や社会批判の歌は、新聞を読んでいればなんとかなって楽なんだそうです。

小堀「硬派なことって誰でも言いやすいんですよね」

泉谷「一番言い辛いのは普遍的なことですよね。考えるの大変でしょ。邪魔にならないように作んなきゃいけないし、メロディーは良くなきゃいけないし」

小堀「そして誰が聞いても、そうだって思えるものじゃないといけない」

泉谷「そうそう。そういうポピュラリティーなものを作れるっていうのは大した才能ですよ」

小堀「大した才能ですよ、泉谷さん」

泉谷「いやいや、そういう意識でやったわけじゃなくて、結果的にそうだっただけで、その時はとにかく締め切りに追われて(笑)」
 

泉谷しげるの歌をカバーする人たち

小堀「『春夏秋冬』はカバーしてる人いっぱいでしょ」

泉谷「ありがたいことにね。えーと、みんなの曲をどう作れるかですよね。自分の歌だってことを主張しちゃうと、本当に狭くなっちゃう。
歌はみんなのものですから。俺は作る担当です」

小堀「『おー脳!!!』はあんまりカバーする人いないですか?」

泉谷「みんな面白がってますよ」

表立ったところではせず裏でやっているそうです。

小堀「危ないんだけど、本当のことだっていうのがおかしいですよね」

泉谷「まあ放送禁止ですからね。社会批判もユーモアを混ぜると、もつかなあと思いますね」
 

泉谷しげるを目指すな

小堀「泉谷さんの持ってる強面の部分と優しさってすごいですよね。両方同じだけ大きいです」

泉谷「自分らはエンタメを選んでるのは全部できるからで。エンタメというのは社会批判、恋愛、アクション、友情ものまでできるわけじゃないですか」

言い過ぎてもエンタメだから、で笑っておしまいなんだそうです。

泉谷「やっぱり普遍的な楽しさ。歌が少しでもその人のものになって欲しいという思いです。自分らはとにかく元気を見せつけていかなきゃいけない、元気であることが一番」

やたらと元気な泉谷さん。

小堀「若い人も、ああいうヤバいオヤジになりたいなあって思ってますよ」

泉谷「できればマネしない方がよろしいかと思う。ハチャメチャなんで。どうか、皆さん自分自身になって下さい。ホントに」
 

恵まれた時代にいた

泉谷「たまたま自分は恵まれた時代にいたんじゃないかと思うんですよね。競争相手がいっぱいいたので」

小堀「群雄割拠してすごい時代でしたね」

泉谷さんは1971年にデビュー。フォーク全盛であり、ロックが試行錯誤していた時代でもありました。

泉谷「個性が凄い。だから生半可じゃ抜けきれなかった」

競争原理でふるいにかけられ、負けていった人の方が大多数。

泉谷「だから基本的に自分の歌は敗北者の歌なんですね。負けた人の歌が多いんですよ。それで、ちょっとすねて。だけど、ずっとすねてるわけにはいかないから、なんとか立ち上がっていこうというのがテーマなんですね」
 

敗北者の味方

泉谷「そういう負けた男の味方がいなさ過ぎたんでね、だからキャラクター的に自分の役割りかなって」

小堀「負けた人は、ハイさよなら。それじゃダメでしょ」

泉谷「終わっちゃうからね。大概のやつは女にモテたいから歌をやってるわけだけど、破れた男たちはどうするんだよ?っていうとこですよ」

嘘かホントか、負けた男たちの人気を取って、泉谷さんはなんとか味方にしようとしたそうです。この辺が泉谷さんらしい照れ隠し?

泉谷「だから、女性ファンがどんどん少なくなってたっていうね(笑)」
 

一生の仕事

泉谷「日本人の特有である弱くてせこくて、みみっちいところも多々あるんだけど、でも、それだからコロナもこの辺で済んだんだと俺は思うのさ」

むしろ弱さ、せこさ、臆病でビビり、それらを自慢にした方がいいと主張しました。

泉谷「だって下手に英雄なんて、どこ連れてくかわかんない。英雄はどこまでも行っちゃうから。
そうじゃなくて、普通のしょっちゅう負けてしまうダメな男でいいじゃないか。だけど、たまに強くなろうよね。フフフフ」

泉谷さんの歌はそんな男たちのための歌。

泉谷「ここだけは勝とうよみたいなね。それでいいんじゃないかと思うんですよ。そんな自分のテーマを見つけた時に、ああ、これは一生やらなきゃいかん仕事だなあと思いましたね」
 

元気を見せつけたい

小堀「ラジオ聞いてる人はものすごく元気が出たと思います」

泉谷「そうだと思います。信じらんない元気を見せつけたいですね(笑)」

小堀「いつもステージ見て唖然とします」

泉谷「びっくりさせたいですね。これイメージダウンなんだけど顔色いいんですよ。でも内緒ですよ。顔色の良い泉谷しげるなんて見たくないだろうからね」

小堀「ホントはエステに行ってたりして」

泉谷「行ってねえよ!汗いっぱいかいてるだけですよ」

歌う時は体力を使うため、普段から鍛えているそうです。しかし大々的に鍛えるのではなく何気なく鍛えるんだとか。
身体のキレが悪くなると声が出なくなるということです。

小堀「実はみなさん、泉谷しげるさんは美肌の男子です」

「ここはカットしろ!」と暴れる泉谷しげるさんでした。これはお約束の展開です。 
(尾関)
 
小堀勝啓の新栄トークジャンボリー
この記事をで聴く

2022年04月03日10時27分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報