5月20日午後、名古屋市港区で28歳の男が自宅マンションに立てこもりました。3時間後、容疑者は警察の説得に応じて部屋からでてきたところを逮捕されました。
容疑は父親の肩を手でつかんで揺さぶるなどの暴行を加えた疑いです。
この事件の取材に向かったCBCの西村俊仁アナウンサーが、翌21日の『ドラ魂キング』でこの中継の舞台裏を語ります。
聞き手は柳沢彩美アナウンサーです。
取材アナが語る、名古屋の立てこもり事件中継の舞台裏
立てこもり事件発生
西村アナは前日、ちょうどこの『ドラ魂キング』が放送されている午後4時頃、ニュース読みを終えてから取材に行くよう命じられます。
事件が発生した時は、その時点で仕事に余裕がある人、もしくは勤務が何もない人が、現場に向かわされます。
西村「アナウンスデスクの高田(寛之)アナから、『西村行ってくれ。頼んだ、じゃあ』みたいな電話を貰ったんです」
柳沢「高田さんが、もうすでに現場にいるような臨場感ですけど…」
取り組みの終わった関取のようにも聞こえる高田寛之アナウンサーの真似に、微妙な反応の柳沢アナ。
事件は発生から3時間で決着し、幸い怪我人もいませんでした。
事件が発生した時は、その時点で仕事に余裕がある人、もしくは勤務が何もない人が、現場に向かわされます。
西村「アナウンスデスクの高田(寛之)アナから、『西村行ってくれ。頼んだ、じゃあ』みたいな電話を貰ったんです」
柳沢「高田さんが、もうすでに現場にいるような臨場感ですけど…」
取り組みの終わった関取のようにも聞こえる高田寛之アナウンサーの真似に、微妙な反応の柳沢アナ。
事件は発生から3時間で決着し、幸い怪我人もいませんでした。
事件は常に動いている
西村「行く前もそうですけど、実際、現場行ってからも、ああいう中継って本当にバタバタです」
現地には先行したCBCテレビの取材班。さらにはマスコミ各社の報道記者が多数。そこに入っていった西村アナ。
いざ中継するとなると、前線として決めたポイントが少しずつズレていったそうです。
理由は、事件が進展するにつれて警察の規制線も動いていくから。
中継準備中、急に「そこダメです。下がって」と言われることもあったんだとか。
現地には先行したCBCテレビの取材班。さらにはマスコミ各社の報道記者が多数。そこに入っていった西村アナ。
いざ中継するとなると、前線として決めたポイントが少しずつズレていったそうです。
理由は、事件が進展するにつれて警察の規制線も動いていくから。
中継準備中、急に「そこダメです。下がって」と言われることもあったんだとか。
こんな織田裕二はイヤだ
柳沢「だって事件は、止まってるわけじゃなくて動いてるわけですよね?」
西村「そうなんですよ。事件は現場で起きてるんですよ」
柳沢「お?」
西村「会議室じゃないんですよ」
柳沢「はい。ちょっと織田裕二さんに寄せて…ないな」
西村「『事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ』」
柳沢「織田裕二、そんなんじゃないと思う」
「こんな織田裕二はイヤだ」状態。柳沢アナもきっぱりと拒否しました。
西村「そうなんですよ。事件は現場で起きてるんですよ」
柳沢「お?」
西村「会議室じゃないんですよ」
柳沢「はい。ちょっと織田裕二さんに寄せて…ないな」
西村「『事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ』」
柳沢「織田裕二、そんなんじゃないと思う」
「こんな織田裕二はイヤだ」状態。柳沢アナもきっぱりと拒否しました。
思わぬところにコロナの影響
目の前の出来事は刻々と変わり情報も錯綜。中継するしないもギリギリまで決まらない状況。
西村「そんな中で、スポーツアナウンサーって『できるよね』っていう、変な期待を皆さんに持たれているんです」
柳沢「野球の実況をしてますから、情景描写はお手の物」
しかしこのコロナ禍の中、スポーツアナたちは野球をはじめ、スポーツ野球中継から遠ざかっています。そのことを思い知る西村アナ。
