3月28日にマグニチュード7.7の大きな地震が発生した、東南アジアの国ミャンマー。
その被害の模様だけでなく、特殊詐欺グループの拠点があったことなどが、日本でも連日のように報道されています。
4月9日放送『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が、あらためてミャンマーとはどのような国なのか解説しました。
聞き手は永岡歩アナウンサーと三浦優奈です。
ミャンマーの現在の首都は?
ミャンマーはインドやバングラデシュの東側にある国。
かつては「ビルマ」と呼ばれていました。50代以上の方は、中井貴一さん主演の映画『ビルマの竪琴』(市川崑監督)を思い出されるのではないでしょうか。
昔はイギリスの植民地でしたが、第2次世界大戦中はイギリスと敵対していた日本が進攻してきましたが、戦後すぐにイギリスがまた占領したあと、1948年(昭和23年)にビルマとして独立しました。
ビルマだった当時は首都がラングーンでしたが、1989年に国名をミャンマーに変えた際、ヤンゴンに変えました。
さらに2006年には、ヤンゴンから北へ離れた場所のネピドーに首都が遷りました。
かつては「ビルマ」と呼ばれていました。50代以上の方は、中井貴一さん主演の映画『ビルマの竪琴』(市川崑監督)を思い出されるのではないでしょうか。
昔はイギリスの植民地でしたが、第2次世界大戦中はイギリスと敵対していた日本が進攻してきましたが、戦後すぐにイギリスがまた占領したあと、1948年(昭和23年)にビルマとして独立しました。
ビルマだった当時は首都がラングーンでしたが、1989年に国名をミャンマーに変えた際、ヤンゴンに変えました。
さらに2006年には、ヤンゴンから北へ離れた場所のネピドーに首都が遷りました。
ミャンマーの地理的な特性
ミャンマーの成り立ちについておさらいしたところで、現在のミャンマーを知るために石塚委員は3つのポイントを挙げました。
まずミャンマーの地理関係です。
西側にはインドがあり、北から東にかけては中国、西から南にかけてタイ、すぐ南にはインド洋があり、比較的大きな国が航行しているという特徴があります。
大昔、イギリスはさらに東へ進出しようと旧ビルマを占領し、インドを狙いに行った日本も旧ビルマを占領しました。
最近では中国が「ミャンマーを通り抜けさえすればインド洋に出られる、今はマレーシアなどをぐるっと回らないといけない」と考えています。
利害関係により、昔から大国に狙われやすい場所にあるといえます。
まずミャンマーの地理関係です。
西側にはインドがあり、北から東にかけては中国、西から南にかけてタイ、すぐ南にはインド洋があり、比較的大きな国が航行しているという特徴があります。
大昔、イギリスはさらに東へ進出しようと旧ビルマを占領し、インドを狙いに行った日本も旧ビルマを占領しました。
最近では中国が「ミャンマーを通り抜けさえすればインド洋に出られる、今はマレーシアなどをぐるっと回らないといけない」と考えています。
利害関係により、昔から大国に狙われやすい場所にあるといえます。
多民族国家と宗教対立
2つ目は多民族国家という側面で、人口の6割はビルマ人ですが少数民族が130以上あります。
さらに宗教対立もあり、もともと仏教徒が多い国ですが、連れて来られたり逃げ込んだりしたイスラム教徒も特に西部にいて、仏教徒がイスラム教徒を差別するという問題もあるようです。
これを「ロヒンギャ問題」と呼び、逃げ出した人々が他の国で難民として暮らしていますが、ミャンマーがこの問題にあまり対処していないという状況となっています。
これらのことから、問題が起きやすい条件が揃っている国といえます。
さらに宗教対立もあり、もともと仏教徒が多い国ですが、連れて来られたり逃げ込んだりしたイスラム教徒も特に西部にいて、仏教徒がイスラム教徒を差別するという問題もあるようです。
これを「ロヒンギャ問題」と呼び、逃げ出した人々が他の国で難民として暮らしていますが、ミャンマーがこの問題にあまり対処していないという状況となっています。
これらのことから、問題が起きやすい条件が揃っている国といえます。
中国の影響が強まる?
最後の3つ目は軍事政権であるということ。
ミャンマーの戦後の歴史は、軍事政権と民主政権の対立が繰り返されています。
軍事政権になると、民主側のアウン・サン・スーチーさんは自宅で長らく軟禁状態となっていましたが、国際的な批判を受け2011年には民主化されたことで、欧米や日本などの企業が進出。
しかし、国軍の影響がある政党の議席がどんどん減っていったことにより危機感を感じた軍が「選挙に不正があった」などといった理由をつけてクーデターが発生。
2021年以降は軍事政権となり、さらに独立を希望する少数民族も加わり、現在も内戦状態となっています。
混乱状態が続いているため、特殊詐欺の拠点などを作りやすかったということがあるのかもしれません。
さらに大地震が起きたため、国はさらに混乱の状況。
国軍と仲の良い中国は支援をしている一方で、あまり海外支援をしない方針のトランプ政権であるアメリカは支援をあまりしていません。
今後、ミャンマーと中国の関係が緊密になっていくのかもしれません。
(岡本)
ミャンマーの戦後の歴史は、軍事政権と民主政権の対立が繰り返されています。
軍事政権になると、民主側のアウン・サン・スーチーさんは自宅で長らく軟禁状態となっていましたが、国際的な批判を受け2011年には民主化されたことで、欧米や日本などの企業が進出。
しかし、国軍の影響がある政党の議席がどんどん減っていったことにより危機感を感じた軍が「選挙に不正があった」などといった理由をつけてクーデターが発生。
2021年以降は軍事政権となり、さらに独立を希望する少数民族も加わり、現在も内戦状態となっています。
混乱状態が続いているため、特殊詐欺の拠点などを作りやすかったということがあるのかもしれません。
さらに大地震が起きたため、国はさらに混乱の状況。
国軍と仲の良い中国は支援をしている一方で、あまり海外支援をしない方針のトランプ政権であるアメリカは支援をあまりしていません。
今後、ミャンマーと中国の関係が緊密になっていくのかもしれません。
(岡本)
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