ドラ魂キング

3人の中日OBが語る!根尾昂・2023年の真価

まもなくプロ野球はキャンプイン。昨シーズンを最下位で終えた中日ドラゴンズには、熱い支援と厳しい視点の両方が注がれています。

CBCラジオ『ドラ魂キング』では、今シーズンの根尾昂選手について、中日OBである吉見一起さん、岩瀬仁紀さん、今中慎二さん、3人の解説者が分析しました。

水曜パーソナリティの宮部和裕アナウンサーが、本気で根尾選手を想う3人の言葉について執筆します。

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吉見一起はこう見る

「読谷から這い上がる!と、まさに根尾本人が言っていた通りですね」

1月18日夕方6時過ぎ、久野静香さんとわたくし宮部の『ドラ魂キング』水曜にスタジオご出演いただいた吉見一起さんの言葉だ。

来月から約1ヶ月に渡る沖縄キャンプにおいて、一軍主体の北谷ではなく、若手主体の読谷でのスタートが正式発表されたのを受けて。
吉見さんは、今季から先発転向を目指す根尾投手にリアルなエールを続けた。
 

読谷から這い上がる

吉見「これで気を落とさないこと。どちらの球場でもやるべきことはたくさんあります。

ただ彼は、マウンドの後ろから見ていると、フォークボールをしっかり叩いてリリースできています。打ちにくいボールに見えます。
今後は、打者目線で、それを求めていかないといけません。それと何より、まずはストレートがあってのこと。

いいじゃないですか、読谷から這い上がるって。とにかく、大事な体力と経験をね。こればっかりは投げ続けてこそ。

それができれば、一軍への推薦をもらえる。そうなれば、先発ローテーションに入って、ホーム開幕カードの2・3戦目ということも!」

根尾投手が自覚しているであろう段階を改めて語ってくれた吉見さんです。

岩瀬仁紀はこう見る

同じくドラゴンズのレジェンド岩瀬仁紀さんは、12日のオンエアで根尾投手についてこう語った。

木曜担当の高田寛之アナと三浦優奈さんの質問に対し…

岩瀬「投球フォームの軸というのは、作るものではなく、自ずとできるものなんです。ただし、身体に負担をかけ過ぎない、ケガをしないこと。かつそれが、相手打者がタイミングを取りづらいものじゃないと、試合では意味がない」

さらにこう付け加える。

岩瀬「その軸ができた上で、勝ち試合に責任を果たさないと、投手としての意味がない。今期からはね。彼の居場所は、先発しかないつもりでいかないと。状況は切羽詰まってます」

根尾投手のポテンシャルと野球脳を評価しているからの言葉だ。

今中慎二はこう見る

また、『根尾昂を周りがグイグイ持ち上げるから。もっと厳しさを知らないと』と激を送るのは、今中慎二大先輩。

ドラゴンズの元エース、孤高のサウスポー今中慎二さんが甲子園を目指し、汗を流した大阪産業大高校大東校舎。現在の大阪桐蔭高校。根尾は直接的な後輩にあたる。
だから、入団時から敢えて厳しめ。根尾本人の自覚は重々わかった上で、11日の『ドラ魂キング』水曜オンエアで、久野静香さんと私宮部の振りに答えてくれた。

今中「昨シーズン途中、投手転向を聞いた時は、正直びっくりしましたよ。おっという感じ」

今中さんにとってその驚きというのは、「外野手から遊撃手に戻らずに、投手転向したことが」と。

今中「150キロ投げられる魅力はわかるよ。ただ、昨年は、まだ何か、野手に未練があったような…根尾の言葉、動きからまだ何かね。ベンチでの仕草が野手っぽい。
スリーチェンジに抑えて、仲間を迎える時の所作ね。無意識なんだろうけど、野手が抜けていない。
正直、ショートを守ってからでも遅くなかったような。やり切ってからでも良かったのでは」

これは、根尾投手への期待値とは別物で、わかる者にはわかるリアルなものなのだろう。

確かにシーズン中、現首脳陣の落合英二ヘッド兼任や大塚晶文投手コーチも、試合のない月曜などに、投手としての所作を事細かに本人に伝えていた。
では、今中先輩はなぜ今、一旦、時を戻したのか?

今中「まだまだ上を目指さないといけないから。去年のままのレベルでは、プロで長く持たないよ」

では、今季、先発投手を目指す上で何が必要か。

今中「球種なんて増やさなくてイイ。コントロールとストレートの質。150キロ出ても、打者が真っすぐを狙ってもバットに当たらない球。スピンの効いたね。
未練なく、投手一本でいくなら、それを示さないと。まだまだ足りないね。ピッチャーは、最後はストレート」

さすが、現役時代、ほぼ直球とカーブだけで、毎回奪三振完投勝利など数々の記録を打ち立て、最多勝・沢村賞に輝いた大エースの言葉。
 

先発の方が向いている

「それとね」と今中さん。

今中「根尾は、先発の方が向いてるね。そもそもリリーフの準備は大変。先発はスタミナが要る?って。世間で言われるスタミナなんて投げてるうちに勝手に付いてくる。現役時代、自分もよく叩かれました。細めの体型だからどうとか。根尾なら、投げられます。

ただ、球数どうこうではなく、いやらしいバッターが粘ってくる。それに対する根気とメリハリが必要。そこだけ」

まさに今、自主トレ中の根尾昂投手本人も、「モデルチェンジというか、再現性は高まってきているかなと。身体の軸を意識して、ボールの質とかを見てもらえれば、変わっているのかと思います」と、内なる手応えと言語化のアウトプット、共にますます明解。

さあ、レジェンドお三方の期待を受け、新ユニフォーム姿での先発投手での所作が楽しみだ。燃えよ!ドラゴンズ!
(宮部和裕)
 
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