西村「こんなところにコロナの影響が出るのかと思いました」
西村「そんな中で、スポーツアナウンサーって『できるよね』っていう、変な期待を皆さんに持たれているんです」
柳沢「野球の実況をしてますから、情景描写はお手の物」
しかしこのコロナ禍の中、スポーツアナたちは野球をはじめ、スポーツ野球中継から遠ざかっています。そのことを思い知る西村アナ。
西村「こんなところにコロナの影響が出るのかと思いました」
久しぶりの「生」
事件中継の時は、あらかじめしゃべる内容は決めておきますが、ニュースを読む時のような原稿はありません。
内容がまとまらずに、中継の時間が来てしまうと、その場の様子を話すだけの"雑感"になってしまうこともあります。
西村「すごい緊張感とドキドキ感の中で、久しぶりに『生』やったなっていう感想です。刻々と変わるものをしゃべるのは本当にと久しぶりで」
ふと「野球実況していればなぁ」と考えたそうです。
内容がまとまらずに、中継の時間が来てしまうと、その場の様子を話すだけの"雑感"になってしまうこともあります。
西村「すごい緊張感とドキドキ感の中で、久しぶりに『生』やったなっていう感想です。刻々と変わるものをしゃべるのは本当にと久しぶりで」
ふと「野球実況していればなぁ」と考えたそうです。
この時も西村だった
この中継を命じられた時、西村アナの脳裏によぎった事件がありました。
西村「パッと甦ったのが、2007年に長久手町で起きた立てこもり事件です」
今から13年前のこと。
2007年(平成19年)5月17日から5月18日にかけ、愛知郡長久手町(現・長久手市)で、元暴力団組員の男が元妻を人質にとり、民家に立てこもりました。
男の発砲により、愛知県警の警察官1人が殉職、男の妻子と警察官1人が負傷しました。
実はこの時も、現場に呼ばれたのは西村アナでした。
当時、西村アナは入社4年目の27歳、野球実況でデビューする前でした。
ナゴヤドームで実況の練習をして戻って来た直後に、声がかかったそうです。
西村「パッと甦ったのが、2007年に長久手町で起きた立てこもり事件です」
今から13年前のこと。
2007年(平成19年)5月17日から5月18日にかけ、愛知郡長久手町(現・長久手市)で、元暴力団組員の男が元妻を人質にとり、民家に立てこもりました。
男の発砲により、愛知県警の警察官1人が殉職、男の妻子と警察官1人が負傷しました。
実はこの時も、現場に呼ばれたのは西村アナでした。
当時、西村アナは入社4年目の27歳、野球実況でデビューする前でした。
ナゴヤドームで実況の練習をして戻って来た直後に、声がかかったそうです。
日常に戻る
そんな話から、この日のメッセージテーマは「ふと思い出したこと」に決まりました。
柳沢アナが、ふと思い出したことは…。
柳沢「お肉解凍したの忘れてて3日経ってたとか。結構忘れるんですよ」
西村「それはあかんやろ。賞味期限問題になる。そういうことは許さないよ」
柳沢「出た!冷蔵庫警察」
西村「賞味期限は絶対に守らなければいけない。事件は会議室で起こっているんじゃない」
柳沢「全体的に今日は、踊る大捜査線テイストなのかな」
西村「なんとなく、昨日の記憶をまだ引きずってるんだよね。そういう最前線にいたから」
すっかり緩い日常に戻った西村アナと、緩い日常の延長の柳沢アナでした。
(尾関)
柳沢アナが、ふと思い出したことは…。
柳沢「お肉解凍したの忘れてて3日経ってたとか。結構忘れるんですよ」
西村「それはあかんやろ。賞味期限問題になる。そういうことは許さないよ」
柳沢「出た!冷蔵庫警察」
西村「賞味期限は絶対に守らなければいけない。事件は会議室で起こっているんじゃない」
柳沢「全体的に今日は、踊る大捜査線テイストなのかな」
西村「なんとなく、昨日の記憶をまだ引きずってるんだよね。そういう最前線にいたから」
すっかり緩い日常に戻った西村アナと、緩い日常の延長の柳沢アナでした。
(尾関)
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