ドラ魂キング

大谷翔平選手ついに今季初安打!待望の投手復帰はいつ?

「大谷翔平選手、復帰初安打が出ましたね。もう完全復活の兆しです。ピッチャー・大谷翔平も早く見たいです」

5月10日放送の「ドラ魂キング」には、リスナーAさんから大谷翔平選手に関するこんなおたよりが寄せられました。

先日、復帰3戦目となるタイガース戦で、今季初安打を記録した大谷選手。
大谷選手が受けた「トミー・ジョン手術」について、そして投手復帰の時期について、CBCテレビ論説室の後藤克幸特別解説委員が解説しました。

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トミー・ジョン手術

昨年秋、通称「トミー・ジョン手術」といわれる、右ひじの人体再建手術を受けた大谷選手。

この「トミー・ジョン手術」は、初めてこの手術を受けた大リーグの投手、トミー・ジョンから名前が付いたものです。

ピッチャーがボールを投げる時は、ひじの靭帯に大きな負荷がかかります。

靭帯とは、関節で骨と骨をつないでいる、しなやかで強靭な繊維組織のこと。

疲労の蓄積で炎症して痛んでしまった靭帯に有効なのが、この「トミー・ジョン手術」というわけです。

これは、痛んだ靭帯を切り取って切除し、代わりに痛んだひじとは反対側の腕や足の腱などから健康な繊維組織を移植して、傷んだひじを再建するという治療法です。
 

必要ない腱が存在する理由

「反対側の腕や足とはいえ、健康な繊維組織を切り取っても大丈夫なんですか?」

こう質問する柳沢彩美アナに、後藤解説委員は、手が専門の整形外科の先生に聞いてたという話を披露します。

「実は日常生活に、健康な腱をとっても問題はないそうです。手や足の腱と呼ばれる組織の中には、日常生活の中で、なくても生活に影響がないものがあちこちにあるんだそうです。
それを切り取って、傷んだ靭帯の代わりに使うという治療をするだけ、ということなんですよ」

「なんで必要のない健がそもそも体にあるんですか?」と、まだまだ“はてなマーク”だらけの若狭敬一アナに、「人というのは進化してきた過程で、大昔には木の上で樹上生活をしていた」と後藤解説委員。

「その頃には、木から木へ渡り移って生活するために、必要だった筋肉や腱があったんですが。
地上に降りて狩猟生活、そして作物を作って農業を営むようになったり、文明化された時代に生きるようになった人類が、そういった進化の過程で、昔必要だった筋肉や腱が、今も形だけ残っているというものがあるんだそうです」

この話を聞いて、ようやく「そうなんですね!」と納得した様子の若狭アナと柳沢アナ。

10月ピッチャー復帰説

今回、打者として起用された大谷選手ですが、投手としての復帰はいつになるのでしょうか。

トミー・ジョン手術を受けた直後は、ひじが思うように動かなくなり、箸も持てないほど筋力も低下してしまいます。

さらにそこから選手として復帰するには、痛みと戦う辛いリハビリに1年近くもの間耐える、強い精神力が必要とされるのです。

打者はピッチャーのように肘の靭帯を使う運動があまりないため、今回大谷選手は、まずは打者としての復帰となりました。

今季はおそらく打者に専念するのではないかといわれている大谷選手。

ですがアメリカの報道では、エンジェルスのゼネラルマネージャーが「ブルペンで大谷が投げるのは9月頃かな。打者とピッチャーとして対決するのは10月頃」という見通しを語ったという情報も出ています。

手術を受けた日本人選手たち

実は、この「トミー・ジョン手術」を受けた日本人は今回の大谷選手以外にもたくさん存在しています。

マサカリ投法で有名な村田兆治さん、桑田真澄さん、ダルビッシュ有投手、吉見一起投手、そして昨年の秋にこの手術を受けて現在リハビリ中なのが、ドラゴンズの丸山泰資投手です。

ちょうどこの日、丸山投手にインタビューしてきたという若狭アナは、「今やっと30メートル投げられる状態」と、最新の情報を伝えました。

丸山投手は「ひじの痛みはまだ多少あります。まだ僕の場合は8か月なので、おそらく9月10月ぐらいに投げられるように本格的には、なると思います」と語っていたそうです。

「まさに大谷投手と同じスケジューリングですね」と若狭アナ。

投手としての復帰はどちらが先になるのか、気になるところです。

地道な努力が勲章

「トミー・ジョン手術」の由来になったトミー・ジョンが手術を受けたのは、1974年。

その後1年以上のリハビリを経て、3年後に大リーグ選手として復帰、そしてその年に17勝をあげるという華々しい復活劇がありました。

当時としては大変に実験的な手術でしたが、この成功を受けて一般的な治療として普及したのです。

「手術を受けて投手として復帰すると前より成績が良くなる」という噂が広がり、アメリカではケガをしていない投手がこの手術を受けて問題となった例もあるんだとか。

しかし専門医によると科学的な根拠は何もなく、復帰を目指して選手たちが一生懸命リハビリに取り組んだ効果が出て前よりも成績が上がる、メンタル面でも「がんばった」という気持ちが、好成績を後押ししているということのようです。

「アスリートは地道に努力するということが勲章であって、王道はないんじゃないですかね」

こうまとめた後藤解説委員でした。
(minto)
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2019年05月10日16時30分~抜粋

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