10月26日放送の『ドラ魂キング』では、映画『老後の資金がありません』で主演を務める女優・天海祐希さんのインタビューを行いました。
今週は、「映画のオファーを受けたときの心境」や「主婦を演じた感想」などについて伺った、インタビューの前半部分を放送。聞き手は加藤由香アナウンサーです。
「老後2,000万円問題」に驚愕
10月30日(土)に公開となる『老後の資金がありません』は、垣谷美雨さんのベストセラー小説を映画化したもの。
子育ても落ち着き、堅実に貯金をしていた平凡な主婦・後藤篤子(天海祐希さん)は、派手婚をした娘や、高級志向の姑に振り回されて、資産の激減に悩むようになります。
これは、そんなトラブルに負けず、老後の安泰を得るために奮闘する篤子と、その家族を描いた作品です。
この映画のオファーを受けた時、天海さんはちょうど「老後に2,000万円が必要」というニュースを見ていたといいます。
天海さん「2,000万円って、きっちりと金額が出たのも初めてだし。ニュースを見ながら驚いていたところに、このお話をいただいたので。なんてタイムリーな、と思って」
「私でいいのかな?」
この映画で、ごく普通の主婦を演じている天海さん。
この"ごく普通の"という言葉について、天海さんは「主婦の方って普通じゃないと思うんですよね」と語ります。
天海さん「本当に大変なことだし、私じゃもう1週間ももたないと思うんですけど」
これまで、刑事、学校の先生、弁護士、医師など、いろいろな職業を演じてきた天海さんですが、自ら「主婦はもっともそぐわない」と分析します。
天海さん「そんな大変なことができそうにない私を選んでいただけて。私でいいのかな? なんて思ったんですけど。プロデューサーさんの方から、『私の困る顔を見たい』というお話をいただいて。あっ、そういうことで選んでいただいたんだなって」
主婦は「器が大きくて愛情が深い」
台本を読むと、「本当に周りに振り回される役で」と天海さん。
天海さん「怒ったり、ホロッと来たり、でもクスクスおかしかったり、最後はなんとなくハッピーになれて。あー素敵なお話だなと思って。ぜひぜひやらせてくださいってお答えしました」
実際に普通の主婦を演じてみて。
天海さん「"普通"の主婦って形容されますけど。自分のことよりもまず家庭のこと、お子さんのこと、それから親御さんのこと、ご主人のことって。自分を一番最後に回してらっしゃるじゃないですか、どのお母さんもね。ご家庭の主婦の方も。それって、器が大きくないときっと無理だな。器が大きくて、愛情が深くないと」
天海さんは、言葉を選びながらも「主婦は自分を犠牲にしているところがあるじゃないですか。本当に忍耐強くないと無理だなと思うから。本当に大変なことだと思いますよね」と繰り返します。
お金がどんどんどんどん出ていく
実際に映画を観て「本当のご家族のようなやりとりが多かった。ご夫婦役の松重(豊)さんと息ピッタリでしたね」と感想を述べる加藤に、「あー!ありがとうございます!」と、うれしそうな天海さん。
天海さん「松重さんの度量が大きいので、どんなお芝居をしてもボンと受け止めてくださるから。遠慮なく、ぶつかっていけました。新川(優愛)さんも瀬戸(利樹)君も、丁寧にご自分の役を作ってきてくださっているので。4人揃うと、なんとなーくいい感じの家族"風"を作れたんじゃないかなと思ってます」
そんな家族に、次々と波乱の展開が巻き起こります。
天海さん「 草笛(光子)さん演じる義理のお母さんとかですね。義理のお父さんのお葬式から始まっちゃうんですけど。そこでお金がどんどんどんどん出ていく」
人生勉強に。若い方もぜひ
加藤は、この映画を観て老後に出ていくお金と、老後資金の必要性がわかったといいます。
天海さん「生活していくだけではなくて、老後に向かっていく道すがら、こういうことが起るよっていうのを、すごく楽しく、明るめに観ていただけると思うので。とても人生の勉強になると。お若い方もぜひ観ていただけたら」
「深刻なテーマなので、目をそむけたくはなってしまうんですけど。この映画を通してだと、『自分もできるかもしれない』とか『こういう考え方があるんだな』と前向きにとらえることができる」という加藤の言葉に、「あっうれしいな。うれしい!」と喜ぶ天海さんでした。
(minto)
ドラ魂キング
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2021年10月26日17時11分~抜粋