月曜日のCBCラジオ『ドラ魂キング』は、元中日ドラゴンズ捕手で野球解説者の中村武志さんが、ダイノジの大谷ノブ彦、加藤里奈とドラゴンズについて語ります。
12月5日の放送では、新加入のアリスティデス・アキーノ・ヌニェス選手に関するおたよりが多数寄せられました。
あっちのタケシはこう言った
「アキーノ選手の動画を見ると、弱点は外角だと思います。内角はほとんど攻めずに外角中心の攻めが多く見られました。
ただ、甘く入ってきてホームランもありますし、ボール3個分外れても平気でホームランもあります。素人の見方ですが」(Aさん)
「牛島和彦さんは、投手の立場ではアウトコースのボールから入ると話していました。キャッチャーの視点から見る、三振の多い外国人選手の攻め方を教えてください」(Bさん)
大谷「アキーノ選手、一発はすごく大きいの打つんですけど、スライダーが打てないんじゃないかと、違うタケシさんが違う番組で言ってましたね」
中村「そのタケシさんも、結構空振りしてましたけどね。でも、それを見事克服しましたよね」
「違うタケシさん」とは中日、オリックス、楽天の3球団で活躍した山崎武司さんのこと。
史上3人目のセ・パ両リーグでのホームラン王達成者です。
セットメニュー
長打を期待されるアキーノ選手ですが、中村さん曰く、外国人選手が日本で成功する条件は「ボール球を打たないこと」なんだとか。
中村「長打力があってホームランを打てる打者は、空振りはセットです。カツ丼にラーメンみたいなもんです」
中村さん独特の例えです。しかも、すごいボリューム。
それだけ振るからこそボールが遠くへ飛ぶので、ある程度三振には目をつぶらないといけないそうです。
苦手はアウトコースのスライダーのようですが、それを修正できると踏んで立浪監督は取ったはずという中村さん。
中村「日本では変化球が多くなってくるので、日本の配球に早く慣れないとね。いくらもりもり力があっても、ボールにバットが当たらないとしょうがないのでね」
守備がいいと言うけれど
大谷「二つの視点で質問です。自分が指導者としたらアキーノに何を教えるか?もう一つは、敵だとしたらどういうリードをするか?」
中村「アキーノに教えることは、まず守備ですね。僕はバッティングの人じゃないので」
大谷は中村さんイジリで「守備の人・中村武志」と、よく言っています。
大谷「結構根に持ってんだな、オイ(笑)。アキーノ選手は、めちゃくちゃ守備いいらしいですよ」
中村「OBの人と顔を合わすことが多いんですけど、みんな、とりあえず言うのは守備。でもそこじゃないでしょ、と」
アキーノ選手は、ホームランを期待して獲得した選手と主張する中村さんです。
中村武志ならどう教える?
中村さんが敵なら、アウトコースに投げ、インコースに速いボールを見せたりして、またアウトコースの変化球に戻る攻め方をするそうですが、どう教えるのでしょう?
中村「僕だったら、教える前にたくさん経験させます」
オープン戦、打席に立たせて結果が出ればよし。そして結果が出ない時には、自分から「日本の野球を教えてくれ」と言ってくるまで我慢するそうです。これは相手のプライドを考慮してのこと。
中村「打てないからと言って、頭ごなしにワーッて言うと、結局パニクる。こどもじゃないですけど、野球が嫌いになっちゃいますからね。となると、いいものがあっても進歩しない」
どこまで我慢できる?
元中日ドラゴンズのゲーリー・ルイス・レーシッチさん、アロンゾ・シドニー・パウエルさんなど、日本の選手にアドバイスを貰ってよくなったケースもあるそうです。
中村「選手同士って本音で野球の話ができるじゃないですか。そこでヒントを得ていた外国人も、僕の時代はいましたよ。ただ、僕にバッティングを聞きに来た外国人は一人もいなかった」
ちょっと声が小さくなる中村さん。逆に中村さんが「ヘイ、パウエル」と聞きに行ったそうですが。
中村「冗談ではなくて、向こうから来るまで、どこまでこっちサイドが我慢できるかですよ。すぐ手を差し伸べるんじゃなくて」
大谷「立浪さん聞いてますか?我慢しなきゃダメですよ」
「教え魔」とも言われる立浪監督。アキーノ選手が活躍するかしないかは、立浪監督が我慢できるかにかかっているのかもしれません。
(尾関)
ドラ魂キング
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2022年12月05日17時04分~抜粋