物流業界では、人手不足によって宅配便のサービスがこれまでのようには提供できなくなるのではないかという「2024年問題」が生じました。
実はこの問題、ライブや演劇などにも影響を及ぼしかねないということはご存知でしょうか?
10月4日放送『CBCラジオ #プラス!』では、音楽や演劇などエンタメ好きの山内彩加アナウンサーが、中日新聞2日夕刊の記事を気になるニュースとして取りあげ、竹地祐治アナウンサーとともに解説しました。
物流だけではなくエンタメ業界にも影響を及ぼす「2024年問題」
長時間労働への対策
そもそも2024年問題が発生した理由は、トラックドライバーの長時間労働規制が発端となっています。
以前から長時間労働が問題視されていて、それが運転事故や過労死につながりかねないとして、時間外労働時間の上限を年間960時間とするよう、制限を設けるようになりました。
しかしこの規制が、音楽ライブなどのエンタメ界に大きな影響を及ぼしているのです。
コンサートや演劇では華やかな舞台セットが必須で、東京だけで開催するのであれば移動させる必要はありませんが、例えば東京公演が終わった後、次に北九州公演が開催される場合、大掛かりなセットを運ばなければなりません。
以前から長時間労働が問題視されていて、それが運転事故や過労死につながりかねないとして、時間外労働時間の上限を年間960時間とするよう、制限を設けるようになりました。
しかしこの規制が、音楽ライブなどのエンタメ界に大きな影響を及ぼしているのです。
コンサートや演劇では華やかな舞台セットが必須で、東京だけで開催するのであれば移動させる必要はありませんが、例えば東京公演が終わった後、次に北九州公演が開催される場合、大掛かりなセットを運ばなければなりません。
地方公演が減っていく?
舞台セットはかなりの分量で、トラックドライバーの方がトラック何台かに積み上げて運ぶことになりますが、東京から北九州まで12時間以上かかります。
これまでは東京で公演したあと、翌日に北九州でセッティングができましたが、今は労働時間の制限があるため、さらに時間がかかることになります。
実際にトラックが予定日に到着できず、準備の日程が1日遅れるということがあったそうで、そうすると10日の公演で初日と最終日が削られて8日間になる可能性があります。
公演日が減る分観客数も減り、利益の減少にもつながりかねません。
解決策としては人手を増やすしかないのですが、途中で交代するためにドライバーを複数人にすると、当然コストはかかります。
これまでは東京で公演したあと、翌日に北九州でセッティングができましたが、今は労働時間の制限があるため、さらに時間がかかることになります。
実際にトラックが予定日に到着できず、準備の日程が1日遅れるということがあったそうで、そうすると10日の公演で初日と最終日が削られて8日間になる可能性があります。
公演日が減る分観客数も減り、利益の減少にもつながりかねません。
解決策としては人手を増やすしかないのですが、途中で交代するためにドライバーを複数人にすると、当然コストはかかります。
社会問題ともいえる現象
山内は「国の予算っていろいろな所に充てられてると思うんですけど、こういうエンタメって優先的に削減されるんですよね」と苦言を呈しました。
竹地「安倍晋三元総理が『COOL JAPAN』ということで、『あれだけ韓国が成功してるから、これからはエンタメで日本も』っていうことでやったんですけど、それほど力が入ってないかなと。
次第に防衛予算の報に重みが置かれて43兆円とか言ってますけど、エンタメはひょっとしたら置いていかれちゃってるのかなっていう感じがしますね」
山内「一見エンタメって別の枠に見えるかもしれないですけど、私は社会問題に少しずつ関わってきてるんじゃないかなって思うので。
国の予算を防衛費とかに回すのも大切かもしれないですけど、私個人としてはもっとエンタメに分けてあげてほしいなっていうのはずっと思ってるんですよ」
もし2024年問題によりライブや演劇の地方公演がなくなっていってしまうと、若者を中心にさらに東京集中が進んでいく可能性もあり、単なる娯楽の問題ではなく、社会問題にもつながるのではないかと、山内は考えているようです。
(岡本)
竹地「安倍晋三元総理が『COOL JAPAN』ということで、『あれだけ韓国が成功してるから、これからはエンタメで日本も』っていうことでやったんですけど、それほど力が入ってないかなと。
次第に防衛予算の報に重みが置かれて43兆円とか言ってますけど、エンタメはひょっとしたら置いていかれちゃってるのかなっていう感じがしますね」
山内「一見エンタメって別の枠に見えるかもしれないですけど、私は社会問題に少しずつ関わってきてるんじゃないかなって思うので。
国の予算を防衛費とかに回すのも大切かもしれないですけど、私個人としてはもっとエンタメに分けてあげてほしいなっていうのはずっと思ってるんですよ」
もし2024年問題によりライブや演劇の地方公演がなくなっていってしまうと、若者を中心にさらに東京集中が進んでいく可能性もあり、単なる娯楽の問題ではなく、社会問題にもつながるのではないかと、山内は考えているようです。
(岡本)
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