元中日ドラゴンズ投手で野球解説者の川上憲伸さんが、2月24日放送のCBCラジオ『ドラ魂キング』に出演しました。
いよいよプロ野球のオープン戦が始まりますが、ファンはチームの勝敗、選手の打率、防御率ばかりに目が行きがち。
オープン戦のどこに注目すれば楽しく見られるのかを川上さんがレクチャーしてくれます。
立浪色はどんな色?
川上「まずは監督がどういう野球をしていくのかが楽しみですね」
川上さんは「新人監督」という部分に注目。
例えばロッテの井口監督が就任した時は、アウトになってもどの選手も盗塁してくるので、意味なく走るなあと思ったそうです。
しかし、これは「走る野球」を目的としてやっていることなんだとか。
川上「例えば監督の特徴を出していくっていうオープン戦もあると思うんですよね。まず監督の色に注目したくなりますよね」
大野、柳はどうでもいい
もう一つ、憲伸さんが注目するのはやはりピッチャー。ドラゴンズの場合はどうでしょう?
川上「柳、大野はどうでもいいですよ。打たれようが何しようが関係ない。というのは、彼らは課題を持ってもいいからなんですよ」
例えば大野投手、ツーシームが得意ですが、あえてツーシームなしで一試合投げてみるとか。
川上さんもスローカーブとストレートだけで、どれだけ抑えられるかやってみたことがあったそうです。
川上「そりゃ打たれますよ。でも中盤や終盤になって来た時に、ピッチャーは球種バレバレで困る時があるんですよ。そういう時、どうやってやりくりしていくかの勉強になるんです」
オープン戦は全力じゃない
川上「例えば大野がスライダーゼロで投げてても、僕らやファンは知らないから見極められないですよ」
しかも大野投手が「今日はスライダーゼロで投げます」ともわざわざ宣言するはずもありません。
川上「投げてる課題が何かを知らないのに、打たれてしまって大丈夫か?って言うのはおかしいですよね。
大野投手も柳投手も、オープン戦は全力でいかないですよ。シーズンの方が大事ですから」
ローテーション入りを目指す選手や新人は、オープン戦といえども結果を求めていくピッチングになるんだそうです。
オープン戦は投手別に深読みしながら見ると、面白く見られそうです。
セカンド、サード問題
川上「今のドラゴンズで僕が一番興味があるのは、誰がセカンドとサードを守るのか?それとクリーンナップ。
クリーンナップ探しはオープン戦の最初しかできない。最後までああだこうだなんてやってられません」
今のところの沖縄キャンプの様子だと、セカンド高橋周平選手、サード石川昂弥選手でオープン戦に入りそうです。
川上「問題は、セカンド高橋周平が球際を捕れない、抜けていく、ダブルプレーもあんまりできないとなって来た時に、普通にどうするか?ですよね」
絶対やめた方がいいポジション
守備力を上げるために、セカンドとサードを入れ替えるという方法も…。
「石川をセカンドは絶対やめた方がいいと思います。もともとセカンドがすごく巧い選手だったら別ですけど、育てないかん石川君にはある程度サードを与えてあげないと」
セカンドは足首などに負担がかかるポジションだそうです。
そうなると、バッティングに力が入らない可能性もあり、本来の石川選手の良さが出なくなる恐れもあるんだとか。
ちなみに去年、打点王を争った巨人の岡本選手とヤクルトの村上選手はサードのポジションを与えられていました。
いい癖をつけたい
川上「石川選手を育てるために、苦しまなきゃいけないのは高橋周平選手ですよね」
高橋周平選手はセカンドもサードも両方経験していてクリアしてることもあり、今季は打撃アップを期待する川上さん。
川上「石川がサードで打てないんであればファームですね。セカンドにするのは厳しいと思いますね。このセカンド、サードは楽しみですねえ」
最後にチーム全体については…
川上「勝ち癖がなかったドラゴンズですから、オープン戦は負けてもいいというわけにはいかないと思うんですよ。
勝って気持ちよく次の日に向かって行く"いい癖"を、オープン戦から養っていかなきゃいけない」
これらを踏まえてオープン戦を観ると、今季の戦いが楽しくなりそうですね。
(尾関)
ドラ魂キング
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2022年02月24日18時21分~抜粋