北野誠のズバリ「カイシャのシュウカツ」

創業90年以上のオーナー企業、事業承継が難しくなるポイントとは?

昨今、少子高齢化により、中小企業や小規模事業者の後継者難が大きな経営課題となっています。そして、元気なうちに資産の管理や、次世代へのスムーズな承継について考えていく必要性も高まっています。

CBCラジオ『北野誠のズバリ』「シサンのシュウカツにズバリ」では、事業承継と資産承継について専門家をゲストに学んでいきます。

11月13日の放送では、東京でガラスを扱う会社の事業承継について北野誠と松岡亜矢子が三井住友トラストグループ株式会社 経営承継支援 植田駿一郎さんに伺いました。

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歴史ある会社の事業承継

今回植田さんが紹介したのは、関東でガラスを扱う仕事を営んでいる会社の事例。どのような会社だったのでしょう?

植田「年商は3億円ほど。関東エリアで百貨店やホテル向けのショーケース用のガラスケースや鏡の製造・加工・施工を行っている、業歴90年以上の歴史ある会社さんです」

北野「それだけ長い会社なら続けていけばいいのに」

歴史のある会社が何故M&Aをしたのでしょうか?

まずひとつは現在の4代目社長に後継者になるこどもがいなかったこと。
ふたつ目の理由は、業界への先行きに不安があり、以前からM&Aを検討していたのだそうです。

個人と会社の所有物が混在

話はスムーズに進んだのでしょうか?

植田「当初から親族株主の株式の事前集約の要望や、事業用不動産がオーナー個人・法人所有不動産が混在していたため、まず整理することから始まりました」

北野「それは複雑ですね!買い手さんはすぐに見つかったのですか?」

植田「100社ほどアプローチしたけどなかなかマッチングしなかった」

買い手探しに難航した理由は、この会社がニッチ産業であること。
そして現在シュリンク(縮小)している業界のためだそうです。

その後どうなったのでしょう?

植田「候補先のエリアや業種を広げて、追加で70社程アプローチを行い、結果的に3社とTOP面談をおこなった結果、今回の買い手さんが興味を示しました」

1社のみの挙手だったので、その会社とM&Aを進めることになったそうです。

自分と会社の所有分を明確に区別

買い手はどのような会社だったのでしょう?

植田「年商は5億円程で、関西にある同業のガラスを扱う会社」

北野「けど難しいですね、規模が同じくらいっていうのが…。大きかったら吸収してそのエリアにパートとしてやってもらえばいいけど」

植田「そうなんです。この案件は、買い手さんの規模が大きくないことや、個人所有の事業用不動産の売買、買収資金を全額融資で進めた」

そんなステークホルダー(利害関係者)が多かったため、植田さんは銀行側・各士業と連携して対応することになり苦労したそうです。

北野「なんとかまとまった?かなり時間がかかったのでは?」

植田「はい。1年以上かかりました」

北野「個人オーナーさんの会社って、個人の持ち物か会社の持ち物かようわからんもん」

植田「あるあるの話です(笑)」

北野は今後M&Aを考えている方は、「自分の所有分と会社の所有分を明確に区別しておかないと、ややこしくなるので区別した方がいいよ」と促しました。
(野村)
 
北野誠のズバリ「カイシャのシュウカツ」
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2024年11月13日14時49分~抜粋

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