昔と比べてほとんど値上がりしないことから、「物価の優等生」といわれているのが卵。
しかし最近、卵の値段がどんどん上がってきていて、全国の食卓を直撃しています。
スーパーの店頭で、「卵の値段が上がったな」と実感されている方も多いと思いますが、いったいなぜ今、値上がりしているのでしょうか。
6月29日放送の『ドラ魂キング』では、CBC論説室の北辻利寿特別解説委員が、卵の価格高騰について解説しました。
卵の生産量が減っている
JA全農のまとめによれば、名古屋地区はMサイズの基準値は、6月としては1kgあたり260円で、昨日は高値で280円を記録。
半年前の1月は140円だったため、2倍になることもある状況です。
昨年の6月は165円で一昨年は156円ということですので、一気に上がった印象があります。
実は今年の春先ぐらいから値上がりの兆候があったのですが、北辻は原因が2つあるといいます。
1つ目は全国的に鳥インフルエンザの流行で、2020年度は18件、52か所で発生。
東海地区でも今年、美濃加茂市で発生しましたが、この件数は過去最多。
採卵鶏と呼ばれるニワトリが全国で5%もの数、処分されてしまったため、例年よりも卵の数が減ってしまい、市場に影響を及ぼしているというわけです。
卵を食べる機会は増えている?
卵が値上がりしているもう1つの理由は、卵の消費量が増えているということ。
総務省統計局の家計調査結果によりますと、今年1月の卵の購入量が前年同月比で14.6%の増加。
1世帯あたりで1か月にかける卵へのお金が、昨年が700円台だったのが、今年は800円台に乗っているそうです。
加藤由香アナウンサー「家でお菓子を作る人も増えてるし、うちも卵はいつもより減ってる感じがありますね」
北辻「『うちで』ってことは、新型コロナ感染拡大で外出自粛が続いてて、おうちごはんとか、うちでの活動が増えていて、卵を使う機会、食べる機会が増えてるということらしいですね。
実際、うちも卵かけごはんを食べる機会が増えてるなって感じがするんですけどね」
あまり外食で卵かけごはんを食べることはないかもしれませんので、より卵を使う機会は増えているのかもしれません。
価格はいつ落ち着く?
卵の生産量は減っている一方で、卵の需要は増えているという2つの理由が合わさっていることで、卵の値上がりにつながっているというわけですね。
では、この値上がりはいつごろ収まりそうなのでしょうか。
北辻「ひよこが成長して卵を産むまでは、だいたい5か月ぐらいかかる。
今、一生懸命ひよこを育ててると思うんですけど、やっぱり半年ぐらいは値上がりが続くのではないかと。
秋が深まってくると、鍋の季節になってきますね。そうすると、卵雑炊とか食べたいじゃないですか。
なんとかこの頃には間に合ってくれるかと思うんですけど、しばらくは卵の高騰が続くと」
北辻の願望も若干入りましたが、卵が安くなるために、ひよこにもがんばってもらわないといけないですし、鳥インフルエンザが広がらないように願うばかりです。
(岡本)
ドラ魂キング
この記事をで聴く
2021年06月29日16時43分~抜粋