日本で基本とされる調味料といえば、「さ(砂糖)・し(塩)・す(酢)・せ(醤油)そ(味噌)」が基本。
反面、世界に目を向けると本当にたくさんの調味料があります。予想外の味付けができることもあり、近年は多様なものが販売されています。
7月27日放送の『ドラ魂キング』「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」のコーナーでは、魚醤(ぎょしょう)について紹介されました。
魚醤とは
魚醤について説明する加藤由香アナウンサー。
加藤「魚醤は、魚などの魚介類を塩に漬け込んで発酵させた調味料です」
魚醤といえば、海外ではタイのナンプラーやベトナムのニュクマム、日本では石川県のいしる(いしり)や秋田県のしょっつるが知られています。
高田寛之アナウンサーも「あー、そうですよね」と郷土料理を思い出したようで、相槌を打っています。
愛知県の南知多町でも、実は魚醤が作られているんだとか。
気になる魚醤の名前は「しこの露(つゆ)」といいます。
「しこ」ってどういう意味?
「しこ」と聞くと、四股(相撲の力士が土俵上で片足を高くあげ,強く地を踏む所作)を想像してしまいそうですが、南知多町周辺の豊浜では「カタクチイワシ」という意味の方言です。他にも「ししこ」「ひしこ」とも言うそうです。
知らなかった高田は、「そんな風に言うんですね」と驚きます。
加藤「しこから作った魚の醤油なので『しこの露』って名付けたそうですよ」
高田「なるほど、そういうことなんですね」
商品名の由来を聞いて「知らなかった」とコメントした高田。
確かに「しこ」と聞いても、方言を日常的に話す地元の方でないとピンと来ないかもしれませんね。
イワシの種類
イワシと言うと、通常はマイワシ・ウルメイワシ・カタクチイワシの3つがあります。
この中で一番小さいサイズがカタクチイワシ。
シラスやメザシ・煮干しの原料になっています。
刺身で食べると美味しいのですが、鮮度が落ちやすく、刺身として食べることは難しいのです。鮮度の関係から取り扱いが難しく、水揚げしたカタクチイワシの多くは肥料や養殖魚のエサにされているのが現実です。
南知多町の豊浜漁港は、愛知県で一番水揚げ量がある漁港ですが、カタクチイワシは年間4,000トンもの水揚げ量があるそうです。
この大量のカタクチイワシを活かすのがこの魚醤なのです。
気になるお味は?
実際に商品を持ち込んだ加藤。高田が味見をすることになり、まずは香りを嗅いでみます。
高田「これは魚の香りがすごいですね。ぷんぷん香っています。味は…そんなにクセはありませんね」
一度使うとハマってしまう人も多いそう。原材料もカタクチイワシと塩だけの無添加な魚醤。
気になるのは使い道です。やはり用途が広くないと二の足を踏んでしまいます。
刺身につけて食べることもできますが、意外な使い道は炒飯。香ばしさと魚のコクや旨味が出て美味しくなるんだとか。
他にも卵焼きに少し入れてみると風味が変わって美味しいとの説明に、高田も「加熱するとまた違った味になりそうですね」と興味津々です。
加藤「卵スープの味付けにも使えるそうですよ。隠し味として使えます」
予想外の説明に「風味付けですか、いいかもしれない」と納得する高田。
日本の魚醤は、クセがあるものも多く使い勝手が悪いと思いがち。カタクチイワシを原料にしたこの魚醤は低カロリー・ミネラル豊富でよさそうですが塩分は高め。お酒好きにはもってこいかもしれませんが、摂取はほどほどがよさそうです。
たくさん獲れるのに、活用が難しいカタクチイワシを使った魚醤の紹介でした。
(葉月智世)
ドラ魂キング
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2021年07月27日17時10分~抜粋